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さて、伝記マンガプロジェクトのまとめとしたこのコーナーも、そろそろしめくくりたいと思います。
去年の3月、マガジンハウスから出た自著「マンガで読む偉人伝 ダライ・ラマ14世」。
でも、その「マンガで読む偉人伝シリーズ」としてのシリーズ出版が、次の作品の出版の前に突然中止になりました。
僕は、始まったばかりのこのシリーズが何故突然中止になったか、随分悩みました。
次のマンガ家さんの作品の校正も終わり、装丁も決まり、あとは輪転機にかけるだけというその直前での中止など余程のことでもない限り、ありえませんから。
プロデューサーである清水ハン栄治氏からは、何の連絡もありませんので、まったくどういうことなのかもわかりませんでした。
自分の作品のどこかに問題があったためだと思い込み、自分の作品の初めからおわりまで必死に再点検し続けました。作品のどこかで、シリーズ出版の中止になってしまうようなとんでもない過ちをしでかしてしまったのではないかと大きな強迫観念にかられました。
精神的にかなりおかしくなっていったのを昨日のことのように覚えています。
それほどダライ・ラマ14世の伝記マンガを描くことは難しく、責任は重く、描くためにとった自分の方法論がそのときベストだと信じていても、たえずどこかに迷いのあるもろさを抱えていたのです。
それは、オリジナルな自由な作品を描く世界にはない難しさであり苦しさでした。
その年、けっきょくなかなかたちなおれませんでした。ストーリーマンガが描けなくなりました。
おそらく、このシリーズに参加されていたマンガ家さんの多くの方達も同じように中止の原因は自分にあるのではないかと悩まれたのではないでしょうか。
けっきょく、中止を決めたのはマガジンハウスではなく清水氏だったわけですが、なぜあのとき、一人で悩み、かってに一人で中止を決めてしまわれたのか。なぜ僕らマンガ家たちに連絡も相談もしてきてくれなかったのかと、残念に思います。
それがあれば、僕らマンガ家は、訳もなく苦しまなくてもすんだのです。
ここにこのプロジェクトの欠点があるように思います。
つまり、著者と一緒に本をだすのだという連帯感に欠けているのです。
なぜ、そうなるのかと言えば、出版文化とは何か、なにを大切にしなければいけないかという出版文化への基本的な認識、理解が欠けているからでしょう。
その前後のいろんな出来事を観ても、その中でたえず「著者はだれなんだ〜」と叫び続けなければならなかった僕をおもいだすにつけても、それは言えるのではないかと僕は思います。
そのことは、清水氏にも僕は直接指摘しています。
素晴らしいプロジェクトであり、このプロジェクトが更に大きく展開し発展していくためにも、この欠点を克服する必要があるように僕には思えてなりません。
そうでなければ、マンガ家は、どんどんこのプロジェクトから離れざるを得なくなっていくでしょう。
それは、とてももったいないことになります。
そして、今回のペンギンブック問題も、清水氏には、僕の考えをお伝えしてあります。
ただ、僕の個人的な意見として弱すぎるのであれば、
ペンギンブックの件は、見開き部分の改ざん問題も含めて、ちょっと先のことになりますが、専門家に任せてみようかと思っています。
この問題に関しての具体的な結果が出るのは先のことになるでしょうが…。
とにかくこの問題、このままではいけませんので。
ただし、誤解しないでください。
プロデューサーの清水氏と僕とがけんかをしているわけではないのです。
この自著のチャリティ出版などの普及は彼と協力し合ってこれからもやっていくのですから。
この自著には、チベット問題への理解をひろげていくという大きな役割がありますので。
それゆえに僕は、著者として責任を持って校正したマガジンハウス刊の「マンガで読む偉人伝 ダライ・ラマ14世」の普及にこれからも全力で努めていきます。
ありがたいことに、この自著は、たくさんのかたから力強い応援を受け続けています。
感謝します。本当にありがとうございます!
あ、そういえばこの自著のロシア語版を読まれ普及活動をしてくださっているカルムイクのかたから御礼のメールが届きました。翻訳サイトで訳しながら読ませて頂きました。感動です!!
赤字覚悟でのロシア語版の出版をされた清水氏の努力の成果がここにもあります。
最後に、僕はこの作品作りに、下調べから数えると1年半以上をかけてしまいました。
結果、〆切が二転三転してしまいプロデュ−サーの清水氏に大変なご迷惑をおかけしたことを改めてお詫びします。
そして、他からの仕事の多くを断らないと完成できなかったその執筆生活は、大きな赤字を生み、家族に大きな苦痛を与えてしまいました。家族にもおわびします。
すべて、僕の力不足ゆえの結果です。
本の売れないこの時期に、このプロジェクトの前途は多難でしょうが、出版文化とは何かという基本をしっかり理解しながら、著者との連帯感を大事にしていく限り羅針盤はなくならないでしょう。
このプロジェクトの高い志のためにも、その羅針盤作りに大いに期待しています!
さ〜、僕は、気持ちを切り替えて、マンガを描く僕を取り戻していきましょう!
そして、愉しい田舎暮らしのブログに戻していきましょう!!
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