ポケットにミステリを

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 お待たせしました>カティさん。5冊に絞るのが困難で、積読本の処理が滞ってしまう1週間でしたが、とりあえず今の気分で選びました。

 順不同のつもりですが、1位だけは 『スクランブル』 と決めています。これと 『名探偵は密航中』 『プレゼント』 は記事がありますので、詳細は割愛します(TBの形でつないであります)。

 一応2位かな?と思っているのは 『死んでも治らない 大道寺圭の事件簿』 (光文社文庫)。?H5>ある事情で警察を辞め、友人の編集者・彦坂夏見(『スクランブル』『ぼくミス』など数々の作品に登場する若竹作品の常連)の勧めでノンフィクションライターに転身した大道寺。バカな犯罪者が犯したバカな失敗例を解説し、犯罪を抑止しよう(?)という意図で書かれた『死んでも治らない』が好評を得て世間に知られるようになった彼は、犯罪者からも興味を持たれる存在になってしまい、事件に巻き込まれてしまう。  5つの事件を並べた間に『大道寺圭最後の事件』と題された短編が細切れになって挟まれている構成です。この部分は単行本出版時の書き下ろしだそうなのですが、あっと驚く仕掛けで魅了されること請け合いです。


 もう1作を選ぶのに非常に迷いましたが、初めて読んだ若竹作品に敬意を表したいこと、またこのような“短編集のふりをした長編小説”が好きな私が、特に若竹氏をこの分野の達人として紹介したいということなどから 『ぼくのミステリな日常』 (創元推理文庫)に決めました?H5>社内報の編集長を任されたOL・若竹七海は、「小説を載せろ」という上からの命令に困り、大学時代の先輩に助けを求める。「自分には無理だが友人を紹介しよう」という先輩の言葉に乗り、匿名作家氏の原稿を採用した。小説は無事に1年間の連載を終えたのだが・・・。

 私の選択はこんな感じです。他にも『クール・キャンデー』(祥伝社文庫)あたりで非常に迷いましたことを付け加えておきます。投票は7月いっぱいを予定しておりますので、皆様のお好みをお聞かせ下さい。

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 一人の作家の作品で好きなものを5冊、という企画がそろそろ苦しくなってきました。創作歴の長い方ならともかく、出来れば1シリーズ1作と限定すると選ぶのが難しくなります。そう考えながら本棚を眺め、今回は浦賀氏に決定。

 原則を一部緩めて“安藤直樹シリーズ”より2冊。
 本筋にあたる流れからは『頭蓋骨の中の楽園』を選びました。処女作『記憶の果て』は文章が若いというのか、思いついた表現はくまなく書き込まれているような印象で、もっと刈り込めば読みやすくなるのにと思っていました。本書はシリーズ第3作で、手馴れてきた感じを受けます。相当乱暴にまとめれば「女子大生連続殺人を同級生たちが追う」話で、この辺りまでは、作者は安藤直樹というキャラクターを風変わりながら一応「名探偵」に成長させるつもりでいたように見受けられます。現在本筋のお話は『学園祭の悪魔』まで書かれていますが、この展開には予想を超えるものがありました。安藤直樹という特異なキャラクターの魅力全開のこの作品については好悪が分かれることでしょうが、私は『頭蓋骨〜』に次いでこの作品が好きです。

 安藤直樹シリーズに属するものの番外編である『透明人間』は、浦賀作品でフェイバリットであると以前からあちこちで宣伝している作品です。相変わらず凄惨な殺人の描写がなされているものの、本編のヒロイン理美が絶望から立ち直るさまは“ハートウォーミング”としか形容しようがなく、“救い”のないことが多い浦賀作品においては異色の作品といえるでしょう。

 『眠りの牢獄』は“悪仕掛け”と評される作品。著者が自分と同名のキャラクターを探偵役に据えるのは珍しくありませんが、こういう使い方はあまりお目にかかったことがないでしょう。何回も使える手ではありませんが、ここでは成功していると思います。

 『彼女は存在しない』も異常心理に起因する犯罪を描く点では安藤シリーズと同系の作と言えるでしょうが、ヒロインを見守る目の温かさにやりきれない哀しさを感じる佳作です。

 『こわれもの』は著者名を伏せて読んだら黒田研二氏の作かと思うかもしれないなと感じた作品です。「浦賀作品の殺人描写らしい凄惨さがやや薄れているので」と言ったら失礼でしょうが、ラストに漂う懸命さ、切なさがそんな感じを受けさせます。

 万人受けする文章でも作品世界でもありませんが、好きになると安藤君になら○○されてもいい(ネタバレにつき伏字)と思えるようにすらなる浦賀作品です。

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 先月の北森鴻氏は残念ながら反響がありませんでした。あまりみなさん読まれていないのでしょうか。文章も上手だし、作品世界をきっちり創れるし、優秀なミステリ作家さんだと思うのですけれども。是非!と改めてお勧めしておきましょう。


 さて、今月はくろけんこと黒田研二氏です。『本格の申し子』などというキャッチコピーを見かけたこともありますが、一言で言って“何を書いても本格になる人”というのが私の黒田観です。

 デビューは第16回メフィスト賞の『ウェディングドレス』。結婚式当日に拉致され陵辱される花嫁、猟奇的なシーンが展開されるAV作品といったモチーフは若い(いや若くなくても)女性に敬遠されがちなところですが、作品を貫くトリックの大胆さ、伏線の丁寧さ、トリックのケレン味などメフィスト賞屈指の秀作。これで一気にファンになり、氏の単行本はみな初版第1刷で揃っています。

