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ドクター差別と選ばれし者たち

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 今さらですが、暇なので、取り上げました。ピント外れが、ハンパないです。

【男が痴漢になる理由】いつまで「それでも僕はやってない」なのか…多くの男性が目を逸らす“不都合な真実”(三浦ゆえ 2017.09.15)

『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)発売に際して、いろんな方に本書を読んでもらいました。

 「いろんな方」と言っても、読んだのは、関係のある人、興味のある人(だけ)でしょうね。

男性からのフィードバックがとても少ない

 当たり前です。ほとんどの男性にとっては、関係のない話だからです。痴漢の話に限らず、人は、自分に関係のないことに興味を持ちません。

女性はかなり熱のこもった、そして具体的な感想を送ってくれます。

 それは、痴漢犯罪は、女性にとっては(男性にとってよりも)身近なことだからです。一方、「痴漢冤罪」に関しては、立場は逆転するでしょう。

痴漢はまぎれもなく社会悪のひとつであり、本来ならそこに向けられる視線に男女差はないはずです。

 いいえ、自分関係ないことには、人は興味を示しません。それは、痴漢犯罪に限りません。

「殺人とは許されない犯罪か?」という問いへの答えに、男女差はないでしょう。強盗や傷害事件についても同じだと思われます。

 それは、女性でも、男性でも、皆に起こり得ることだから、自分にも関係することだからです。

女性が被害者になりやすい性で、男性が加害者になりやすい性だから……という単純な問題ではなさそう

 いえいえ、単純な話です。「痴漢被害者のほとんどは女性、一方、男性のほとんどは痴漢ではない」からです。

男性も被害者になりえますし、

 男性にとっては、痴漢犯罪の被害者になることよりも、痴漢冤罪の被害者になることの方が何倍、何十倍も深刻ですから、痴漢犯罪よりも痴漢冤罪に対して関心が高くなるのは当然でしょう。

多くの男性にとって痴漢問題はどこまでも“他人事”です。

 「男性のほとんどは、痴漢ではない」ですから、「他人事」なのは当然でしょう。

斉藤氏は「痴漢をはじめとする性犯罪、性暴力は女性の問題ではなく、男性の問題である」と明言します。

 いいえ、その人個人の問題です。痴漢をしない男性は、どんなシチュエーションであっても、痴漢をしないのです。

1,000人を超す痴漢常習者を含む性犯罪者と向き合ってきたからこその実感

 これでは「片手落ち」です。「1000人を超す痴漢をしない男性」とも向き合わなければ現実を把握できません。いやいや、痴漢の比率は、多く見積もっても「(男性)100人に1人もいない」でしょうから、少なくとも100万人の(痴漢でない)男性と向き合ってはじめて、現実の社会と同じ状況になります。そうすれば、「痴漢は男性の問題」なんて、軽々に言えないでしょう。

現在は「すべての男性は潜在的に加害者性を内在している」と考える

 なるほど、こういう考えだから、「男性は皆、痴漢予備軍」と考えているから、「痴漢対策と称する女性専用車には、(痴漢予備軍の)男性は乗ってはいけない」なんて(男性)差別的な考えがまかり通っているわけですね。

社会に根深くある男尊女卑的価値観が横たわっていて、

 国や自治体が「女性優遇策(=クオータ制)」を推進し、巷のそこかしこに「女性専用〇〇」、「女性割引」などが氾濫している、そのどこに「男尊女卑的価値観」があるのでしょうか? 逆です。「女尊男卑的価値観」がまかり通っています。

条件さえそろえば「すべての男性は痴漢になるリスクを秘めている」といい、

 男性に対するひどい偏見です。どんな条件になっても、痴漢をしない男性は痴漢をしないのです。たとえ法律で「痴漢をしても罰しない」なんてことになっても、痴漢をしない男性は痴漢をしないのです。それは、法律で「万引きをしても罰しない」となっても、万引きをしない人がいる、「暴力を振るっても罰しない」となっても、暴力を振るわない人がいる(と推測できる)のと同じです。

 てか、もし「(条件さえそろえば)すべての女性は売春婦になるリスクを秘めている」なんて発言したら、世間はどう反応するでしょうか?

