オススメ本紹介します

ブログ引っ越しの準備として、少しレイアウトを変更しています。

全体表示

[ リスト ]

◎「ベスト・オブ・ドッキリ・チャンネル」−−−森茉莉 [中野翠編] (1994年、ちくま文庫)

日本文学史上燦然とかがやく巨星、森鴎外 の長女 森茉莉  (自身も作家) は、
1979年〜1985年の6年間、<ドッキリ・チャンネル> というタイトルで、
週刊新潮に、TV・芸能評を連載しました。

好き嫌いをはっきり前面に出した、じつに愉快なエッセイです。
そのスタンスは、ナンシー関とよく似ているのですが、
ナンシー関の、『寸鉄人を刺す』 という鋭さに比べると、もっと饒舌で、もっと可笑しみにあふれています。

たとえば、ほめるときはこんな感じ。
あのもみあげを長くした田中邦衛は三百年続いた西斑牙 (イスパニア) の貴族の、血族結婚のために頭の悪くなった城主に仕えているソムリエで、城主の食事のために地下室に下りて行って、葡萄酒の樽の蜘蛛の巣を払って持ってくる、そんな感じである。飄々としているが上の方の家臣たちより城主を思っている、そういう男の感じだ。

けなすときはこんな感じです。
山口百恵の白い歯を見せる笑いには、私の目で見る限りでは品がない。たとえば、山口百恵の微笑いは、コンソメ・ロワイヤル (王室風のコンソメ) を一匙唇に運んで、隣席の人に微笑いかける微笑いではなくて、氷水の小豆かイチゴ、レモンスイ、なぞをすぐ曲がる、あのへなへなのアルミニウムの匙で一匙しゃくって口に入れ、隣で、汗拭きの手拭い (米屋か魚屋のお中元の) を畳んで膝にのせ、彼女と並んで氷水を口へ運んでいる婆さんに (おばあちゃん、スーッとするねえ) と微笑いかける微笑いである。

大川橋蔵の 「銭形平次」 が大好きで、
番組がはじまるとまず、主題歌をいっしょに歌い、
いい場面がくると、 『いよっ! 明神下!』 『銭形!』 『平次親分!』 とかけ声をする、とか、

「小川宏ショー」 は大好きだが、途中からレギュラー入りした頼近という女性が大キライなので、
頼近が登場すると、画面にハガキをかざして、見ないようにする、とか。

とにかく可笑しい、とにかく楽しい。
森茉莉はこのとき、70代後半〜80代前半のはずですが、まだまだ元気いっぱいです。→ 次回に続きます。

閉じる コメント(2)

ほう!森鴎外の娘さんですか。知りませんでした。
田中邦衛のくだりいいですねえ。
あの人しか出し得ない鈍・純な感じが伝わります。
阿藤快は第二の邦衛を予感させるも、常にカメラを意識するレポーター業のいやらしさと、本人の持つ小ずるさによりあえなく失敗みたいな感じがします。

2010/5/29(土) 午後 4:10 [ bro*nsu*ar_*eav** ]

なるほど。
若い方は、森茉莉をご存じないのですね。
年代によって、知ってること・知らないことが違ってくるのは当然のことですね。

2010/5/30(日) 午後 5:33 s_yumi_m2006


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事