オススメ本紹介します

ブログ引っ越しの準備として、少しレイアウトを変更しています。

エド・マクベイン

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 次のページ ]

先日、意気揚々とあたらしい書庫 (「マイクル・コナリー書庫」) を開設しましたが、
ここで、まえから気になっていた 「エド・マクベイン書庫」 について、少し言及したいと思います。

エド・マクベインの 『87分署シリーズ』、
ニューヨークを思わせる架空の街アイソラを舞台に、87分署の刑事たちがイキイキと活やくします。
数十年まえは、日本でも大人気のシリーズで、
黒澤明 『天国と地獄』 をはじめ、翻案映画がいくつか作られました。

警察ミステリなのに、人生のペーソスがしみじみと描かれ、読みながら泣いてしまうこともしばしば。
ディック・フランシスとならんで、大、大、大好きな作家でした。

『ホープ弁護士シリーズ』 も含め、60を超える作品をほぼもれなく読みました。
だから、満を持しての書庫開設だったのですが...、紹介はうまく進みませんでした。
再読がかったるくなってしまったのです

たとえばディック・フランシス。
紹介にあたっては、当該作品を再読するわけですが、その楽しいことと言ったら!
初めて読んだときと劣らぬよろこびが得られたのです。 (とうぜん、紹介はサクサクと進みます。)

いっぽう、エド・マクベイン。
まず、語り口 (文章) が、いやに冗漫に感じられておどろきました。
レギュラー登場人物である87分署の刑事たちについて、延々と語られるのもわずらわしい。
...要するに、以前のよろこびを感じられなくなってしまったのです。

つよい哀惜感を味わいました...。
そんなわけで、 「エド・マクベイン書庫」 は、中途半端なまま放置されることになりました...。


◎「熱波」−−−エド・マクベイン (87分署シリーズ、第35作)

クリングが、妻の不貞疑惑に苦しむのは、どの作品だったかなあ、と、ときどき思っていましたが、
この作品でした。

ハンサムで、いちずな恋をする、バート・クリング刑事。
87分署シリーズの中で、多くの恋を経験します。

クレア・タウンゼント・・・心理学専攻の学生
 まだクリングが巡査だったころ、 「通り魔」 (シリーズ第2作) で出会って、恋仲になります。
 「クレアが死んでいる」 (14作) で、無差別殺人の犠牲になります。

シンディ・フォレスト・・・病院勤務
 「10プラス1」 (17作) で出会ったときは、まだ10代の少女でしたが、「サディが死んだとき」  (26作) で、 破局をむかえます。

オーガスタ・ブレア・・・一流ファッションモデル
 「死んだ耳の男」 (27作) で出会い、「命果てるまで」 (31作) で結婚します。
 たいへんな美人で、収入もクリングのそれを、はるかにしのぎます。

熱愛するオーガスタが、自分を裏切っているのではないか、という、苦しいうたがい...。
読者は、メインストーリーの殺人事件そっちのけで、クリングの苦悩に感情移入してしまいます。

小説の結末。
署内更衣室ベッドで泣いているクリングを、キャレラが見かけます。

彼はそのベッドに行った。
その端に腰を下ろす。
この友だちの肩に片手をかけた。
「話してみろよ」 キャレラはいった。


ウーム...、このセンチメンタリズムこそが、87分署シリーズの身上です。

◎「幽霊」−−−エド・マクベイン (シリーズ34作)

超常現象をテーマにする、ベストセラー作家が殺されます。
捜査に乗りだすキャレラ刑事とホース刑事。

捜査のなかで、キャレラは、妻のテディとよく似た若い女性と出会います。
魅力的なこの女性は、自分には一種の超常能力がそなわっていると、主張します。
笑止千万と思いつつ、キャレラは、みょうにこの女性に、こころ惹かれてしまいます。

ストーリーの終盤、
キャレラは、この女性といっしょに、一種のポルターガイスト現象を経験します。

驚きと恐怖が去ったあと、
『絶対に、誰にも、このことは言うまい』 と、わが身に誓うキャレラです。
(狂人あつかいされることは必至ですから。)

ミステリーとして、すっきりこじんまりまとまっていて読みやすいし、

キャレラの、たいへんな愛妻家ぶりや、
ホースの、気楽な独身プレイボーイぶりなど、
87分署ファンにとって、楽しい読みものになっています。

◎「血の絆」−−−エド・マクベイン (シリーズ第30作)

真夜中近い、都会の路上。
ふりしきる雨で、ひとかげもまばらな通りを、ふたりの少女が、帰路をいそいでいます。

友人のパーティから帰宅途中の、このふたりが、とつぜん、ナイフをもった男におそわれます。
すきを見て逃げ出した15歳少女が、警官をつれて現場にもどったときには、
17歳少女は、すでに殺されていました、いくつもの刺し傷を受けて...。

...という、猟奇的な通り魔殺人で幕をあける、この作品。
このあと、ストーリーは、意外な展開を見せ、思いもよらぬ結末を迎えます。

死んだ少女は、両親を亡くして、数年前から、叔父一家にひきとられていました。
異性をひきつける、美しい娘でした。

ただ、細やかに庇護してくれる親をもたない年若い少女にとって、
この美しさは、危険を招きかねないものでした。
(性)愛の何たるかも、よくわかっていない、このおさない少女が、
無惨な運命の犠牲になっていくさまが、いかにも哀れで、むねが詰まります。


事件の全貌があきらかになったとき、
キャレラをはじめとする、87分署の刑事たちは、
あまりの痛ましさに、言葉をうしないます。

未熟な若ものたちを、高みから、哀れみをこめて見つめる、成熟したおとなたちの視線。
読者も、おとなとして、刑事たちと同じがわに立って、同じ悲哀を味わうことになります。

87分署シリーズのなかでも、ひときわ印象にのこる異色作です。

◎「ショットガン」−−−エド・マクベイン (87分署シリーズ第23作)

マンションの一室で、30代の夫婦が殺されています、ショットガンで、無残に。
キャレラとクリングが、この事件を担当します。

87分署シリーズの大きな魅力、<刑事、事件関係者に会う> が、スタートします。

1.死んだ男の母親・・・息子の妻を嫌っています。
2.被害者の隣室に住む、初老婦人・・・耳が聞こえないことを、じょうずにかくしています。
3.死んだ男の会社上司・・・女性嫌悪症です。
4.死んだ男の会社受付・・・3の男性が評するところの、「色情狂」 です。
5.銃器店の店主・・・書類整理が苦手そうです。
6.容疑者の愛人・・・たいへんな美人で、本人もそれを充分自覚しています。

さて、4の若い女性は、ハンサムなクリングに、大胆なモーションをかけてきて、クリングを困惑させます。
クリングには恋人がいるのです。

「クレアが死んでいる」 で、恋人クレアを失い、悲嘆にくれていたクリングですが、
「10プラス1」 に登場した娘シンディと、今は恋仲です。

恋多きクリングは、このあと、3人の女性とつきあうことになります...。
(オーガスタ、ケイト、シャリン。 わたしのお気に入りは、ケイトです。 もうじきシリーズに登場します。)

さて、この作品、途中1ヶ所、ミスプリントがあります。
「ア」 と 「マ」 のちがいですが、とても大事なところなので、読むたびに気になります。
(マクベインのまちがい? それとも、翻訳者、井上一夫のまちがい?)

ともあれ、魅力あふれる作品です。
マクベインらしさを、堪能してください。

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 次のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

コンタクトレンズで遠近両用?
「2WEEKメニコンプレミオ遠近両用」
無料モニター募集中!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
ふるさと納税サイト『さとふる』
お米、お肉などの好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事