だからこそ、その価値観を男性自身が是正していかなければならない

 あなたの価値観(=男性に対する偏見)を是正すべきです。

私は“男性の加害者性”に疑問を感じる女性は少ないと思います。性暴力という苛烈な形でなくとも、大なり小なりの加害者性を日常的に感じているから

 こういう(男性に対する)偏見が、痴漢に遭って「男性が怖い」なんて発想になる、「同性として(痴漢のしでかすことに)責任がある」なんて発想になるのです。

もちろん価値観をアップデートし、

 「アップデート」しなくても、「痴漢をしない男性は(生来)痴漢をしない」のです。むしろ、男性に対して偏見を持っている側こそ、「そういう(痴漢をしない)男性が大多数」だということを「アップデート」すべきです。

「自分は痴漢になる可能性がある」と考えるより、「痴漢冤罪の被害者になる」と考えるほうがよほど“居心地がいい”

 いえいえ、「居心地がいい」のではなく、それが「現実的なだけ」です。痴漢をしない男性にとっては、自分が「痴漢になる可能性はゼロ」、一方、「痴漢冤罪にハマる可能性は(低いながら)ゼロではない」からです。

コメント欄やSNSには痴漢問題が語られること自体への強い拒否感と、それよりも痴漢冤罪が問題だと訴える声ばかりが並びます。

 (痴漢でない)ほとんどの男性にしてみれば、そうでしょう。

かつて『それでも僕はやってない』という映画がヒットしましたが、そうした書き込みの行間からは「それでも男は悪くない」という本心が漏れている

 男は悪くない、当たり前です。ごく一部の痴漢をする男が悪いのであって、大多数の(痴漢でない)男性が悪いはずがありません。もし「男は悪い」と考えているとしたら、それこそ大問題です。

男性パネリストが「実際に加害をしている男性はほんのひと握りで、ほとんどの男性はやってない」と話すのを聞き、私は首をひねりました。

 あらら、事実ですけど? なぜ、首をひねるのでしょう?

被害者に浴びせられる自己責任論(最後まで抵抗しなかった女性が悪い、など)がメインテーマに据えられていました。

 「女性が悪い」ということではなく、「(犯罪に遭いたくなければ)自衛しなさい」という話です。これは、痴漢犯罪だけでなく、すべての犯罪について言えることです。

私はこうした自己責任論の発信もまた、暴力“的”だと感じます。

 当たり前のこと(=自衛)、親切なアドバイスを「セカンド・レイプ」と言う、その口ですね。

「現実に加害した男性」と明確に区別して考えなければいけないのは大前提ですが、だからといって「何もしていないから、いいよね」とも思えません。

 この人、「痴漢でない男性にどうしろ」と言っているのでしょうね? 「同性として反省しろ」でしょうか? 「同性として、少しくらい不利益を被っても我慢しろ}でしょうか?

