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夜が永遠に続けばいいと思うとき、大人の御伽噺をどうぞ

- 大人の御伽噺

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バームイラム

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ベトナム語で35歳のこと。
ベトナム女性はサイズも日本人の小柄のタイプで、すこぶる日本人好みの美形が多い。



一緒に出張していた上司が35歳で、年齢を聞かれるたびにくすくすと笑われる。
何故かと尋ねると、男の35歳は精力の絶頂期ということで、転じてスケベ親父ということらしい。
この種のことは「サイゴンからの手紙」という有名なエッセイにも書いてある。
確かにわが先輩は、その方面は非常に熱心であった。

ベトナムの高校生はあの有名な「アオザイ」を着ている。これは純白が基本で、
自転車通学などで、三人くらいが連なって走りすぎて行くと実にさわやか。
わが先輩もロータリーになっている広場で、この高校生の集団を待ち構え、
自分好みの美形が現れるのを、カメラを抱えて待っていた。



それにしても長い時間カメラを構えているな、と関心していると。

「知ってるか?あのアオザイ透けるんだ。」
「高いやつは絹で刺繍がしてあるから、透けないけど、
 学生のやつはポリエステルだから、 透けるんだよ。」
「ほらパンツもブラジャーもすけてるだろ。」
「でも変なんだよな?乳首が透けてないんだな?」



どうやらこの先輩ニップルパッドを知らないらしい。
透けるのは百も承知でパッドをしている。

その夜、晩飯も終わって7人ぐらいでたらたら歩いていると、例のごとくオートバイに乗った、
二人組みのプロの女性がよってきた。
最初は遠巻きにしていたが、だんだん近づいてきて、あの先輩の腕を盛んに引いていこうとする。
流石に相当出来上がっていた先輩は、この誘いには乗らなかった。
でも不思議なことに女性たちは何故か、その先輩だけをしつこく追いまわしていたが、
5分ぐらいして諦めたのか、スピードを上げていってしまった。



「ほれみろ。おれが一番もてるだろ!」と

確かにもてたなと、皆で冷やかしていると、腕にしていた時計がないことに気がついた。
要するに彼の腕が一番細かっただけのことのようだ。
それにしても、バイクに乗ったまま、腕をひっぱって時計を奪っていく。
たいした技だ。

翌日の晩、その先輩は、

「くそ昨日の分まで取り返してやる。」

と言って、バイクの助手席にサンドイッチになって、さっそうと宵闇に消えていった。
MR. 35

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究極の選択

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ベトナムは唯一米国に勝利した戦勝国である。
国民のほとんどがそれを誇りに思っていて、特に上層部にはその傾向が強い。
ある面ではこの成功体験が国を悪くしている。



つまり自分達のシステムがよいのだという錯覚がある。
現在の政治家達の上位10人までは全てベトナム戦争時代の軍人ばかり。
もう80歳はとっくに越えているが、ゲリラ戦の勇士だけに
足腰もしっかりしていてなかなか世代交代がすすまない。
(今現在は政治家のトップは全て世代交代してます。)



有名な話に、今は引退したシンガポールの英雄リークアンユーに、
ベトナムの政治家が、この国をよくするためにはどうしたらいいかと聞いたところ、
貴方達が全て辞めることだ。と答えたというエピソードがある。



80歳を越える政治家が多いというと、中曽根さんのようなのが10人いるということで、
大変なことだが、人間の寿命というのは本来120才だというのを
アバンティで聞いたことがある。これは細胞分裂の回数というが決まっていて、
それ以上は分裂しない限界がそのあたりなのだということで、
たいがいの人はストレスや病気のせいでそれよりは早くなくなるらしい。



金さん銀さんはまさしく天寿をまっとうしたということか?
それにしてもベトナムの英雄たちはいったい何を食っているのだろうか?

指定された場所にタクシーでいく。
名前はビッカオ。文字で書くと簡単だが、ベトナム語は発音が難しい。
中国語よりも一声多い。



「ビッカーオ」
「ビッカオー」
「ビッッカオ」

語尾を上げたり下げたり伸ばしたり、イントネーションを変えたりいろいろやってみる。



「?」
仕方なく文字を書いて渡す。

「オーBiccao!」

どこが違うんだこのやろう!
よくある話だが、とんでもないところに、連れて行かれるよりは通じない方がましかと割り切る。

彼は広場で待っていた。60歳は越えている。

「お腹すいてるかね?」
「ええ」
「じゃうどん食べに行こう。」



ベトナム人はうどんをよく食べる。だいたい町の1ブロックに一軒くらいうどんやがある。
それぞれスープに特徴があって、たいがいはとりがらのあっさりしたスープのやつがおおい。
これに揚げパンを浸して、生卵をおとして食べる。とてもおいしい。
一杯が日本円で約一円五十銭ぐらいだ。



