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「郵便で〜す。」 その一日はこの不幸な手紙?から始まったようだ。 玄関に向かう。廊下と玄関の間に10センチほどの段差がある。 いたたー。足を踏み外した。 なんと足の指が二本裂けんばかりにぱっくり口を開けて 血が噴出している。 今日は日曜でしかも午後だ。 病院は救急窓口しかあいてない。 車で近くの病院にいった。 「こりゃだめだ。僕、泌尿器だらかね。これ縫えないよ。」 お前医者だろ! しかもそこは救急医療指定病院だ。 「救急車できてたら、最初から断るんだけどね。」 ということで、当直が整形外科の医院を探してもらった。 「今こんでるからね。一時間くらい待ちますよ。」 急患だといってるだろ!! 結局隣町の病院にいくことにした。 右折レーンにはいる。 信号が突然黄色にかわった。 一瞬まよったが、横断歩道にちょっとかかったところで止めた。 ごつんと鈍い音がした。 追突された。 「すみません。僕が100%悪いです。」 「今警察よびますんで、時間ありますか?」 やけに慣れてるな。 「僕自動車工場やってるんです。保険でやりますので。」 こんな事故の処理のためには、警察もかけつけてはくれない。 30分ほどして、自転車にのって警官が一人きた。 「その足はどうした?」 説明するのも面倒くさい。早く医者に行きたいんだよ!!! 「人身事故じゃないから、当事者同士でやって」 だったら最初から呼ぶ必要なかったじゃないか!!!! ナビが指示した道を右折したら追突された。 なんとその後、元の通りに戻ったではないか。 最初から右折する必要なんてなかった。 去年の6月に買い換えたばかりのナビだ。 まっすぐいってりゃ、事故も起こらなかったのに。 更に一時間かけて隣町の病院へ到着。 「もっとはやくこなくちゃ。こんなに出血して。化膿してるよ。」 「ちょっと時間かかるかもね。縫っとくから、抗生剤もだしとくよ。」 俺のせいじゃないだろ!!!!! 結局3針縫う重傷だ。 追突されても走れるのはせめてもの救いか。 早く帰ろう・・・・ 日曜なのに何故か渋滞している。 近くにショッピングセンターがあるようだ。 中央分離帯があるが、超えられない高さじゃない。 無理やり右折した。 ピピピ、ピー 捕まった。 「すみませんね。違反です。3点で7000円になります。」 謝ってすむなら警察いらないよ。 「おまわりさん。いつから取り締まりやってるの?」 「今日からです。日曜は多いんだよね。事故のもとだから、ごめんね。」 「事故が多いのは間違いないよ。」 「はあ?」 まあ、大怪我しなかっただけでもよかったと思うべきかな? |
- Virgin Cafe
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振り向きざま、出会いがしらに衝突した。 咄嗟に両手で組みとめた。抱きかかえるようになった。 慌てて腰のあたりにそえた手を離す。 仄かに香る。 大人の上品な女の香りだ。 唇がほほの辺りをかすった。 豊満な胸の感触があった。 勢いよく飛び出してきた。 こちらと同じで、隣と話し込んでいた。 扉が閉まる寸前に飛び下りたようだ。 こんな偶然はめったにないだろう。 でも、彼女はうろたえなかった。 さわやかな笑顔で「ごめんなさい。」と一言いって、体勢を整えた。 あまりにも突然でうろたえた。 「あの・・・あっこちらこそ。」というのが精一杯だ。 もう何事もなかったかの様に、廊下を歩いていった。 後姿に見とれている間にすばやく扉が閉まった。 極端に早い。 同僚もあっけにとられていた。 歩く姿が完璧だった。 廊下の角を曲がるまで二人で見送った。 角を曲がる寸前に、もう一度微笑みをみせた。 身のこなしが完璧だ。 姿を消してもなお呆然としていた。 振り返ってエレベーターをみた。 見上げると、シンドラーと書いてあった。 ほほのあたりに手をあててもう一度感触を確かめた。 |
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「わがまま言うなよ。」 「俺は忙しいんだからな。」 「今日休んでくれなきゃ実家に帰るからね。」 「おいおい。全くしょうがないな。」 というわけで本日は晴耕雨読ということで、 うずたかく積まれている可哀相な本たちを一気に片付ける。 部屋からリビングに出ようとすると、 「・・・・こうでもしなないとさ、彼やすまないのよ。ちょっと 体調悪そうだし。無理やり休ませたの。・・・・」 そういうことか。 まだ夫婦の間の会話が生き生きしていた時代のこと、 それから、何度か彼女の「雨は嫌い」に出会うことになる。 あれから20年 「ねえ、たまには日曜でも、家にいないで出かけたら?」 「今日は雨だよ。雨は嫌いなんだよ。」 「何言ってんのよ。いい年して。」 |
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愛した人が、結婚した人? でも、結婚にはいくつもの理由がある。 結婚した人は、必ずしも、運命の人ではない。 それは後で気付くこと。 むしろ運命の人に出会うのは難しい。 でも、この人が運命の人かもしれないと思う瞬間がある。 そのとき一歩踏み出すかどうかで、愛の形は随分と違う。 愛してなくとも一緒にいる理由はある。 愛していても一緒にいられない不幸もある。 だからせめてこのとき、この場所で、貴方を感じていたい。 踏み出せない思いを文章にして残すことにした。 月に一度は食事をするルールを決めた。 束縛するつもりはないが、彼女はまだ僕の世界にいる。 そういう愛の形を選択している。 別れ際に手を握った。 次は唇にぬくもりを残したいと思う。 それで愛の形が変わるなら、それはそれでも仕方ないこと。
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