バイブルパワー

私たちは誰も一人じゃない、ありのままでずっと愛されている。
本日、どうにかこうにか「善の研究」を読み通せました。 

第一編 純粋経験
第二編 実在
第三編 善
第四編 宗教

先に紹介しましたが、講談社学術文庫版は、内容を細かく区切って、注釈やら解説やらをつけてくれているので、理解できるまで繰り返し読みながら進めていくことができました。 編者の小坂国継先生に感謝です。

以下は、率直な感想です。
全体を通して、「意志」というものが重要な概念になってくるわけですが、第一編を読んでいて、始めて意志が論じられているところでは、やや唐突に思いました。 慣れるのに少し時間がかかりました。 これは単純に、意志論に関して、これまで私の知見が不足していただけのことかなと思っています。

第一編と第二編とを読み終えた時点で、ヤマを越えたつもりでいたのですが、第三編に入って、かなり抵抗を感じました。 第三編は、善というタイトルからわかるように倫理学を扱う内容です。 倫理学の基礎知識が不足していることを痛感したのです。 そこで、回り道になるけど、「倫理学概論」なる本を一冊読みました。 それも最近のテキストよりも、「善の研究」と時代が近いものの方が内容に親密性があるかなと思ったので、神保町の古書店で、カビの生えたような倫理学概論の本を300円で購入して読みました。

そこでは、倫理学を、大きく行為論、良心論、道徳的標準論(標準をどう考えるべきか?)に分けて解説されています。 著者は、文学士大島正徳となっていて、国際的な教育者としてかなり有名な方のようです。 調べてみると、叔父に当たる方が大島正健という方なのですが、何と札幌農学校第一期生で、クラーク博士の薫陶を受けた一人でした。 機会があれば、大島正徳先生のことをもっと調べてみようかととも思います。

本題に戻って、倫理学とは何ぞやという課題をクリアした気分になった私は、第三編も読み進めることができました。 やはり、一回読んだだけでは消化しきれず、これからも何かと紐解くことになりそうです。

第四編は宗教を論じているのですが、西田幾多郎の宗教観は独特なもので、深い思索と古今東西宗教家の幅広い研究にもとづいていることに感嘆しています。 内容を紹介したいところですが、もう少し読み込まないと語れない気がしております。

振り返って考えてみますと、私は大学時代を京都で過ごしていて、哲学思想にかぶれた時期も長かったのですけど、それにもかかわらず西田哲学を読もうという考えは起こりませんでした。 1970〜1980年代に当たります。 大学だけでなく世間全般にそういう風潮ではなかったかと思っています。 西田幾多郎はじめ、いわゆる京都学派など時代遅れの遺物のように考えられていました。

30年、40年経って、風向きが変わってきたというところでしょうか。もっとも、私の中だけの話かもしれませんが。

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善の研究

いつか、じっくり読んでみようと思っていた古典の一つが、西田幾多郎「善の研究」でした。

今、その時期が来たようです。 この学術文庫版は、注釈と解説がわかりやすく、どうにかこうにか読み進めていくことができて、ありがたい限りです。 これまでは、何度チャレンジしても、最初の1〜2ページでアップアップして、先に進みませんでした。 本書では、段落を細かく分けて、注釈と解説を施してあります。そのおかげで、段落ごとに繰り返し読むうちに理解が伴うようになります。 西田哲学の独自な思考法と術語に慣れるためにも、繰り返し読むことが私には必要だと感じていますので、この構成がぴったりくるのです。

まずは、この善の研究をしっかり読む込みことに専念しますが、ゆくゆくは、以降の著作に進んでいきたいと考えています。



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連休初日の今日は、上野にある東京都立美術館に、「バベルの塔」展を観に行った。あちらこちらで宣伝されているし、けっこう有名な作品でもあるので、かなりの混雑を覚悟して行ったのだが、案外それほどでもなかった。 

この展覧会ではブリューゲルだけでなく、15〜16世紀ネーデルラントの画家の作品が多数展示されていた。 なにぶん中世にあたるので、聖書を題材にした宗教画もあり、私としては見応えがあったのだが、たぶん、そのせいで観客が多く集まらないのかもしれない。 あちらの宗教画というと、聖書にもとづくもの以外に、聖クリストフォロスや聖カタリナのような聖人伝説にちなんだものが多い。 残念ながら、私は聖書ならわかっても、聖人の話題にはいまいち疎いので、鑑賞しても、フーン・・・で終わってしまう。 聖カタリナのことは、今回初めて学んだ次第だ。

ブリューゲルの作品は、バベルの塔を除けば、農民のありのままの生活を描いたものや、魚や家畜類を滑稽に描いたものが多くて、興味深い。 日本の鳥獣人物戯画
のカエルのような仕草をしているヤツがたくさん居て、大変面白く思った。

この展覧会では、肖像画や版画が多いことも目についた。それらも、あまり混まない原因なのだろうと思う。私としては、それだけじっくり鑑賞できたし、見応えも十分にあったので満足している。

このあと、都立美術館の少し先にある、東京藝術大学の美術館の雪村(セッソン)の展示を見に行った。 雪舟と雪村との関係、尾形光琳にも影響を与えたことなどを知ることができた。 水墨画を見る機会はあまりないのだが、ダイナミックで型破りで、野趣にあふれたとでもいうのか、力強い筆致に大いに感銘した。 一緒に行った息子は、ブリューゲルよりもこちらが面白かったようである。

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