- 大人の御伽噺
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つまり自分達のシステムがよいのだという錯覚がある。 現在の政治家達の上位10人までは全てベトナム戦争時代の軍人ばかり。 もう80歳はとっくに越えているが、ゲリラ戦の勇士だけに 足腰もしっかりしていてなかなか世代交代がすすまない。 (今現在は政治家のトップは全て世代交代してます。) 有名な話に、今は引退したシンガポールの英雄リークアンユーに、 ベトナムの政治家が、この国をよくするためにはどうしたらいいかと聞いたところ、 貴方達が全て辞めることだ。と答えたというエピソードがある。 80歳を越える政治家が多いというと、中曽根さんのようなのが10人いるということで、 大変なことだが、人間の寿命というのは本来120才だというのを アバンティで聞いたことがある。これは細胞分裂の回数というが決まっていて、 それ以上は分裂しない限界がそのあたりなのだということで、 たいがいの人はストレスや病気のせいでそれよりは早くなくなるらしい。 金さん銀さんはまさしく天寿をまっとうしたということか? それにしてもベトナムの英雄たちはいったい何を食っているのだろうか? 「ビッカーオ」 「ビッカオー」 「ビッッカオ」 語尾を上げたり下げたり伸ばしたり、イントネーションを変えたりいろいろやってみる。 「?」 仕方なく文字を書いて渡す。 「オーBiccao!」 どこが違うんだこのやろう! よくある話だが、とんでもないところに、連れて行かれるよりは通じない方がましかと割り切る。 「お腹すいてるかね?」 「ええ」 「じゃうどん食べに行こう。」 ベトナム人はうどんをよく食べる。だいたい町の1ブロックに一軒くらいうどんやがある。 それぞれスープに特徴があって、たいがいはとりがらのあっさりしたスープのやつがおおい。 これに揚げパンを浸して、生卵をおとして食べる。とてもおいしい。 一杯が日本円で約一円五十銭ぐらいだ。 彼がベトナム語でなにやら頼んだ。 「なんだゆで卵か。」 「どうしてみっつあるの?」 「これひとつ選んでもらう。」 「選んだやつは必ず食べてもらうよ。」 軍人あがりの彼は威圧するのが得意だ。 仕掛けがあるとしたってどうせ卵だろ。 と思い、何気なく選んだら、ただのゆで卵だった。 「You are lucky.」 「?」 「これひよこになるちょっと前のやつね。」 といって彼が選んだやつはよくフィリピンあたりでも食べる、ひよこになる直前の卵で、 そのグロテスクさたるや半端じゃない。 出てきたものが、新聞の占い欄でみたやつと、どうみても固い甲羅のようなもので 囲われた代物のふたつ。 「どっちにする?」 躊躇なく占いのてんぷらをとる。えびのようでもあるがちょっと形が違う。 これはきっと「さそり」のてんぷらに違いない。案の定そうだった。 まー味もなくてただ香ばしさだけが残る。これはイケル。 「こっちは実はアルマジロなんだ。」 「これ高級品ね。」 アルマジロを食べるという発想はいったいどっからでてくるのだろうか? にやっと笑った彼の顔をみていやな予感がした。ここまでは前哨戦か。 行ったところには篭が一杯積んである。 なかにいる生き物は、舌の長いとぐろをまいているやつだ。 彼は篭を持ち上げてその「食材?」を吟味し始めた。 それにしてももう食事は済んだし、デザートというのは変だな? でも蛇なら中国でも食べたし、どうということはないか? と思いながら彼が選んだ篭と共に中に入ってテーブルにつく。 ほどなくリキュールグラスに赤い液体が入ったものが、ふたつでてきた。 しかもグラスの中に何やら3ミリくらいの物体が、沈んでいる。 ひとつはグリーンの塊。 もうひとつはひときわ鮮やかな赤でしかも動いている。 「どっちがいい?」 彼がうれしそうに笑った。 しばらく躊躇した末に緑の方をとった。 さすがに動いているやつは飲めない気がした。 舌に感じるどろーっとした感触、生暖かくて野趣あふれるにおいと味。 その物はかまずに飲み込んだ。 そう選んだ方は肝臓で、彼のやつは心臓である。液体はまさしく生き血。 「貴方、蛇年うまれ?」 「いえ犬ですけど。」 その瞬間彼が不適な笑みをたたえた。 僕は思わずしまったと思ったが、もう遅い。 次回の待ち合わせ場所がすぐにきまり、彼は犬のように軽い足取りで立ち去った。 ご意見・ご感想をお寄せ下さい。 ゲストブックにコメントを書く。Premium Story Makers Copyright © PSM All Rights Reserved. |



