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「そうかやり直せばいいんだ。私もそうしようかな、貴方どう思う?」 「もう手遅れだよ。もう年なんだから。」 「なによ。」 年には関係ないと思うのですが。 長期入院などして娑婆に出てくると、今までとは違った自分になりたいなどと思うものだ。 「あんたさ。長く入院してたでしょう。少しは変わった?」 「ほら、病気して長く入院した後って、人って変わるって言うじゃない?」 「入院しているときには、ああして、こうして、ここを変えてとか思ったけど、また、しばらく すると元にもどったね。」 「何も変わらないよ。いい大人になって、変われっていっても無理さ。」 所詮三つ子の魂100までか? しかし世の中には強制的に変わらざるを得ないスチュエーションもあるようだ。 「車椅子になってから、一日に何十回も“すみません”と“ありがとう”を言うようになったって。」 「それも、常に人より低いところから。」 「それって障害者の人がくると、回りがさ、急にやさしくなったりするから?」 「彼にしてみりゃ、ドアの開け閉めなんて、別に手伝ってもらわなくてもいいときもあって、 結構鬱陶しいらしけいどね。」 「車椅子から車に乗り込もうとしてたら、外車のおじさんが飛んできて、手伝おうとしたらしい。」 「それって全く必要ないので、“どうぞお構いなく”っていったら、いやな顔してたらしい。」 「それからは、手伝いたい人には手伝わせて挨拶して引き取って貰うことにしたって。」 「おかげで、こうなる前はほとんど“ありがとう”なんて言ったことないのに、一日に30回は言う ようになったって。」 「最近そういうことかなと達観したって言っていたよ。」 相手はそれで気持ちよくなるので、一石二鳥ということかな? どこにでもStarting Overのきっかけはある。 「あたしさ最近宗教とか興味あるのよ。これって何かしら?」 「なにかさ、変えたいと思ったとき、宗教とか、哲学とか始めるって言うじゃない?」 「宗教や哲学に凝るのは死への準備だね。君もそんな年になったってことかな?」 「死を自然に受け入れるために、そういうものを理解する術を習おうとするわけさ。」 「いやね。年と関係ないわよ。じゃキリスト教徒が子供のときから聖書を学ぶのは何故よ。」 「子供のときから死への準備を怠りなくさせるということさ。」 「そうなの?」 勝手な解釈です。 人間は肉体の衰えを精神が認めて、最後は死への準備をしっかりとして、最後のときを 迎えるのが理想なのだろう。 その前に挫折や精神的苦痛や事故で死に至る人もいる。 でも引き返したり、後戻りしたり、やり直したりすることで不慮の死を防げるならば、 Let's Start Overと堂々と宣言してやり直せばいい。 この世界には沢山の人間と貴方がまだ見たことも行ったこともない世界が開けている。 いつでも、どこにでもStarting Overの機会はある。 出会いのない人は、今よりも、もっと広い世界に飛びせばいい。 Starting Over きっと似合いのパートナーに出会えるに違いない。 Premium Story Makers Copyright © PSM All Rights Reserved. |
- 精神世界
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「運命も宿命も一緒さ。」 「全ては予め決まっている。」 「君がここにいるのも必然さ。」 「でも運命って切り開くっていうじゃない?」 「それも含めて全て決まっている。」 「自由に選択しているように見えるのは錯覚だよ。」 「そんなことないわ。だって、右に行くか左に行くかってときあるじゃない。」 「その選択が現われて、どちらの結果を選ぶかも予め決められたことだ。」 「そうかしら。」 「そうさ。だから俺は不幸なんだ。」 「それってどういうこと。」 「予め不幸になることが約束されている。」 「私と一緒にいることも不幸なわけ?」 「全ては運命さ。」 運命は予め決まっていて、だれかが決めたルールに従っているだけ? 