男性が「性犯罪者は自分たちとはまったく違う存在」と声高に主張するほど、

 犯罪者と犯罪者でない人は、「まったく違う存在」です。「同性だから」と、それを一緒くたにするのは、大間違いです。

安易な線引きは、性犯罪、性暴力をより“見えないもの”としてしまいます。

 「線引きをしない」というのは、痴漢と痴漢でない男性を一緒くたに論じることになります。実際、この人、一緒くたにしようとしてますね。

「それでも男は悪くない」「それでも僕は関係ない」は、痴漢や性犯罪を“男性の問題”として考えなくていいことにする魔法のフレーズ

 いえいえ、「男性の問題」ではありません。痴漢犯罪は、痴漢個人の問題です。(痴漢でない)男性を「加害者」に仕立ててはいけません。

 ただし、男性は優しいですから、「関係」がなくても、女性のために、「自衛」のアドバイスをしたり、防犯カメラの設置を奨励したりしているわけです。

『男が痴漢になる理由』には、男性が反発を感じるであろう箇所がいくつもあります。

 読んでいませんが、痴漢でない男性が「反発」するのでしょう。痴漢は、案外、「納得」するでしょうね。

なぜ抵抗や反発を感じたかを考えてほしい

 「考えてほしい」のは、こちらです、「なぜ、痴漢でない男性が抵抗や反発を感じるのか」を。それは、男性に対する偏見、男性差別だからです。

本書が「それでも」な思考停止状態に風穴をあける一冊となることを願っています。

 「男性は、皆、痴漢予備軍」的な考え方をしている限り、良識のある男性の理解は得られないでしょう。「女性=被害者、男性=加害者」という妄想に囚われている限り、ウソで成り立つ「女性専用車」はなくならない、「痴漢冤罪」はなくならないでしょう。

 「女性学」は、一部のまともな研究を除いて、「初めに結論ありき(=男が悪い)」です。だから、男性のなかの問題人間(=痴漢、盗撮魔、DV男など)ばかりを取り上げ(注:今回の「1,000人を超す痴漢常習者を含む性犯罪者と向き合ってきた」なんてのもそう)、「男が悪い」という結論を補強しようとします。これ(=初めに結論ありき)は、「科学」でも、「学問」でもない、「似非科学」、「似非学問」です。こんなインチキ臭い主義・主張に惑わされてはいけません。


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    もし『すべての婚活女性は第二の木嶋佳苗になるリスクを秘めている』なんて本が出たら炎上必至でしょうなあ。

    [ 論理谷認定 ]

    2017/12/2(土) 午前 2:00

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    著者も編集者もこんな本を世に出して、恥ずかしくないのかと呆れてしまった(笑)

    >(リンク先より)最終的には「痴漢撲滅」の方策を考えることに主眼をおいた一冊

    だったら編集者は「1,000人を超す痴漢常習者を含む性犯罪者と向き合ってきた」だけを強調しないで、
    ・痴漢でない人との違いを分析したこと
    ・分析した結果、痴漢を減らす方法
    ・分析した結果、痴漢にあわない方法(自衛の方法)
    などがこの本に書いてありますと、解説しないと駄目でしょう。
    まあ、この編集者の文章から察するに、「痴漢撲滅の方策」はズレた内容でしょう(笑)

    >思考停止状態に風穴をあける

    この本によって風穴はあかないですね。
    風穴をあけることができるのは、女性専用車両が出来て痴漢対策が思考停止状態になっている現状に、疑問を呈し、改善しようとしている女性専用車両反対派の人達です。

    [ moo***** ]

    2017/12/2(土) 午前 3:35

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    論理谷認定さん

    >リスクを秘めている

    それを言ったら、すべてにリスクがある、あるいは、可能性がある、となりますね。

    ドクター差別

    2017/12/2(土) 午前 10:58

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    moo*****さん

    >・痴漢でない人との違いを分析したこと

    百万人の痴漢でない男性のことを調べてはいないでしょうから、1000人の痴漢との比較はできていないでしょうね。(「男性学」と称する)「女性学」って、大抵、そうです。

    >・痴漢を減らす方法

    これが肝心ですね。混雑緩和、防犯カメラなど、痴漢がしにくい状況をつくらないと。

    >・痴漢にあわない方法

    これが一番大事ですね、痴漢に「痴漢をやめろ」と言ってもやめないわけですから。しかし、「自衛」を説くと、「悪いのは痴漢なのに、何で、私が自衛しなくちゃいけないの!?」あるいは「セカンドレイプ」などとほざくわけです。

