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『「うつ」と「躁」の教科書』(ブライアン・P・クイン著、2003年、紀伊国屋書店発行)を読了した。
読み応えのある本で、最後には次のように書かれている。
「脳について、そして気分障害の原因と治療法について、今はほとんど何もわかっていないと言っていいだろう。」
たしかに、人間の脳について、今の科学では、ほとんど何も分かっていない。とはいっても、うつに苦しんでいる患者がいて、その患者の苦しみを減らす薬はある。どうして薬が効くのか科学的な証明は出来ないが、効くのは事実。
しかし薬には、当然、副作用もあり、服用するかどうかは患者自身が決めることだ。
その患者に対して、この本は、次のようにはっきり言う。
「うつ病や躁うつ病の患者にとって、いちばんの武器は知識である。自分の病気について学ばなければならない。」たしかに、孫子の兵法にも「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とある。
「知識をもっていれば、セラピストや医師と対等な立場に立ちやすくなる。自分の経験を症状として特定できれば、患者自身にとっても医師にとっても、病気のある特定の側面を理解する助けになる。そうすればお互いに協力して、最良の治療計画を立てることができる。」
「患者は賢い消費者でなければならない。患者は自分の気分障害について専門家になるべきである。」
本書は、うつ病の患者に、「意識を逸らしてやりすごす」方法を勧めている。
うつの患者は、考えないようにすることが難しい。しかし、患者の心の中に、自分が正当な理由もなく落ち込み、心配し、いらだっていることを理解している部分が少しでもあれば、そのわずかな合理的意識を利用して、気持ちを別の方向に向けることができる。
何か楽しみのある人は、そちらの方に意識を向けるのが良い、というのはその通りだろう。
うつの患者には、ぜひ読むことをお勧めしたい本だ。
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僕も時間をつくって読んでみますー。
2007/3/15(木) 午後 6:45 [ tom ]
「教科書」と書いてあるだけあって、内容は盛りだくさんです。さすがに米国は、表面だけかもしれませんが、患者本位に考えるスタンスが確立している印象です。
2007/3/16(金) 午後 2:45 [ sai*94*ei*n ]