良いことも悪いことも、今日起きることも、明日起きることも、喜怒哀楽も 全てはPre-fix されたプログラムにすぎない? この生態系の中で、唯一人間だけが、それを乱して行動している意味が 分からない。 金魚蜂の中にいる金魚はその日その日に右に行こうが、左に行こうが、 世の中が変わるような変化は起きない。 でも金魚が生息しているそのことが、金魚蜂の中の生態系を乱し、 環境を徐々に悪くしていく。 人間も所詮地球という金魚蜂の中にいる金魚にすぎない。 いずれは自ら環境を破壊して滅びていくように設計されている。 そのうち全てがリセットされて、絶滅するに違いない。 それでも、人間は理屈をつけて、自分が生かされているその時代に、 何をすべきかなどと考えるように設計され、与えられた役割をこなすように 作られている。 全ては超自然的なものに左右されるただのゲームの駒にすぎないように思える。 人はそれを神というが、神というのは単なる物理現象の連鎖に過ぎないのではないか と思う。 Premium Story Makers Copyright © PSM All Rights Reserved. |
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あまり正確ではないかもしれないが、バートランドラッセルの幸福論の中に、このような言葉の 一説があったように思う。バートランドラッセルといえば、難解で読解が難しい長い構文の英語 で有名だが、ひところ受験英語によく出題されていた。 早稲田大学にバートランドラッセルの研究所がある。彼の著作は本来の数学論に加え、哲学的な ものまで、多岐にわたる。幸福論に書かれている内容はいつ読んでも、人生をいかに生きて 行くべきかの示唆に富んでいる。ただ、あまり若い時分にはその価値は理解しがたい面がある。 愛人17人に19億円も貢いでいた 敷島製パン(名古屋市)の健康保険組合の男。組合の口座 から約9億8000万円を着服。その他を含め、実際の横領総額は約19億円にものぼり、 しかもその金を計17人もの愛人を囲うため費やしていた。 子供の頃、ビー玉を集めるのが好きだった。あのキラキラした輝きは魅惑の塊だが、手にとって みればただのガラス球だ。それでも、毎日少しずつ買い集めて箱の中に一杯溜まってくると、 とても充実した気分になる。 この男の場合は、毎日はキラキラした日常の連続で、女性一人を手に入れるごとにその充実感を 実感していたに違いない。愛人といっても、愛でつながっていたわけではなく、ビー玉を集める ごとく、キラキラしたものに取り囲まれている自分に酔っていたにすぎない。 実は毎日は平凡な日常の連続なのだということを、どこかで忘れてしまったのだろう。 夜の世界にのめりこんで行くのはそれほど、非日常的なことではない。ストレスの捌け口として 気軽に入っていける場所はいくらでもある。しかし、実はその中は果てしない闇だ。 毎日は平凡な連続ではなく、麻薬のような魅惑の連続。場所が変われば、違う輝きのビー玉が 一杯ちりばめられている。いつしか自分の支払い能力を超える遊びをやるようになる。最初は 借金で賄おうとするが、限界を超えると、身近なところから金を横領しようと考えるようになる。 最初のうちはおそるおそるやっていても、一年たち、二年たち、これは見つからないと確信する。 一方、ビー玉はいくらでも増えていくし、お金さえ出せば、何個でも新しい魅惑的な玉が見つかる。 いつしか恐れは消え、罪をおかしている意識が希薄になる。犯行は大胆になっていく。 意外にこのようなことは日常的に起こりうる罠である。でもたいていの場合は借金するにしても 限度があり、周りが黙っていなくなる。彼のように無尽蔵の金脈を掘り当てることはない。 ストレスは会社にも家庭にも、社会そのものにもある。克己心を揺さぶる誘惑の罠は誰にでも 襲い掛かる身近な危機だ。それでもビー玉から抜けられないのは、甘やかされて育った、軟弱な 心の性なのかもしれない。 でも、やすいビー玉は濁っていて、楽しくないから困ったものだ。 Premium Story Makers Copyright © PSM All Rights Reserved. |