 『今日を忘れた明日の僕へ』は原書房ミステリーリーグの1冊(ハードカバーは現在これだけでしょう。このシリーズはなかなか文庫化されないんですよね)。事故に逢って以来「記憶を蓄積できない」障害を負った主人公。妻は毎朝途切れた記憶に混乱する夫に日記を渡す。記憶のない時期に起きた出来事を読み進むうちに様々な謎に取り巻かれていく主人公。次第に明らかになる、忘れてしまいたい真実・・・ この作品は『ウェディングドレス』と打って変わって女性向き、リリカルな作品です。

 文庫がまだ少ない黒田作品において文庫書き下ろしで登場したのが『嘘つきパズル』(白泉社My文庫)。魔夜峰央先生のイラストに目を惹かれてよく見ると著者が黒田氏でびっくり、という出逢い方をした作品です(黒田氏は魔夜先生のファンだそうで、本書の巻末には『パタリロ!』に対する熱い思いが語られています)。ひょんなことから有名美人女優と結婚した主人公が船旅の途中海に転落し、たどり着いた島で遭遇する事件。バカミスなのですが非常に本格度の高い、しかも主人公の「男の純情」が切ない傑作です。

 “書き下ろしサイコ・ミステリ”と銘打った『クレイジー・クレイマー』(実業之日本社)はホラー風味なのですがやっぱり本格。万引き常習犯とクレーマーという困り者と戦う大型スーパーのマネージャーが主人公。テディベアが重要な小道具として登場するこの作品のカバーには、でっかいテディベアと並んで嬉しそうな著者の写真が印象的です。

 早い時期から自身のHPも運営するなど“電脳空間”に強い黒田氏が本領を発揮した感のある『幻影のぺルセポネ』。殺人事件の被害者となった先輩がアクセスしていた通信型コンピューターゲームの世界では、先輩のアバターもまた惨殺されていた。主人公は現実と仮想現実の両方で犯人探しを試みることになる・・・という、現実と電脳空間をリンクさせつつ電脳空間だからこそ成立するトリックを駆使した、新しいタイプの本格ミステリです。

 もうじき新刊が予定されている黒田氏ですが、次作は「初めての非本格」との触れ込みです。そんなこと言ったって絶対本格になっちゃうんじゃないの?というのは揶揄ではなく賛辞ととって下さい。

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 島田氏の次と考えてハタと止まってしまいました。京極氏とか森氏あたりが続きそうなものですが、お二人とも壮大なシリーズものなので同一シリーズから何作も選ぶというのは避けたいし、綾辻氏や法月氏だととっさに5冊は出ない(失礼)し。というわけで、だいぶ最近に飛んでしまうのですが北森氏です。

 この方はシリーズキャラクターが何組もいる上に、シリーズ同士がアクセスしあうという世界構築をしているのでつい立て続けに読まされてしまいます。未読の作品もまだあるのに今回5冊選ぶのが難しかったほどお気に入りの作家さんでして、あるブログで“この先ひとりの作家の作品しか読めないとしたら誰?”という質問に私は北森氏の名前を挙げたのでした。

 『花の下にて春死なむ』はビアバー・香菜里屋シリーズ(他に『桜宵』など)。マスターのさらりとした推理はあまりロジカルではないのですが、文章の雰囲気に酔いながら読めばなぜか納得させられてしまう。料理の描写がまた洒落ていて、飲み歩いたりできない主婦には目の毒です。
 旗師・冬狐堂シリーズ『狐罠』。骨董の世界の騙しあいが延々と描かれる本シリーズは知らない世界を垣間見る楽しさがありますが、続編『狐闇』あたりでは少々食傷気味になりました。
 蓮丈那智フィールドファイルは機Ν兇匹舛蕕噺世いたいのですがここでは機惷Ь侈漫戮魑鵑欧討きます。蓮丈研究室の内藤助手が遭遇する事件「双死神」は『狐闇』のサイドストーリーになっています。『狐闇』には蓮丈那智も重要な役どころで出演しているのですが、二人の女傑の対比も見もの。個人的には蓮丈女史のほうが好きなキャラクターです。
 『親不孝通りディテクティブ』は以前読了記録に書いたとおり現在絶版です。なんとか手に入らないものかと思っていますが、古書店などでも見かけません。どっか別の出版社で文庫おちしないかなぁ。
 『共犯マジック』は傑作です。昭和史の重要事件を軸に並べ、その陰での人間模様を描く試みは『虚無への供物』(中井英夫)に影響を受けているのだそうですが、あの大作に勝るとも劣らない出来。『虚無〜』ファンの方は是非ご一読を。

 ほかにも『狂乱二十四孝』など外したくない作品があるのですが、まずはこの辺で。

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 先月は投票がうまく機能しませんでしたが、今回はどうでしょう?

 さて、今月は島田荘司氏を取り上げました。氏の作品を読んだのはもう社会人になってからだと思います。週に一度は夜勤があったその頃、暇つぶしのために職場の売店で本や雑誌を買い込むのが常で、たまたま『占星術殺人事件』を手に取ったのが最初だったような記憶があります。その頃たしか既に綾辻氏の作品は読んでいて、そこから逆に名前が出てきての選択だったような。だったら綾辻氏から書けばよさそうなものですが、そこは文学史の流れというものを尊重して(笑)。

 島田氏の作品は、“奇想系”と”社会派系”に大別できるように思いますが私は断然“奇想系”が好みです。挙げてみた作品は『異邦の騎士』にしても『占星術殺人事件』にしても真面目に受け取るとバカみたいなトリックなのですが(と言い切るのはマズイか)、作品の雰囲気作りの上手さ、キャラクターの魅力で「天」ならぬ読者も動かされてしまうというところ。その土台があるから『パロディサイト事件』のようなお遊びの作品もちゃんと楽しめるものに仕上がるのでしょう。

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