内容(「BOOK」データベースより) 「中学生活最後の夏」という魅惑のフレーズに浮かれるクラスから取り残されていた田村くんの前に現れたのは、進路調査票に「故郷の星へ帰る」と書き続ける不思議少女系、松沢小巻だった。受験直前のバレンタインデー、田村くんの部屋に投石して窓を粉砕&チョコを誤爆したのは、学年随一の美少女にしてクールなツンドラ系、相馬広香だった。そんな変わり者の女の子二人と、空回りしながら奮闘する田村くんが贈る、おかしくてちょっと切ないラブコメディー。「電撃hp」で人気の『うさぎホームシック』『氷点下エクソダス』に、田村をそそのかす男・高浦とその奇妙な妹を描く番外編を加えて待望の文庫化。 極個人的評価★★★★★★★☆☆☆(全十星中七) 結構楽しめた。 以下ネタバレあり。 電撃文庫で最近評判がいいラブコメの書き手・竹宮ゆゆこの初作品集。 電撃hpで連載していた分だけど、わたしはそっちの方読んでないので、八方手を尽くして買ってみた。つか、なかなか見つからないし。 でまあ、読んでみるとやはり良質のラブコメ。 ただし少女漫画の。 あらすじは上の通りだけど、この作品には「いわゆるライトノベル」にありがちな超能力も魔法もメカも格闘技も古流武術もでてこない。そういうのを期待していなかったから別にいいんだけど、毛布おばけと金曜日の階段もそうだったし、電撃もかわりつつあるのだろうか。ってか、毎月10作も出してたらそりゃ色々とバリエーションがでるわけで、そんなに驚くほどのこともないのか。 この作品は松澤小巻(不思議少女系)と相馬広香(クール&ツンドラ系)の二人の少女に好意を持ったりもたれたりする田村くん(歴史好き)の少年の物語で、田村くんの一人称で話が進んでいくんだけど、一見して記号的に思える不思議系だのツンドラだのという言葉は、その実、表層的なものだというのが読み込んでいけば解る。 彼女たちは過去の辛い思い出などが背景にあって、極端な言動や行動にでているのだ。 それは例えば「両親の死」だったり「いじめられて不登校になってた」ことだったりする。これらの背景、そしてそこからでる彼女たちの行動はどうも生々しいものを感じる。彼女たちは確かに小説の上の架空のキャラクターにしか過ぎないのだけど、ある種の現実逃避的な行為をしてしまいそうな弱さなどがちゃんと表現されているように思えるのだ。 やはりそれらは書き手が女性であるということは関連していると思うが、読んでて思ったのはこれって少女漫画だよなあということであり、もっといえば少女小説の文法とかで主人公を男にしただけではないのかということだった。 そういう視点から読み直せば、彼女らのキャラクターやらはさておいて、構成だの展開だのの予想がつきやすい。 そういうわけで一巻を読んだ時点でどっちとくっつくのかというようなことはほぼ想像できてしまった。だが、それはいささかもこの作品の価値を揺るがせることには繋がらない。そういうような王道ともいうべきラブコメがこの作品の目的であり、わたしたちはそれを求めてこの本を買ったからである。 そして色々と予測してなお、ラストの引きには思わず驚いてしまった。 これ次巻が凄く気になるじゃないか……。 そゆわけですでに二巻も読んだのでたりする。 そっちはまたの機会に。 あと、おまけ的にくっついてる「高浦さんちの家族計画」は、田村くん本編の裏話的なものであるが、こっちはなんかどっか現実離れしているようなそうでないような生々しさがある。別の話としてまとめた方がいいのではないかと思ったけど、その場合はラブコメとかでなくてなんになるのかなあ。 うーん。 |
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