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罪の現実&天使の罪

罪の現実


 罪は、人間の歴史に現れています。

 それを無視したり、
 この暗い現実に、他の名を与えようとするのは無駄なことです。


 罪とは何か、
 これを理解するためには、
 まず、人間が神に結ばれている深い絆を認める必要があります。


 この関係を抜きにして、
 人間生活に重くのしかかる罪の悪性の正体は暴かれません。
 なぜなら罪とは、
 神を拒絶すること、神に反対することに他ならないからです。


 罪、特に原罪の現実は、
 神の啓示に照らされてこそ明らかになります。
 啓示が、神について私たちに与える知識なしに、罪を明確に認めることはできず、
 罪を、単なる未熟さ、心理的弱さ、間違い、
 不適切な社会構造の必然的結果とみなしてしまいます。

 神は、人間がご自分を愛し、
 また人間が互いに愛し合うためにこそ、自由意志をお与えになりました。
 人間に対する、神のこの意図を知って初めて、
 罪が、与えられた自由の濫用であることを理解するに至るのです。

 アダムを罪の源と認めるには、
 恵みの源泉であるイエズス・キリストを知らなければなりません。

 原罪についての教えが、
 「イエズスは全ての人の救い主であり、
  全ての人が救いを必要とし、
  その救いはキリストのおかげで全ての人に差し出されている」
 という聖福音の、いわば『裏』にあるものだからです。

 堕罪の物語(創世記第3章)は、比喩的な言葉を用いていますが、
 原初の出来事、つまり人間の歴史の初めに起こった出来事を明言しています。

 人間の全歴史が、
 人祖の自由意志に基づいて犯された原初の過ちの影響を受けている、
 ということは、信じなければならない確かなことである、と啓示は教えます。


天使の堕罪

 人祖の不従順な選択の背後には、
 神に反対する誘惑者の声があります。
 この誘惑者は、羨望から人祖を死に追いやります。

 『神が死を造られたわけではなく、
  生命あるものの滅びを喜ばれるわけでもない。
  悪魔の妬みによって、死がこの世に入ったのである』(知恵1,13 ; 2,24)


 聖書と聖伝は、この者がサタンまたは悪魔と呼ばれる堕天使であると見ています。
 教会の教えによれば、
 サタンは初め、神に造られた善い天使でした。
 サタンと呼ばれる悪魔や他の悪霊たちは、
 神とその意図に仕えることに対して、自由意志を濫用し、
 これを拒絶したために失墜した天使です。


 『悪魔、及びその他の悪霊も、
  本性上はよいものとして神に造られましたが、
  自ら悪となりました』(第4ラテラン公会議の決議)

 天使たちの罪、この堕罪は、
 被造物である霊が、
 自由な選択をもって、
 神とその統治に対して、
 徹底的に、また撤回できない方法で拒絶したことにあります。

 彼らは、神に対する自分たちの反抗に、人間をも加担させようと企てました。
 天使たちのこの反抗は、『神のようになる』(創世記3.5)という、
 人祖を誘惑した者の言葉にうかがい知ることができます。


 『人間は、神によって義の中に置かれたのですが、
  悪霊に誘われて、歴史の初めから、その自由を濫用し、神に対立するものとなり、
  自らの完成を、神のほかに求めたのです』(現代世界憲章)

 堕天使らの罪、
 その罪が赦されえないのは、
 神の無量の慈悲にかけるところがあるからではなく、
 彼らの選択が、撤回できないものであるからこそです。


 『死後の人間に、悔い改めの余地がないのと同様に、
  堕罪後の天使たちには、悔い改めの余地がないのです』(ダマスコの聖ヨハネ司祭教会博士)

 サタンの業のうちで、最も重大な結果をもたらしたものは、
 人間を神に背かせた『欺瞞の誘惑』でした。

 御父から受けた使命に背かせようと、あえてイエズスさえも試みた悪魔について、
 イエズスから『最初からの人殺し』(ヨハネ8,44)と呼ばれ、
 その有害な影響が明らかにされています。

 しかしながら、被造物に過ぎないサタンの力は、無限ではありません。
 純粋な霊なので、人間よりも強力ではあっても、被造物に変わりありません。

 神の国の建設を妨げることはできないのです。

 サタンはこの世にあって、憎悪をもって、
 神とイエズス・キリストによる王国に抵抗し、
 その悪に基づく行動は、人間各自と社会に、
 霊的に、間接的には身体的にも、
 重大な損害を与えはしますが、
 人間と世界の歴史を、力と優しさをもって導いておられる神は、
 その摂理に基づいてそれを許しておられます。

 サタンは、神がお許しになる範囲内でしか、その力を発揮できないのです。

 神が、悪魔の行動を妨げておられないのは、深い神秘ですが、
 『神を愛する者たちには、万事が益となるように、
  共に働くということを、私たちは知っています』(ローマ8,28)



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