米澤穂信氏の古典部シリーズ最新作。
『王とサーカス』を貸したら母親が大のホノブファンになり、図書館で借りては読んだらしい。新刊はなかなか順番が回らないからそのうち「アナタ買わないの!?」て言われると思い、買っておくことにした。 収録作品は掲載誌が複数だし、発表順と収録順が違うしでなんとなく人間関係とか個々人の成長の度合いとかに統一感がない感じなのが気になる。 神山市出身の童謡作家・江嶋にちなんだ市民合唱祭に参加するはずのえるが本番前の会場から姿を消したという。手がかりを探す奉太郎はえるが歌うパートの歌詞から彼女の気持ちを察し、手をさしのべようと決意する。(表題作) 本格ミステリとして読んでいる方には済まないが、特に表題作はそういうもんでもないだろうから盛大にネタバレ。 私、このタイトルの意味を完全に読み違えていました。お父さんのセリフだと思ってたよ。 「願わくは自由の空に」 「いまさら翼といわれても許さん、お前はこのまま籠の鳥だ」 そこでホータローである。省エネを旨とするホータロー。世界を股にかける姉に臆するでもなく、残り物を活かした焼きそばや冷やし中華や卵トーストをひとりで作ってもそもそ食べながら、本の世界に遊べるホータロー。えるが空へ飛び立とうというなら、蔵いっぱいしまい込まれているのであろう家の古文書でも虫干しながら、広い庭先を掃いたりして悠然と過ごしてくれそうなベスト婿養子ストなんじゃないの。 なんたって「後は任せろ」だもんね。 なんて思ってたよ。 どこから間違ってたんでしょう。気になるから以前の作品を読み返したほうが良いかなあ。 |
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