ポケットにミステリを

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 書店に行ったら驚いた。棚に置いてある4冊全てが特装版「マングースぬいぐるみ付き」だった。予約をしなかったから当然通常版を買うつもりだったのだが、これも何かのお導きだろうとぬいぐるみを連れて帰宅。よくできてますよ、コレ。13巻が出たあたりで大人買い一気読みした本シリーズだが、そういえば記事にしたことがなかったから、ぬいぐるみに免じてひとつ。

 まず音大生編(1〜9)を読んだとき、この物語の肝は「千秋の飛行機恐怖症」にあると思っていた。「日本でクラシックの音楽家として生きる」ことの困難さは、作中で彼が批評家たちに言われる台詞そのまま世間の常識のように思われているところだ。それをあえて国内だけでどうやって話を進めていくのだろうと非常に興味があった。

 その殻をのだめが破ってしまったことからシリーズへの見方がかなり変わる。千秋は天真爛漫なのだめを音楽家として育てていくのは自分だと自負している。しかしどう見ても本当に支えられているのは千秋のほうだ。のだめが自身音楽家として生きるようになれば千秋を陰で支えて行くことはできなくなるだろうから、どこかで彼女をアマチュアにとどめないことには、彼の安定した音楽家人生は望めなさそうだ。のだめは音楽とどうかかわろうと生きていける。そう割り切って、自分が理解している彼女の才能を切り詰めることができるのかどうかが千秋にとって大きなジレンマになる日がきっと来る・・・というのは千秋の師匠・ミルヒーの懸念でもあるのかもしれない。

 そして今回の15巻。話の中心はのだめの初リサイタルである。聴き入る千秋の独白に痺れる(ここの絵のアングルがまた最高)。彼の“覚悟”がどう転がっていくのか、それが私の知りたいところなのだ。
 

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 もうすっかり開き直りモードである。今日もマンガだ、文句あるかぁ!というくらいの勢いだ。とはいっても野間美由紀氏のこのシリーズは“本格ミステリコミックと言えば?”の質問にまず出てくるような作品だからお目こぼし願えると思う。

 香港の大富豪・周に招待された高輪コンツェルン御曹司・歩とともに現地を訪れた香月と大地。周家の娘の誕生祝いパーティは婿選びを兼ねているというふれこみだったが、その実彼女の婿は“手打ち”のために従来敵対してきた李家当主・富城に内定したとの噂も流れていた。そのパーティの席上、娘が刺殺された。(パズルゲーム・ホンコンコネクション『探偵遊戯』)

 パーティの席で香月は人相見から非常な運の強さを褒められる。周りに集まってくる弱いものを助け続ける運命にあり、また他人の運命を変えることができるほど強い運の持ち主なのだというのだ。

 この指摘はかなり大きな意味がありそうだ。香月の行動は数々の事件の際に関係者のその後を左右してきた。探偵役とは本来そういうものだが、作者は彼女のそういう生き方について「人に恨まれることになるかもしれないがあんたは大丈夫」とお墨付きを与えることにしたわけだ。彼女は今後も悩むことなく他人の運命に干渉し続け、結果的に運命に勝ってゆくのに違いない。

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 加藤元浩氏の人気コミック最新刊が同氏の『C.M.B』2巻と同時に講談社より本日発売。前巻のときは苦手な“数学者もの”の巻だったので感想を書くのをうやむやにしてしまったのだが、今回はたいへん面白く読めた。

 都内某有名大学の大学院生・千田川邦彦は、優秀な人間であるはずの自分が苦学生の生活を送っていることに不満を抱いていた。近所に続発する泥棒の噂を耳にした彼は、「自分も盗みをやってみようか。それも完全犯罪を」と思い立つ。(『罪と罰』)

 このところの数冊から「流石にこのぐらい巻数が進むとマンネリにもなるし、『C.M.B』に比重を移すのかな」という勝手な解釈を打ち砕く力作。特に上記の作品はこのシリーズでは過去にない(と思う)試みを用いていて思わず膝を打った。帯のコピー“本格ミステリの金字塔にして最前線”とは良く言ったもので、先日本格ミステリ大賞を『容疑者Xの献身』が獲ったことを思うと、このコピーが一種のお遊びめいて受け取れよう。

