真面目な真剣な話なんだ
第三十二回 晩夏のバイアス この書庫の記事は、ハイビスカスとは何の関係もございません。また訂正、加筆、分割などを繰り返し、読みやすい構成に整えてゆく予定です。
ここでは、巷にあふれる怪しい思想、怪しい本、怪しい治療法、怪しい団体から、自分や家族を守り、周囲との人間関係を壊さないようにするためのヒントを、書き綴ります。
ここ数回の内容は、かなりの部分が「代替医療のトリック」 サイモン・シン、エツァート・エルンスト著 青木薫訳 新潮社刊 に依っています。文章を短縮し、コメントをはさんだりしていますが、問題がある場合はご指摘くだされば、即座に対応します。ほぼ訳文そのままな引用部分は、紫色の文字にしてあります。
しばらく間が空いたので、少し整理しておきましょう。この一連の記事は、怪しい宗教やらニセ科学やらを信じてしまった人と、それを心配して警告する人たちの関係が悪くならないように、という意図で書き始めました。一見無害そうなスピリチュアルなアレコレの危険性、警告する人の考えることなどに触れたあと、現在は、おかしなものを信じないようにするための考え方について、拙い文章ですが説明しているつもりです。ここ数回はホメオパシーに対する批判となっています。
ホメオパシーの説明は、数回分遡って読んでいただきたいと思いますが、その愛好者にとってみれば、なんでこんなに執拗に批判を続けるのか、まったく意味不明、「ひど〜い」といったところでしょう。読んでいただきたい愛好者さんはすでに、この記事に拒否反応を起こして去ってしまっているだろうな、とは思うのですが、これから誘われる人もいるかもしれませんから、何かの役に立つと信じて、続きを始めることにします。
これまでは愛好者の方の気分も害さないようにと、多少の配慮はしてきましたが、今回の中間的なまとめでは、はっきりとホメオパシーに関する疑念を明らかにしてゆきます。
では、僕がなぜ批判をするか、理由を列挙してみましょう。
●ホメオパシーの守備範囲が、もろに医療分野であること
●基本的な理論が、荒唐無稽であること
素人が考えても説得力がなく、精度の高い臨床試験でも、その効力が否定されている。
日本学術会議をはじめ、多くの科学者、医師、研究者が否定。
●施術者の教育や、その資質に疑問が感じられること
●波動・水の記憶などという、悪質なニセ科学の理論を取り込んでいること
●ホメオパシーを信じ、適切な通常医療を拒んだための死亡事故の発生
犠牲になるのは、何の罪もない子ども、弱者、ペットたち。
●ホメオパス(施術者)だけでなく、愛好家による受診・投薬拒否
医療関係者から直接聞いたのですが、愛好者は診察を受けても、投薬を拒否することがあるそうです。
自由と言えば自由だけど、それって外から見れば、輸血を拒否する宗教団体と同レベルだよ。
●良いところ?だけを説明され、愛好者が増えていること
●社会保障費削減のための利用を目論む動きが、ちょっとだけ垣間見えたりしたこと
某厚生労働大臣がチョロッと発言。官僚に信奉者(か、何も分かってないオバカさん)?
ナチスも医療費削減のため導入を検討した歴史あり。
これはちょっとした陰謀論で推測の域を出ませんが、ナチスの件は事実です。
●レメディーの原料って、結局化学物質か、混じり物のある自然物質では、という疑問
エコ的にはどうよ?
●人に勧めず、自分だけでやってればいいけど、こういうのって結局勧めちゃうじゃん、という危惧
●原発事故の放射能被害に、レメディーが有効であるという根拠のない主張
言葉もありません。チェルノブイリで有効だったデータでもあるのでしょうか?
ただ自分の信じるものは ゚+.(o´∀`o)゚+.゚イイ!! と主張したいだけの醜態。
●ワクチン接種への反対
後日触れます。
●大きなお世話と言われても、知人から加害者を出したくない
お友達や周囲の人からホメオパシーを勧められている方は、上記の項目についてよくお考えくださいね。勧める方がどんなに良い人物でも、間違いはあるのです。その方たちが悪いのではなく、悪質で無責任な人間が組織の上の方にいて、元凶は彼らなのです。
これだけ書けばもういいだろ、と思われたかもしれませんが、まだいくつか言わなければならない事が残っています。それは次回以降で触れるとして、今回の残りは、バイアスという言葉の紹介に費やすことにしましょう。
「バイアス」について
上記のように様々な疑惑を含み、例えばwikipediaの該当記事を読むだけでも、問題点が顕著なホメオパシーであるにも関わらず、日本でもジワジワと愛好者が増えつつあるようです。「なぜ?」と言いたくなってしまうのですが、幾つかの原因は推測することができます。そのうちの一つは、これです。
「様々な批判があるのに、それを無視して愛好者がホメオパシーに傾倒し続けるのは、何らかのバイアスが入っているからに違いない」
ここでいう「バイアス」とはどういう意味でしょうか? 素人の僕が、当たらずも遠からじな説明をいたしましょう。
「バイアス」とは、単純に「偏り」とか「偏見」と捉えてもらっても良いのですが、主に、人の認識の誤り・偏りに関係して使われる心理学用語です。心理学の分野では、多くの分類がなされ、例えば「確証バイアス」のように、頭に何かを付けられ用いられることもあります。僕たち一般人はそこまで熟知する必要はないでしょう。
人間は外界からの刺激や情報を、まず知覚します。そして脳の記憶領域に保存します。(短期的な記憶と長期的な記憶があったりします) そして、何か行動するために知識が必要になった時は、それを取り出し、思考します。普段何気なくやっている事ですが、複雑なプロセスを日常的に繰り返しているわけです。
思考の部分を考えてみましょう。何か新たな事態に遭遇した場合、人間は過去の記憶と照らし合わせて、それがどういうものか判定しようとします。過去の経験が、物事の捉え方を左右するため、同じ事態に遭遇しても人によって、全く違うように見えたりするわけです。
この見え方を左右するものは、何も思考の部分における経験だけではありません。目や耳や脳の能力差も関わってくる場合もあるでしょう。広い意味で言えば、その人を取り巻く人間関係や環境も大きな要素です。
このように、個人特有の様々な要因により、誰もが状況に対する認識に偏りを持つことになるのですが、その偏りが顕著だったり、その偏りの原因が大体分かっちゃったりした場合、次のように言われてしまうわけです。
「あいつ、めっちゃバイアス入ってるよ!」
「嫌なことは信じない(バイアス入ってる)から、失敗するんだよ」
「自分だけは大丈夫と思う(ってバイアス入ってる)から、逃げ遅れるんだよ」
「見かけだけ気にする(バイアス入ってる)から、エンジンボロボロの車買っちゃうんだよ」
「自民党はとにかく嫌だ(ってバイアス入ってた)から、民主党なんかに投票しちゃったんだよ」
「夏の恋が終わらない事だってあるんだよ! そんな弱気なバイアスで、大切な彼女を行かせて本当にいいのか、このバカヤロー! まだ間に合うかもしれないじゃないか。江の島駅までダッシュだ!」
なんとなーく、お分かりいただけたでしょうか? 例によって、僕流の解釈ですので、信用・引用は慎重に!
話をホメオパシーに戻しますと、愛好者の皆さんは、何か共通のバイアスを持っているのだろうか、ということが気になるところです。 バイアスについては、直接次回には続きませんが、リテラシー(読み書き能力→真偽を見分ける能力)同様、この分野(どの分野だ?)では良く使われる用語だと思われますので、頭の隅にでも入れておいて下さいね。
いつもより短いですが、今回はここまでにします。 |
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