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ドクター差別と選ばれし者たち

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 「主観的幸福論の誤謬」(6月26日付)で言及しましたが、「私が幸福だと思えば幸福」という主観的幸福論は成り立ちません(注:同様に「女性がセクハラと思えばセクハラ」も成り立たない)。「幸福かどうか」は、客観的な判断に因ります。では、その「客観的な判断」に必要な基準(=要素)とは、どういうものなのでしょうか?
 
 最も説得力がある要素は、「寿命」と「人口」で、その積が「幸福度」になります。つまり、「(その国の)平均寿命」×「(その国の)総人口」=「(その国の)幸福度(=幸福指数)」というわけです。
 
 もちろん、要素は他にもあります。水道がある、電気がある、冷蔵庫がある、冷暖房機がある、洗濯機がある、掃除機がある、電車・バスがある、自動車がある、病院がある、銀行がある、コンビニがある、ベビーカーがある、優先席がある、なんて(利便性に関すること)のも、当然、幸福かどうかに関係しますが、数値化は難しいので、この際、割愛します(注:ブータンを「世界一幸せな国」と思っている人たちにとっては、「利便性」は幸福(度)と何の関係もないのだろうが、客観的に見れば、そうではなかろう)。
 
 では、国と国の比較ではなく、わかりやすい(日本の)江戸時代と現在を比較してみましょう。
 
 江戸時代の日本の人口ですが、約3000万人だそうです。平均寿命は、「50歳」という説がある一方、「30〜40歳」という説もあるので、中をとって「40歳」にしましょう。そうすると、「40歳」×「3000万人」=「12億ポイント」になります。「12億」ではポイントとして大き過ぎるので、1億分の1にして、「12ポイント」にします。
 
 一方、現在の日本の人口ですが、キリの良いところで「1億2000万人」としましょう。平均寿命も、キリ良く「80歳」にしましょう。であれば、「80歳」×「1億2000万人」=「96億ポイント」、その1億分の1は、「96ポイント」になります。
 
 江戸時代「12ポイント」、現在「96ポイント」、「利便性」を抜きにしても、日本の「幸福指数」は、確実に上がっていることになります。
 
 では、ブータンは、どうでしょう? 人口は、80万人弱です。平均寿命は、約70歳だそうです。そうしますと、「70歳」×「80万人」=「5600万ポイント」、その1億分の1は、「0.56ポイント」です。日本とは、比較になりません。

イメージ 1
のどかな暮らしに憧れる人がいてもおかしくはない
しかし、あくまで「主観」であり、「一般化」はされない
(写真提供:クリエイティブ・コモンズ)
 
 生物界では、その名の通り、生きること、個体としては「どれだけ生き続けられるか」が一番大事と言っていいでしょう。また、集団としては「どれだけ多くの個体が生存しているか」が一番大事と言っていいでしょう。であれば、「寿命」と「人口」という客観的な要素で「幸福度」を判断する、という試みも、まんざらでもない、「主観」による幸福論よりも正確と言えるかも知れません。
 

この記事に

  • 女性車両での、オバサマらの幸福指数は?
    笑えます

    [ さんちゃ ]

    2017/7/9(日) 午後 2:22

    返信する
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    さんちゃさん

    >オバサマらの幸福指数は?

    (ワガママな)彼女らの主観からすれば、「男がいない」というのは、幸福指数が高いのでしょうね? でも、それって、社会全体からすれば、本当に「幸福」なのでしょうか?

    乗客は「女性」だけではありません。男性乗客の「幸福度」は無視していいのでしょうか? そう考えれば、たとえば、「混雑緩和」がより良い解決策だとわかるはずなんですがね(苦笑)

    ドクター差別

    2017/7/9(日) 午後 2:56

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    いつももっぱら購読の方で楽しませていただいております。

    さて、幸福なんですが、これは主観的なものにならざるを得ないのではないでしょうか?同じ状況でも、人によって幸福に感じる人とそうでない人がいるからです。すなわち、政府の役割は、情報をコントロールして、幸福だと思いこませることでしょう。

    人口×寿命という基準の最大の問題点は、時代同士の比較はできても、国同士・地域同士の比較できないということです。なぜなら、人口というのは国の規模でいかようにも変わるからです。極端な話、南朝鮮が北朝鮮と合併しても、この基準では幸福度が増してしまいます。世界最大の幸福国家は、中華人民共和国ということになると思います。いや、インドかな?

    [ zyo***** ]

    2017/7/9(日) 午後 3:24

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    zyo*****さん

    >幸福なんですが、これは主観的なものにならざるを得ないのではないでしょうか?

    個人的には、そうでしょうね。でも、それでは「一般化」されません。

    >人によって幸福に感じる人とそうでない人がいる

    麻薬や酒に溺れている人でも、「自分は幸せだ」と思っているかも知れません。でも、それって、本当に「幸せ」なんでしょうか?

    >政府の役割は、情報をコントロールして、幸福だと思いこませること

    それって、本当に「幸せ」なんでしょうか?

    ドクター差別

    2017/7/9(日) 午後 3:50

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    続き

    >人口というのは国の規模でいかようにも変わる

    そうです。その国の「幸福指数」とは、そういうものだ、と言うか、そういうものでしか比較できない、「国民が幸せだと思っている」では比較できない、ということです。

    >南朝鮮が北朝鮮と合併しても、この基準では幸福度が増して

    合併した一時期は、「人口×寿命」は大きくなりますが、それをその後も維持できるかどうかはわかりません。

    なお、「自由度」や「利便性」など、定量化しにくいものも、実際は「幸福度」に大きく影響していることは当然です。そういう要素を削ぎ落とした、ギリギリの尺度なわけです。それを承知の上で、「主観による幸福論」の矛盾を指摘しているわけです。

    ドクター差別

    2017/7/9(日) 午後 4:02

    返信する

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