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マイクル・コナリー

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  「燃える部屋」 【上・下】 マイクル・コナリー
   (2018年、講談社文庫、各880円)

  ハリー・ボッシュは、相変わらずロス市警の未解決事件班に勤務しています。
  今回取り組む事件は、10年まえの銃撃事件です。
  広場で演奏中のバンドメンバーが、不運にもギャング抗争の流れ弾に当たった...
  と見られていたこの事件、じつは...。
  
定年間近のボッシュは、今回、フレッシュな20代の女性刑事ルシア・ソトとコンビを組みます。
女性・メキシコ系、というふたつのハンディをかかえながら、優秀な警察官ぶりを見せるルシア。

ルシアはこの銃撃事件のほかに、自身も被害にあった20年まえの保育園火災についても再捜査したい。
その意を汲み、火災事件についての捜査協力を申し出るボッシュです。

このようにストーリーを紹介しても、ボッシュ・シリーズの魅力は伝えられません。
まあいちど読んでみてください。
その (ミステリとしての、小説としての) レベルの高さに驚きますよ。

主人公ハリー・ボッシュが、駆け出し刑事ルシア・ソトが、そしてその他さまざまな登場人物が、
何とイキイキと、小説世界を動きまわることか。

読むほどに引き込まれ、自分もロス市警の刑事部屋に居合わせるような感覚にとらわれます。

明日はあの目撃者に会いに行こう、
そのまえに鑑識ラボに寄る必要があるが、そっちはルシアにまかせよう、
では、昼に 「**ダイナー」 で落ち合ってから高速を使おう、...などなどの捜査段取りを頭にメモしながら。

何と言っても 「警察小説の最高峰」 です。 はずれのない、素晴らしいシリーズですよ。
(ちなみに、この讃辞は、クリントン元大統領が寄せたものだそうです。)
シリーズ初登場時 (「ナイトホークス」)、 ボッシュ刑事はすでに40歳です。

*売春婦だが愛情深かった母親を11歳で失い、養護施設や里親の元で成長したこと
*成人してから、自力で父親を探しあてたこと (ミッキー・ハラーの父親である高名な弁護士)
*20歳になるやならずでベトナム戦争に従軍し、トンネル工作員として恐怖の体験をしたこと

*除隊後ロス市警の警官となり、その非凡な捜査能力で、わずか8年で殺人課刑事に昇進したこと
*その後懲戒処分を受けて (犯人逮捕の際、丸腰の犯人を射殺)、 ハリウッド署刑事に降格したこと
*結婚歴はないこと

などの基本背景が、印象深く読者に語られます。

悪を憎み正義を追及するボッシュは、 「正義より政治」 という上司たちと相容れません。
主として、アーヴィング・アーヴィング副警視正ですが、
かれとの確執が、ボッシュ・シリーズの重要なサブテーマになっています。
(ただこの人物、単なる悪役でなく、わりあい複雑な人物として描かれています。)

この確執に、ほとほといやけがさしたボッシュ、あるとき衝動的に警察をやめてしまいます。
しばらく私立探偵としてはたらいたのち、チャンスがあって、ふたたびロス市警への復帰を果たします。
その後は 「未解決事件捜査班」 で、過去の事件を再捜査することになります。

さてボッシュのプライベートです。
捜査で知り合ったFBI女性捜査官と恋に落ちて結婚 しますが、
この結婚はのちに破綻し、妻はなぜか香港に移り住んで、そこでボッシュの子供を生みます。

子供が5歳くらいになってからこの事実を知らされたボッシュ、強い父性愛 に目ざめます。
その後元妻が亡くなり、ボッシュは思春期の娘を引き取って、いっしょにロスで暮らし始めます。

40歳の男ざかりでシリーズ初登場したボッシュ、今や、50代後半の初老おっさんです。
それを思うと、このシリーズ、この先どんなふうにつづいていくのか気がかりです。
ボッシュに定年はないのか、70歳になっても警察ではたらきつづけるのか?
数年前にボッシュ・シリーズに出会ったとき、 (「警察小説の最高峰」 という触れ込みに惹かれて)、
読む順番にあまり頓着せず、わりと気まぐれに読んでいました。

ところが、ある程度読みすすんだとき、思ったのです。
「ああしまった!」
「シリーズ第一作から順番に読むべきだった!」

というのも、ボッシュ・シリーズ、
「レギュラー登場人物の生活状況が何十年も不変」 という 『サザエさん手法』 は採っていず、
シリーズが進むにつれて、ボッシュの人生はどんどん変化していきます。
「その変化を時系列で追いたかった!」

そこで、自分自身の確認のため、また、同じようなもどかしさを感じているコナリーファンのため、
ボッシュの人生をざっとまとめてみたいと思います。

最近まとめ読みした作品から、また、
まとめ再読した作品から、 (年末年始、読むものが不足し、シリーズ初期3作品を楽しく再読)、
かなりのヒントが得られました。

では、次記事をお読みください。
  「ブラックボックス」 上下 マイクル・コナリー (2017年、講談社文庫、各860円)

  ボッシュ・シリーズの、翻訳紹介最新作です。

  ロドニー・キング殴打事件に端を発した、1992年のロサンジェルス大暴動。
   このときすでに殺人課の刑事だったハリー・ボッシュは、
  暴動の街で起こった殺人事件の数々を、足早に捜査してまわります。

ゆっくり腰を落ちつけての捜査など、夢のまた夢。
<あわただしく事実関係をつかみ、報告書類を作成して、それで終わり>
というような対応しかできません。

そのとき出会った事件 (デンマーク人女性ジャーナリスト殺害) に心残りを感じていたボッシュは、
ロス暴動20周年の区切り目で、事件再捜査の機会を手にします...。

文章の読みやすさ、構成の巧みさ、サスペンスの盛り上がり、など、
もちろん、そんじょそこらのミステリには及びもつかない、ハイレベル作品なのですが、
わたしとしては、あまり好きになれない作品 でした。

「ロス暴動20周年の再捜査で、まっさきに外国籍白人女性の死を取りあげるのはいかがなものか?」
「人種的配慮を考えるなら、黒人被害者の事件を最優先にあつかうべきだろう」
という、上司たちの (政治的) 示唆が、しごくもっともなものに思えてしまうからです。

ボッシュの独走ぶりに、あまり共感できなかったし、
殺人の背景や謎解きも、いまいち納得感に欠けるものがありました。
  「死角 オーバールック」 マイクル・コナリー (2010年、講談社文庫)

  男が、ひざまずいた格好で、後頭部に銃弾を撃ち込まれて殺されています。
  大きな病院に勤務する医師、と、身元が判明します。
  警察が自宅におもむくと、被害者の妻が、ベッドの上で縛り上げられています。

  捜査が進んでわかってきたことは、
<殺害された医師が、脅迫されて (妻の身を案じて)、 病院から放射性物質を持ち出した>
ということでした。

いったい脅迫者は誰なのか? テロリストなのか?
脅迫者の要求にしたがったのに、なぜ医師は殺されてしまったのか?
持ち出された放射性物質は、いまどこに?

さまざまな疑問をはらむ事件ですが、
ハリー・ボッシュ刑事は、着々と真相に迫っていきます。
そして、ついに明かされる、おどろきの真実...!

比較的みじかい作品です。 (他作品のように上下巻に分かれていない。)
その分、緊張感があって、よくまとまっていたと思います。
終盤で、ボッシュはうっかり、盗まれた放射性物質で被爆してしまいます。
大丈夫かな、ボッシュ...。 気がかりです。

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