彼がベトナム語でなにやら頼んだ。
「なんだゆで卵か。」
「どうしてみっつあるの?」
「これひとつ選んでもらう。」
「選んだやつは必ず食べてもらうよ。」



軍人あがりの彼は威圧するのが得意だ。
仕掛けがあるとしたってどうせ卵だろ。
と思い、何気なく選んだら、ただのゆで卵だった。

「You are lucky.」
「?」
「これひよこになるちょっと前のやつね。」



といって彼が選んだやつはよくフィリピンあたりでも食べる、ひよこになる直前の卵で、
そのグロテスクさたるや半端じゃない。

「次はレストランに行こう。」

出てきたものが、新聞の占い欄でみたやつと、どうみても固い甲羅のようなもので
囲われた代物のふたつ。

「どっちにする?」



躊躇なく占いのてんぷらをとる。えびのようでもあるがちょっと形が違う。
これはきっと「さそり」のてんぷらに違いない。案の定そうだった。
まー味もなくてただ香ばしさだけが残る。これはイケル。



「こっちは実はアルマジロなんだ。」
「これ高級品ね。」

アルマジロを食べるという発想はいったいどっからでてくるのだろうか?

「それじゃ食後のデザートはどうかな?」

にやっと笑った彼の顔をみていやな予感がした。ここまでは前哨戦か。



行ったところには篭が一杯積んである。
なかにいる生き物は、舌の長いとぐろをまいているやつだ。
彼は篭を持ち上げてその「食材?」を吟味し始めた。
それにしてももう食事は済んだし、デザートというのは変だな?
でも蛇なら中国でも食べたし、どうということはないか?
と思いながら彼が選んだ篭と共に中に入ってテーブルにつく。



ほどなくリキュールグラスに赤い液体が入ったものが、ふたつでてきた。
しかもグラスの中に何やら3ミリくらいの物体が、沈んでいる。
ひとつはグリーンの塊。
もうひとつはひときわ鮮やかな赤でしかも動いている。



「どっちがいい?」

彼がうれしそうに笑った。
しばらく躊躇した末に緑の方をとった。
さすがに動いているやつは飲めない気がした。
舌に感じるどろーっとした感触、生暖かくて野趣あふれるにおいと味。
その物はかまずに飲み込んだ。



そう選んだ方は肝臓で、彼のやつは心臓である。液体はまさしく生き血。

帰り際に

「貴方、蛇年うまれ?」
「いえ犬ですけど。」

その瞬間彼が不適な笑みをたたえた。
僕は思わずしまったと思ったが、もう遅い。
次回の待ち合わせ場所がすぐにきまり、彼は犬のように軽い足取りで立ち去った。

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奇妙な連帯

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タジマハールはニューデリーから丸一日かけた日帰りのバス旅行で行ける。
その日は日曜で暇だった。ホテルから観光バスに乗り込む。
何故か乗っているのは西欧人ばかりで、全員が白人。
自分も含めて有色人種は四人だけだった。



バスは順調に走り、昼食の休憩になった。
サンドウィッチと飲み物だけの簡単な食事だ。
三々五々みんな分かれてテーブルにつく。
申し合わせたわけでもないのに、何故か有色人種の四人がひとつのテーブルに集まった。



一人はインド人。ボンベイでアメリカ系のソフト会社に勤めるエンジニア。
二人目はフィリピン人。サウジアラビアの建設現場から休暇できたエンジニア。
三人目は韓国人の外交官。インド政府の招きできたとかで、インド航空しか乗れないのだが、
帰国便が機体整備でもう3日も足止めを食っているらしい。



四人共がなんとなく感じとったのは、西洋人の輪の中には、入れないという雰囲気だった。
インド人は皆の思いを感じ取ったのか、盛んにアジアの連帯というテーマで話をし始めた。
フィリピン人はやたら私生活のことを聞きたがる。給与水準や雇用条件など。
自分は韓国や日本で働けるだろうか?西洋人に使われるのはかなわんとか。



韓国のエリートは、公園で子供に馬鹿にされた話をしていた。
「子供がチニーゼ、チニーゼといってあまりうるさいので、チニーゼではないと怒鳴ってやった。」
「するとこんどはジャポネ、ジャポネと言い出す。」
「何で中国と日本が出てきて、韓国はでてこないのだろう。」

