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  「82年生まれ、キム・ジョン」  チョ・ナムジュ 
  (2018年、筑摩書房、1500円)

  主人公キム・ジョンは33歳。 (時代背景は2015年です。)
  首都ソウルで、やさしい夫と愛らしい一歳女児と暮らしています。

  あるときジョンは精神に変調をきたします。
まるで他人が憑依したかのような話し方をして、周囲の度肝を抜くのです。
心配した夫が精神科医に相談し、医師はジョンと面談しながら、その生い立ちをさぐっていきます。

<子ども時代>
ジョンの母は、姉とジョンとふたりつづけて女児を出産したとき、 「お義母さんすみません」 と、涙をこぼします。
ようやく生まれた弟は一家の帝王で、ジョンは弟のミルクをなめただけで、祖母からどつかれます。

<学校時代>
隣席の男子にさんざん意地悪されても、先生は助けません。
出席番号は男子から、昼食開始も男子から、学級委員は男子のみ。 女子はつねに二流生徒扱いです。
大学での就活はさんざん。 男子学生に開かれている門が、女子学生には閉ざされています。

そう、これは 「韓国で女性が生きるとは」 をテーマにしたフェミニズム小説なのです。
プロパガンダ的で面白くなさそう。 読むまえはそう思っていました。
でも、じっさいにはこの本、小説としての魅力をじゅうぶんにそなえていたのです。

読者は、キム・ジョンに深く感情移入します、
ジョンの母親にも、姉にも、友人にも、会社の女性上司にも、同僚にも。

胸揺さぶられる思いで読み終わりました。
韓国で100万部を超す大ベストセラーになったわけが、よーくわかりました。
すぐれた小説です、オススメです!
韓国ミステリ 「あの子はもういない」 には、ガッカリしてしまったわたしです。
新聞書評のオススメ紹介を信じて読んだのに...。

同じく新聞書評で見かけて図書館予約をかけておいた韓国小説が、ほぼ同時期に手元に届きました。
何となく、読む気がわいてきません。
「どうしようかなー、またガッカリするのはいやだなー」

でも、今度の本は素晴らしかったのです!
次記事でご紹介しますね。

「妻への家路」 補遺

さて、前記事でご紹介したブラヴォー! な中国小説 「妻への家路」 は、数年まえ映画化されています。
映画も素晴らしかったです。
映画館の座席で 「おお! おお!」 感嘆しながら見ました。

でも映画は、小説の後半ほんの4分の1くらいの部分しかあつかっていません。
また、主人公は陸焉識ではなく、その妻です。
労働改造農場での政治犯の苛酷な生活については、まったく触れられていません。

投獄されたあとになって初めて妻に 「恋する」 ようになった、夫の心情も描かれていません。

なので、 「映画を見たから本はいいや」 と考えておられる方 (わたしも最初そう思いました) は、ぜひ、本もお読みになってみてください。
至福の読書体験を味わえますよ。
   「妻への家路」 
   厳歌苓 
   (2015年、角川書店、2100円)

  小説背景は1970年代の中国です。
  主人公 陸焉識は、 「反革命」 の政治犯として、もう20年近く服役しています。
  寒冷な草原 (労働改造農場) で重労働に従事させられ、他の囚人たちがバタバタと命を落とすなか、何とかここまで生き延びてきました。 (いまは60才くらいです。)

かれは、上海の名門旧家に生まれ、
20代でアメリカ留学から帰国したあとは、若き大学教授として、裕福な知識人生活を謳歌してきました。

しかしかれは、自らの知性を恃むあまり、権力に対してつい過剰な発言をしてしまいます。
何度目かの 「不注意な発言」 のあとかれは逮捕され、そのまま今に至っています。

「労働改造農場」 の苛酷な生活がじつにリアルに描かれていて、引き込まれます。
陸焉識は、知性と生命力の限りをつくしてこの苛酷さを生き抜くのですが、とくに印象的なエピソードがあります。

あるとき、懲罰のために手足をしばられて放置されたかれは、足の感覚がなくなっていくのに気づきます。
このままでいたら、壊死した足を切断することになる...。
かれは必死で助けをもとめ、たまたま親切なひとが居合わせてくれたのでした。

このように、中国政治犯のサバイバルものとして読んでも、ひじょうに興味深いですが、
この小説、じつはもうひとつの側面を持っています。
たいへん美しい恋愛小説 なのです。

若いころ、親が決めた妻に対して、ほとんど愛情を感じられなかった陸焉識。
妻以外の女性との情事に夢中になっていました。
しかし、獄中でかれは、妻への愛に卒然と目ざめて...。

何年にいちど出会えるかという、素晴らしい小説でした!
読んでいて、胸うちふるえる思いをたびたび感じました。
余韻が長く長くつづいています。

  「何があってもおかしくない」
   エリザベス・ストラウト 
  (2018年、早川書房、2300円)

  前作 「私の名前はルーシー・バートン」 の続編みたいな作品です。
  作家として成功し、知的な家族とニューヨークで暮らしているルーシーは、
  じつはイリノイ州田舎町の極貧家庭で育ったのでした。

その町にむかしも今も住み、ルーシーをよく知るひとびと。
そのひとたちのさまざまな人生を、しっとりとしみじみと描きわけた、連作短編集です。

火事にあって生活が暗転したのに、頭を上げて、その不運を乗り越えてきた家族
ベトナム戦争から帰還後、PTSDから抜け出せない男性
セックスをともなわない結婚生活で、お互いを愛し思いやる夫婦
いまだ貧窮から抜け出せない、ルーシーの兄や姉
などなど...。

「人生って楽しいのよね、ルンルンルン」 みたいなひとは、誰も登場しません。
みな、生きることの悲哀をかみしめながら 生活しています。
読むほどに、共感と連帯感を感じて、胸が熱くなります。

「なぜストラウトを読むかと言うと、その理由はレクイエムを聴くのと同じだ。
悲しみの中にある美しさを経験する...」

というニューヨーク・タイムズ誌の書評が、心に染みます。

ただ、同じスタンスで書かれた連作短編集はすでに 「オリーヴ・キタリッジの生活」 があり、
そちらのほうがずっとクッキリしてすぐれていると (わたしは) 思います。
ストラウトを読んでみようと思われる方はぜひ、まずは 「オリーヴ...」 のほうを。

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