    ドクター差別

    2017/12/2(土) 午前 11:06

    返信する
  • はっきり言って三浦ゆえは論理的思考力が欠けていて感情論に走っていて危険なタイプだと思います。性犯罪者になる可能性が0だと言える男性なんて当たり前にこの世にはいませんが、性犯罪者になる可能性が皆無と言いきれる男性はいない=全男性が性犯罪者になるリスクを秘めていると言える、とはなりません。そこから勘違いしてるのでしょう。また、何故、男性という括りに固執するのか、それは「結論ありき」だからでしょう。三浦ゆえの理論なら、全ての人間は性犯罪者になるリスクを秘めている、とも言えますし、全ての人間は、自分は性犯罪者をしていないから良いとは言えない、同じ人間として「人間の問題」と考えなければいけない、とも言えるでしょう。男性という括りに固執する時点でおかしいです。

    [ mk0***** ]

    2017/12/2(土) 午後 6:13

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  • まあ、この人は差別や偏見がどのように生まれるのかをよく示していると思います。この人の場合は性犯罪者とそうでない男性をひっくるめて男性と括ることで差別してますが、犯罪者の黒人とそうでない黒人をひっくるめて括り、黒人の問題だ!黒人は黒人の問題としてこれを考えるべきだ!と言えば人種差別、性格の悪い女とそうでない女性をひっくるめて括り、女性は〇〇、女性の問題だ!女の問題として考えるべきと!言えば女性差別になります。実際に、日本でも国籍等で括り、在日は犯罪率が高いから在日の問題、全ての在日が在日の問題としてこれを考えるべき!と一部の過激な差別主義者が騒ぎ、差別がおきています。この人もその差別主義者と同類だと思います。本人がそれに気付いていないだけで、彼女は紛れもなく「差別主義者」であると思いますね。レイシスト呼ばわりされても仕方ないのでは?と思うほどです。

    [ mk0***** ]

    2017/12/2(土) 午後 6:19

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    mk0*****さん

    >性犯罪者になる可能性が0だと言える男性なんて当たり前にこの世にはいません

    まあ、実際は、そう(=ゼロではない)かも知れませんが(注:それを言ったらすべてがそう)、赤の他人がそう言うのは、「名誉棄損」ですね。だから、責任のない者(=ただの「賛成派」)は平気で、そう言いますが、責任がある者(=鉄道係員)は、本来、口が裂けても言えないわけです。

    >性犯罪者とそうでない男性をひっくるめて男性と括る

    これが、差別の「元凶」ですね。黒人差別も、朝鮮人差別も、男性差別も、「根は同じ」ですね。

    ドクター差別

    2017/12/2(土) 午後 10:04

    返信する
  • > ドクター差別さん
    差別の根はみんな同じですね。人種差別も性差別も根は同じですが、それに気付かない人が多いのは残念ですね。女性差別反対と言っている人の中には、 男女を反対にすれば明らかに女性差別になるような行為=男性差別 を平気でやるダブルスタンダードがいますからね。そういう人(恐らく三浦ゆえさんもその手の人)は、差別の根は同じであること、自分が実はダブルスタンダードであること、自分の言動の根にあるものが実はレイシストと全く同じであることに気付くことのできない頭の悪い人なのでしょう。しかもその手の人は指摘されて気付かされると、間違いを認めなおそうとするのではなく、逆ギレしたり罵倒したりとあの手この手で相手をこき下ろそうとするのでタチが悪すぎますね。

    [ mk0***** ]

    2017/12/3(日) 午前 0:09

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    mk0*****さん

    >男性差別を平気でやるダブルスタンダードがいます

    ある差別には「反対」だが、別の差別には「賛成」では、「ダブ・スタ」ですね。その典型が、「女性差別には反対だが、男性差別には賛成(=差別と思わない)」ですね。

    >レイシストと全く同じであることに気付くことのできない頭の悪い人

    東大教授、弁護士と言っても、アテになりません。彼らは、大抵、「差別」に関しては無知なのです。「差別」を学習せず、「自分は頭が良い(から何でもわかっている、差別もわかっている)」と思っているのは、愚か者ですね。

    ドクター差別

    2017/12/3(日) 午前 10:20

    返信する

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