インド人のガイドでその後のバス旅行は四人で行動する形になった。
帰り際に友情を誓い合い、住所を交換しあった。その後も同じホテルに泊まっているので、
何度か食事を共にする機会があった。
四人ともがほぼ同年齢で、独身であることも分かった。



当時(20年ほど前)ニューデリーのホテルには、チベットからの出稼ぎが多かった。
そのホテルのコーヒーハウスにいた女性は、グリーンの瞳をもち何ともいえない
エキゾチックな顔立ちのとびきりの美人だった。



たまたま四人で朝食を共にしていると、その彼女が近くに寄ってきて、かるく会釈をした。
にこっとした笑顔の奥に、たんなる微笑以上の、意味深な笑いが感じられた。
四人はほぼ同時に微笑みを返し、ひとしきり彼女の話題で盛り上がった。



「実は、彼女をデートに誘ったことがあったが、自分は出稼ぎで契約によって
 ホテルの外には出られないと断わられた。」
とインド人が話し始めた。
なんと、どうやら四人が四人とも同じアプローチを試みていたことが分かってしまった。
顔を見合わせて大笑いをする。



アジアの奇妙な連帯で盛り上がった四人だが、その後お互いに連絡を取り合うことはなかった。
正確には他の三人の間は分からないので、なかったと思うというのが正しい。

この奇妙な連帯はポジティブな発想でそうなったのではない。
西洋へのコンプレックス。これが連帯の根源にある。
21世紀は本当の意味でアジアの連帯の時代になるのだろうか?

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中国語知ってますか?しゃおじぇはお嬢さん。
とんちーは同士。人を呼びかける時に使う言葉です。
女性に呼びかける時、まだとんちーだった頃、上海には、
外人が泊まれるホテルといえば、ヒルトンホテルだけだった。



ほったて小屋の長屋の一画に超近代的な高層建築、
周りは薄暗いなかで忽然と光を放つ異様な存在。
西洋と東洋のフュージョン。
外国人専用の治外法権。
真夏のイリュージョン。
外貨と内貨が分かれていた頃。



ルーフトップにはバーがあって外国人でいつも一杯。
さながら上海中の外人が集まっていたような?エキゾティックな場所。
フィリピン人カップルのデュオがメローな曲を歌う。



いつものカウンターでブラディメアリィを頼む。
何やら変な味?
馴染みのバーテンに文句を言う。
いつものとおりだとしらばくれる。

「うそつけ! 何をいれたんだ!!」
「俺は毎日飲んでいるんだぞ!!!」

「マスター、ここは中国よ。」
「ロシア産のウォッカが品切れね。」
「しょうがないからキューバ産のテキーラいれたね。」
「ふざけろ!」



でも翌日もウォッカはないというので、
しかたなくブラディメアリィのテキーラベースを飲みつづけた。
これが馴れるとなんともエスニックでやがて定番になってしまった。

あるときブラディメアリィのテキーラベースをいつものように頼もうとすると、
何やら隣に座っているイギリス人と例のバーテンがもめている。



「テキーラサンライズを頼んだのに!」
「これはなんだ!」
「マスターごめん。ここは中国よ、キューバ産のテキーラ品切れね。」
「ロシア産のウォッカいれたね。」



「ウォッカサンライズ!」

うーんロシアの夜明けはまだ遠い。



それからメアリィはちょっとあばずれから、僕の好みのレディに戻った。

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恐怖の日曜日

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10年ほど前、マレーシアの飲み屋でよく流行っていたタバコの名前の由来という遊び。
”Marlboro”は”Men always remember ladies because of romance only
Salemはちょっと下品だが、”Sack a lady every morningというような具合。



メアリーはマレー系中国人。ちょっといい仲になって久しい。
その日はちょうど恐怖の日曜日。
いつものように酔ってしだれかかってきた。



「ねえこれ知ってる?」
「今はね、週に3回が普通なのよ。」
「3回?」
「これはアメリカ人、月曜、水曜、金曜。」
「1日づづ休むのよ。」
「???」



「じゃあ週6回はなーんだ?」
「これは情熱的なイタリア人よ。」
「月曜、火曜、水曜、木曜、金曜、土曜で日曜は教会に行くので休み。」



「それじゃあ、8回は?」
「これは私たち中国人ね。」
「月曜、火曜、水曜、木曜、金曜、土曜、日曜は二回よ?」

「分かった。今日は何曜日?」

「冗談じゃないよ。俺なんか12回だぜ。」
「うあーすごいじゃない!」



「一月、二月、三月、四月、五月、六月、七月、八月……」
「馬鹿みたい!」

クアラルンプールの夜もふけていく。

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