堂目卓生(どうめたくお)著「アダム・スミス」
1776年、「国富論」を著わしたアダム・スミス。近代経済学の祖と仰がれるが、政府があれこれ経済を操ろうと策を弄するより、諸個人が自由に自らの利益の最大化をめざし「見えざる手」に支配される市場に任せることが、より速やかに国民経済を成長させる、という説を主張したとされています。
レッセフェール、自由放任主義というフランスの重農主義といっしょにされて、このところあまり評判の良くない「市場原理主義の元祖」とも見られがち。
本書は、本当にそうなのかを「市場原理主義の元祖」までさかのぼって確かめようとした、「市場原理主義」に対する最も深い批判の書では、・・・と感嘆しきりのわたくしであります。
その本書の中の、今日読んだページに、「政府の浪費は、国王や大臣、政治家など、支配階級の無知と無能のために、そして彼らに働きかける一部の資本家の貪欲と野心のために生じる」とありました。
230年前のアダム・スミスに、現在の日本の現状を見透かされているような、背筋がぞっとするような、そして、しっかりわが身を律するべき戒めの言葉として、肝に銘じていかなければならない、勉強しなければいけないと、しみじみ感じたところです。
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