新米弁理士のつぶやき

2012年。あけましておめでとうござます。

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業界用語?

受験生時代に奇妙な言葉に出会いました。

お年を召した某講師の方がおっしゃっていた「思料」という言葉です。

こんな言葉一度も使ったことも見たこともない、人生初お目見えの言葉です。

キット「思慮」と間違っているのではないでしょうか。

オーストラリアがあるところを「下半球」といってしまうアホな間違いと同じように。
(正解は「南半球」)

正しい読みと漢字をお教えした方が良いものか、
失礼だからやめておくべきか、本当に迷ってしまいました。

悶々としながら時は流れていく・・・



ところが、調べてみると、びっくり、ちゃんとした日本語のようです。

三省堂大辞林によると、
  いろいろと考えること。おもんぱかること。思慮。
とあり、「思料」は「思量」とも書くということです。


しかしこんな言葉、聞いたことがないのです。

もしかすると弁理士業界でのみ通じる業界用語なのかも知れませんね。



あれから2年。

今では「思料」という言葉を使うのに何のためらいもなくなっているのでした。
特許法102条1項
特許権者又は専用実施権者が故意又は過失により自己の特許権又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為を組成した物を譲渡したときは、その譲渡した物の数量(以下この項において「譲渡数量」という)に、特許権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、特許権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた額を超えない限度において、特許権者又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができる。ただし、譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を特許権者又は専用実施権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。


特許法102条1項は特許権者等の侵害時の損害額の立証負担を軽減するために設けられたものである。

ここで特許法102条1項の「侵害の行為がなければ販売することができた物」の解釈が問題となる。

つまり、「侵害の行為がなければ販売することができた物」は特許製品に限られるのか特許製品に限られないのか、である。



そして、学説では特許製品に限られないとする説が主流だという。

もしそうであれば、損害賠償額は高めになり、特許権者等に有利ということになる。


このような考え方は受験機関の発行するテキストには載っていないため、新鮮であり、なかなか面白い。
特許法64条の2は出願公開請求について規定する。

ここで、1項各号には公開請求できない場合が列挙されている。

1項2号にはパリ条約等による優先権主張がなされた出願については、優先権証明書の提出がされていない場合に出願公開請求ができないとしている。

この理由として青本(p195)では、
「優先権を主張するとの出願人の意思が確定しないまま出願公開を行うことは、第三者にとって不利益を生じるおそれがあることによる」
とある。

しかし出願公開されて第三者が不利益を被ることなどあるのだろうか。

考えられるのは
・出願公開によって補償金請求権が発生すること
くらいである。

しかし、優先権証明書の提出が公開請求より前でなければならない理由にはならないと思うのだが。
特許法35条は職務発明について規定する。

特許法29条1項柱書で特許を受ける権利は発明者が原始的に有することを明らかにしている。

これを前提に、職務発明について、従業者から使用者に対して予約承継を認めている(35条2項反対解釈)。


ところで、職務発明を予約承継した場合、特許を受ける権利はいつ使用者に承継されることになるのだろうか。

青本や吉藤に載っていないので、「青色発光ダイオード事件」の東京地方裁判所での判決主文を読んでみた。
そこには「発明の完成と同時に(被告)会社に移転する」旨記載されている。

なるほどそうであったか。


(問題)
予約承継規定を有する会社甲の従業者乙は、職務発明Aをした後すぐに甲に無断でAを刊行物に発表した。

甲がAについて特許を受けようとするとき、発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けなければならないが、30条1項の適用を受けるべきか、30条2項の適用を受けるべきか。

(答え)
乙がAを刊行物に発表する際にはAについての特許を受ける権利は甲が有していた。
従って、30条2項の適用を受けるべきである。



受験機関の講義で聞いた話だが、特許を受ける権利の予約承継は特許出願しなかった発明にも及ぶため、厳密に言えば、特許出願しなかった発明でも特許を受ける権利の承継を受けた使用者は相当の対価(35条3項)を支払う必要があるということである。

例えば、会社の利益に直結する発明であるが、秘匿しておく方が有利だと考え特許出願をしなかった場合などがそれに当たると考えられる。

意匠法30条中用権

意匠法30条は中用権について規定している。

原意匠権者が中用権を有する場合については30条1項1号、2号に規定されている。

1号:同一又は類似の意匠についての二以上の意匠登録のうち、その一を無効にした場合における原意匠権者

2号:意匠登録を無効にして同一又は類似の意匠について正当権利者に意匠登録をした場合における原意匠権者


例1:
甲の登録意匠Aと乙の登録意匠Bがある。
意匠CはAとBに類似するが、AとBは類似しないとする。
Aは先願に係る登録意匠Dを引用して無効審決が確定したとする。
甲は登録意匠Bについて中用権を有しCを実施できるか?
上記1号、2号のいずれにも該当しないため中用権を有さない。

例2:
甲の登録意匠Aと乙の登録意匠Bと丙の登録意匠Cがある。
意匠AはBに類似し、BはCに類似するが、AとCは類似しないとする。
Bは先願に係る登録意匠Aを引用して無効審決が確定したとする。
乙は登録意匠Cについて中用権を有しBと類似するCを実施できるか?

さて困った。この場合1号に該当するようでもあり、該当しないようでもある。


斉藤瞭二「意匠法概説」にこの答えが載っている。

30条1項1号に該当する例として以下の2つをあげている。

1.同一類似の意匠が9条1項の規定に反して過誤登録された場合
2.出願変更により、同一類似の意匠についての登録が二以上重なった場合


すなわち、直接の類似関係にあって無効になった場合のみ中用権を有するというわけである。


前記例2では乙はCについて中用権は有さないためCを実施することはできない。
しかし、Aについて中用権を有するためAを実施することはできるということになる。

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