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ルース・レンデルまつりは第何弾だっけ。ウェクスフォード警部シリーズ第6巻。 ちゃんと順を追ったはずが、読みだして間もなく「???」という気持ちにさせられた。登場シーンでえらく不機嫌な様子のバーデン警部、なんと妻に先立たれてひとが変わってしまったというのだ。前作『罪人のおののき』では奥さん元気いっぱいだったじゃん! 伏線あった!? ないよね!? 出版社またぎで混乱したのかと年表(これがついているのは創元の版だけだから、角川版を読んでいるときだといちいち引っ張り出さなきゃいけない)を見ても順番はあっている。とにかくその事実を受け入れて先へ進んだ。 夕刻にキングズマーカム署にかかってきた電話は、幼い息子が外遊びから帰らないことを心配する母親からのものだった。近所のひとびと総出で探しまわったがみつからない。ウェクスフォードとバーデンは8ヵ月前に少女が行方不明になった事件を思い出し、悲劇の予感にとらわれる。 いや〜、驚いた。 何が驚いたって、ミステリ的にどうとかではなく 「バーデンってここまで厭なヤツだったんか!!」 と自分の見る目のなさに驚いた。 40そこそこで最愛の妻に癌で先立たれたことは気の毒だ。しかしそこでの反応が酷過ぎる。葬儀でやってきた義妹・グレースがふたりの子どもとともに残されたバーデンを見かねて滞在してくれるのをいいことに、家事も育児もグレースに任せっぱなし。看護師の職を休職しているグレースには彼女自身の生活もあるのにそんなことは意に介さず、家事は女だけの仕事と決めつけ労わるフリすらもしない。さらには妻の死で最も痛手なのは身体的な欲求不満だと自己分析し、グレースの存在が自分には何の恩恵にもなっていないと不満を持つのだから呆れる。 この作品で殺されるのがこいつであって欲しい と読者に願われるレギュラーキャラってどうよ。 そんな下地から、この物語はバーデンと子どもの母親との関係をメインに進められる。テーマにしたかったことは、登場人物たちそれぞれの人格のなかの「男」と「父親」、「女」と「母親」のバランスの崩れと言って良さようだ。あるいは「幼児性」と「成熟度」のバランスの崩れでもあるかもしれない。最終的に事件を解決に導くウェクスフォード(今回なにしろバーデンは役立たず極まりないから協力関係もなんもあったものじゃないのだ)が完璧に大人でよき父親に描かれているあたりにレンデルのなかにある家庭像、社会像が明らかになっていて、シリーズ世界を理解するうえで重要な作品と見た。
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「殺されるのがこいつであって欲しい」・・・(大爆笑)
レンデル順調ですね。シリーズものがメインなのかな、この作家さん。
2010/9/11(土) 午前 1:48
>ゆきあやさん。久々に登場人物に殺意を覚えたよ(笑)
シリーズもの以外のファンも多いみたいですよ。でもシリーズをまず制覇しちゃうことを目論んでいるので。順調に集めてます^^
2010/9/12(日) 午前 0:18
遅くなりましたが読みました。やっぱ順番守るべきだったかな。。バーデンの悪口しかありませんがあねきはそれを上回ってましたね^^;
2011/8/23(火) 午前 2:26
>ゆきあやさん。ありがとうございます。記事拝見しました。
2011/8/23(火) 午後 2:20