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ドクター差別と選ばれし者たち

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 「女性専用車両」もそうですが、「子連れ専用車両」には、2つの意味があります。1つは、「子連れは、子連れ専用車両にしか乗れない」というもの、もう1つは、「子連れは、子連れ専用車両に乗れて、他の車両にも乗れる」というものです。

子連れ専用車両、どう思う? 子どもお断り社会を考える(十河朋子2017年12月4日)

JR東海では、夏休みや年末年始といった行楽や帰省のシーズン中、東海道新幹線「のぞみ」に、子連れ専用車両の「ファミリー車両」を設けています。

 さて、これは「子連れは、子連れ専用車両にしか乗れない」というものでしょうか?

 いいえ、

JR東海によると、きっかけは、車内の混雑時に子連れの家族が周囲に気を使う様子が見られたこと。すべての利用客が気兼ねなく旅行できるようにと誕生しました。

ということからすると、「子連れは、子連れ専用車両に乗れて、他の車両にも乗れる」というもののようです。であれば、これは「子連れを差別するもの」ではない、むしろ、「子連れに配慮するもの」と言えます。

 同様に、「女性専用車両」は、「女性は、女性専用車両にしか乗れない」というものではなく、「女性は、女性専用車両に乗れて、他の車両にも乗れる」というものです。であれば、これも「女性を差別するもの」ではなく、「女性に配慮するもの」です。

 では、なぜ、イギリスでは、「女性専用車両」が女性差別だと捉えられ、女性議員や女性団体が反対しているのでしょうか? それは、イギリスの「女性専用車両」は、「女性は、女性専用車両にしか乗れない」と考えられているからです。これは、すなわち、「男女別(=区別)」なわけですが、「女性が(無理矢理)隔離される」と考えるから、「女性差別」と捉えられるのです(注:かつての白人と黒人の分離(=区別)政策は、人種的偏見に根差したもので、なおかつ、実際に格差も存在した)。

 また、インドやイスラム圏の国々の「女性専用車両」も同じです。それらの国の「女性専用車両」は、原則、「女性は、女性専用車両にしか乗れない」となっています。これは、宗教上・風習上の「女性隔離」(=パルダー)に基づいているので、「男女別(=区別)」ではあっても、「女性差別」と言えるでしょう(注:本当に「女性専用車両(=男女別列車)」だから、男性が「女性専用車両」に乗ろうとすれば、叩かれたり、スクワットをさせられるのである)。

 ところで、日本の「女性専用車」は、他国のように「本当に女性専用の車両」ではありません。「女性は、女性専用車両に乗れて、他の車両にも乗れる」というだけでなく、「男性も、女性専用車両に乗れて、他の車両にも乗れる」のです。つまり、「区別」でもなく、「差別」でもないのです(注:「差別(=女性専用)」でないから、裁判所が認めたわけだが、「女性専用」でなければ、その存在意義はない)。

 ただし、「女性専用」でないものに「女性専用(車)」なんて事実に反する(つまりは、ウソの)命名・表記をしているのですから、この意味では、とんでもない代物です。しかも、そのウソによって、「差別」が引き起こされている(=女性乗客による男性への侮辱・排除行為)のですから、「並みの差別以上の差別」と言えます。駅員が「女性専用としないと(つまりは、ウソをつかないと)男性が乗り込んで成り立たない」なんて言っている、そんな(ウソをつかないと成り立たない)代物が、この世に存在していいのでしょうか? いいわけがありません。


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