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「裁判員の役割は何か」
私の裁判の争点はとても分かりやすいものだった。
歯科医療裁判というと何か難しそうな響きはあるが「専門知識が無いと裁けない」というような難しいものではなかった。
一枚のレントゲン写真についての争いが特にわかりやすかった。
そのレントゲン写真には1本の歯の直径の3分の2近い大きな黒い影があった。裁判ではその影が何であるのかが争点になった。
原告である私は「虫歯である」と主張し、被告の歯科医は「歯間ブラシを通して清掃するために開けた穴である」と主張した。
被告の歯科医は「右上第3歯がぐらぐらするので治療のため、第4歯と3歯をレジンという接着剤で固定したところ、私が第3.4歯間の掃除ができなくなったと訴えたので、歯間ブラシが通せるように第3歯そのものに大きな穴を開けた」と主張したのである。被告歯科医によるとそれは歯の健康に役立つとのことであった。
裁判では
1 「第3.4歯の間にはもとともと3ミリの隙間があったこと。」
2 「歯間ブラシで掃除するためには1ミリから2ミリ程度の間隔が歯間にあればあれば十分であるこ と」
3 「レントゲン写真で歯に大きな穴が写る4ヶ月前の14.10.2の治療の時点には同歯に異常がな かったこと」
4 「第3.4歯間のレジン固定は何度もやり直されていること」
5 「レントゲンに移る穴は周辺が夫整形であること」
までは当事者に争いはなかった。
争っていたのは
原告の主張が
「被告歯科医はレントゲン写真で虫歯を見つけながら適切な治療をしなかった」であり、
被告の主張が
「穴は14.10.4に自分が開けたトンネリングであり、虫歯ではないから治療の必要は無かった。」という点であった。
一般常識で「歯科医が診察して歯の傷病を見つけたら患者に説明して治療をする責任がある。」
歯科医は、なんとしてもレントゲン写真に写る穴を「治療の一環」と主張しないと裁判に負ける状況があった。
ここで一般常識というものについて考えていただきたい。
常識の1
被告歯科医の主張は
「歯をレジンでつなげたら原告から掃除ができなくなったと訴えられた」というものであるが、
常識で考えれば歯科医はレジン固定を何度もやり直しているのであるからまた、レジンを外して掃除ができる状態に再度固定すればよいだけの話である。
常識の2
異常のない歯に穴を開けて歯間ブラシを歯の中に貫通させる事は歯の病気になっても健康にはつながらない。
常識の3
不整形な穴は掃除が難しく、歯の健康にはつながらない。
常識の3
そもそも歯間ブラシで掃除するために歯そのものに穴を開けるという話は一般的常識には無い。
私は長い歯科医療裁判の間、上記の話を人にして良く「陪審員がいればあんたの裁判はすぐ終わる」と言われていた。
私の裁判の争点はそれほど常識で誰でも簡単に判断できた。
それが偉いこと時間をかけて、裁判所は被告歯科医の「トンネリング」を認めてしまった。
どうだろうか私の裁判に裁判員がいたら「歯に穴を開けて歯間ブラシを通すなど考えられない」とすぐに判断してくれただろうかと考えると、たぶん裁判員がいたら被告歯科医は「トンネリング」と言うばかばかしい主張ははじめからしなかったのでは無いかと思う。
しかし、裁判官も一般常識については市民と同じ程度に持っているはずである。いや、持っていてもらわなければ困るのである。
歯科医療裁判は3人の裁判官が審議して判決する。私の裁判の場合だけ偶然に馬鹿が3人集まったのだろうか。私はそのようなことは無いと思っている。
これは今の裁判所の問題は「裁判官の汚れにある」との主張である。
裁判所は裁判官の汚れを無視できなくなり、裁判員制度を導入せざるを得なくなったというのが私の主張である。
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