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 “角川書店春のガンダムキャンペーン2006”と言われたところで普通なら素通りなはずが、大好きな唐沢なをき氏の絵が目に入ったものだから、いい歳してこんな他愛のないものを即買いしてしまった。帯に趣旨が見事まとまっている。「アムロもシャアも犬の脱力マンガ」「一年戦争前半を(だいたい)完全収録!」

 「ガンダムはファーストガンダムしか認めねぇ」というつもりはないが、実際私はファーストガンダムしか見ていない(私の世代だとだいたいそうじゃないだろうか)。その分、TVシリーズと映画とでかなり詳しく記憶している。その後に回顧録を読むと本当に作家が書きたかったのは“ニュータイプ”云々の概念らしく、そのあたりが番組打ち切りの事情で中途半端になってしまったのを悔やまれているらしいが、そもそも「スペースコロニーの住民が独立戦争を挑んできた」という設定は「悪い異星人が攻めてくる」ばかり見ていた身には画期的な世界観だった。その頃流行していた巨大ロボットものだと、ロボットを操縦する主人公は嬉々として戦っているし、それなりに「特別な人間」という描きかたをされていたものだが、ガンダムの場合主人公アムロを含め「民間人が少年まで否応なく巻き込まれる」戦争というものを描いていたことも珍しかった。今ならそういうドラマ部分を前面に押し出して大人向けのお話にすらできるのではないか。

 などという深刻な回想が粉々に吹っ飛ぶ大問題作が本書である。しょっぱなからカラーページ見開きの犬張子ガンダムに脱力させられ、聞き覚えのある名台詞の数々が蹂躙されていくのをなす術もなく眺めるばかりだ。

 筋金入りの犬嫌いの私だが、気づけばすっかりシャア犬のファンになっていたのだった。これ、「宇宙編」もあるのかな?

 

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 『Q.E.D』の加藤元浩氏が『ロケットマン』に続いて月間少年マガジンに連載を始めた作品がやっと単行本化された。『Q.E.D』は17巻の帯で「法月綸太郎氏絶賛!」と言われるよりも前からチェック済みで、このたび本書と同時刊行された23巻も買ってあるのだが、23巻はちょっと難しかった(苦)のでこちらで記事を書く。

 上記の加藤作品でも主人公は天才少年だが、本書の“天才くん”は私設「森羅博物館」館長・榊森羅。1巻ではまだ彼の経歴が明らかにならないが、どうやら海外暮らしが長そうで、学校にはろくに行っていないらしい。19世紀、大英博物館が研究機関として近代化したとき、当時の女王・シャーロットが3人のトップ学芸員に授けた知の守護者たる証と伝えられる指輪を受け継ぐものである・・・らしい。

 元気なヒロイン・立樹が通う私立明友高校の生物室で、ほぼ骨まで焼け焦げた遺体が見つかった。周囲はほとんど焼けておらず、遺体の腕も焼け残っている不思議な焼け方は所謂“人体発火現象”を思わせるものだった。当初遺体は行方不明になった生物教師・田崎かと思われたのだが、残った腕の指紋は彼のものと一致せず、一転彼が重要参考人として手配される。立樹は兄の無実を信じる田崎の妹と共に真犯人を見つけようと奔走するうち、変わり者の少年・森羅と知り合う。(Op.01 擬態)

 博物館に展示してある化石やら標本やらについて幅広く深い知識を持つ森羅少年は、知りえた情報を論理的に組み上げ真相を見通す力をも持っている。田崎の事件についての情報を余さず伝え「先生がどこにいるか、もったいぶらずに教えて」と食い下がる立樹に森羅がいう台詞がいい。

 「恐縮ですがお客さん、この先は入館料が必要となります」

 そして事件解決の報酬(それは単にお金ではなく事件に絡む珍しい品であるわけだが)を約束されると森羅は「真相」を語り、「犯人」を追い詰める仕掛けを講じる。

 この台詞が非常に気に入った。というのは、まさにその「先」を知るために読者は作品に報酬を払っていると思うからだ。私はミステリと銘打ちながら怪現象を神仏やら霊やら超能力やらのせいにして終わってしまう話が嫌いだ(そういう話ならそういう話と割り切れば好きなものもあるが)。このシリーズになら“入館料”を払って損はないと期待させる滑り出しである。

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