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久しぶりに我孫子武丸さんの作品が目にとまったのは、お友だちの記事で『.jp』を読んだのが記憶に新しかったからかもしれない。人間の脳は意識化でいろんなものを記憶しているそうだ。
好きな漫画を何度も読み返し、模写して遊ぶ子供だった。元々観察力があるところに美大で確かな画力を身につけた。それでも漫画家になるには足りないものが鉄雄にはあったのだろう。三十過ぎてもくすぶる鉄雄に法廷画家の仕事が舞い込んだ。彼の絵がテレビに映し出されたその日、鉄雄は自宅前で何者かに襲われる。犯人の目的は…? 謎解き物語ではない。「犯人は誰か?」の問いに論理的推理抜きで答える方法を提示した作品と言えよう。鉄雄が襲われるための必要条件が都合よく片付けられているとか、明らかに殺され損でしかない登場人物とか不満が残らないではないけれど、アイディアの面白さは買う。 |
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