ポケットにミステリを

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絵に描いた悪魔

 ルース・レンデルまつり第2クールはノンシリーズ長編から。ノンシリーズものとしては最初に書かれ、後のノンシリーズものでは心理サスペンスが主流になっていくのに対し、この段階では本格犯人当ての色が濃いと説明されていたので興味を持った。ついでに申し添えると小泉喜美子氏が生前最後に翻訳したのがこの作品だそう。

 荘園と公園の町・リンチェスターは、いまでは住宅街だ。ハロウズ荘では若い女主人・タムシンの誕生パーティが催されたが、招かれた隣人たちは主人夫婦がそれぞれ近在に不倫の関係をもっていることを察知し、気まずい雰囲気になる。そのうえ主人・パトリックが庭で大発生したスズメバチに刺され、パーティーは混乱のうちにお開きとなった。翌朝パトリックがベッドで死んでいるのが発見される。

 翻訳が悪いとは言わないが、噂好きな金棒引きの主婦たちの喋りようにはほんとに品がなくて、悪意を込めすぎているのではと同情的になる。恋人たちの駆け引き場面には雰囲気たっぷりなのだけれど、日本語として意味不明に感じる部分が目立ったのは小泉氏の急逝により十分な検討ができなかったためと思うのは考えすぎだろうか。

 犯人あてとして程よい意外性も説得力もあるのだけれど、遺産相続だとか婚姻制度だとかの法的要件が現代日本の感覚とずれているものだからすとんと納得いく心地よさではなかったりする。そのあたりは翻訳ものを読むときの泣き所だよなぁ。

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