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毎年この時期は、装束・祭具調度品・備品などの総点検を行います。 去年の10月の春日祭以降、七五三・年末年始・節分・祈年祭とあわただしく過ごしていて、ようやく落ち着き始めたこの時期の作業です。 装束(しょうぞく)は、祭典儀式のときに宮司をはじめ職員が着用する衣裳の事。 祭具調度品(さいぐ ちょうどひん)は、神殿や神社内の主要な建物を装飾したり、儀式で使用するお道具。 備品(びひん)は、日常に使用する細々としたもの。 たとえば、ほうきやバケツといった掃除用具や来客用のお湯呑、グラスといった日用品など。 これらの品々で、古くなり使えなくなった物の新調や修理。不足品の補充。などの点検・確認をします。 ある程度の品物は普段から必要な時に補充したり修理に出したりしますし、 神様に直接かかわるお品物などは、普段から注意をしていて、神様に御不便や失礼が無いように気をつけてはいますが、特にこの時期に再確認をして、修理が必要なものや新調をする必要があるものは、専門の方々に相談をします。 昨年は、神事に使う「大太鼓」や「宮司の冠」などを修理、新調して頂きました。 これらの装束や調度品の中には何十年も前や、場合によっては百数十年以上昔の物などもあり、年々痛みが激しくなり、次々と修理や新調が必要なものばかりです。 が、こうしたお品物の中には、現在では修理ができる職人さんがおられなかったり、 今では入手できない材料だったり、限られた神社の予算と、現実の費用との関係で は、新調や修理ができない事がよくあります。 どうしてもという場合は仕方なく、代用品や疑似品を使用するしかない物もあり、 こうした物に限って、神様の特別なお道具であったり、重要な儀式の祭具であったりします。 今年は主に、三方(さんぼう)や折敷(おしき)を新調する予定です。 どちらも神様のお供え物を盛ったり、御守や御札を参拝者にお渡しする時に、 「お盆」のような形で使用するものです。 三方 最近、プラスチックの三方などが売られています。 これは、従来の木製に比べて安価で丈夫。 扱いも簡単らくちんです。 本来の木製は、大半が「白木」(しらき)ですので、 屋外や日差しのきついところでは数か月で変色し、 うっかり扱うと「割れ」たり「ひび」が入ります。 その点、プラスチックは丈夫で長持ち。 ところが、丈夫で長持ちであるために、一個(一台)買うと多少かけたり、 ヒビが入ってもそのまま使い続けることが多く、 結構くたびれた三方を使っていることがあります。 これっていかがでしょう。 木製の三方は確かに「いいお値段」で「壊れやすい」です。 が、神様のお道具として丁寧に扱い、大切に手入れをすれば、 そんなにたやすく壊れません。 反面、ある程度古くなり、傷んだり破損するからこそ 新しいものと取り換え、作り買い替えることで、 気分が変わって気持ちよくなったりします。 人間、こうしたことが大切だと思います。 伊勢神宮では、来年の十月までに社殿が新しく建て替えられ、 神様が古い御殿からお移りになる「遷宮」(せんぐう)の儀式が行われます。 これは20年毎に社殿を建て替え、調度品やお道具全てを新しく作り変える儀式です。 この遷宮の儀式もこうした意味をもっています。 次回はこの「遷宮」について。
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