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武士は戦士であり官僚であり国を守る人々である。
かといって主の奴隷にはならない、
主が間違っているときには自分の血をもって己の言葉の誠実を示し
主をいさめようと訴えるのが普通のやり方
生命より名誉が大切なのである。
侮辱には死をもって報復を、
名誉と名声を得られるなら命は安いもの
というのは武士道の命への考え。
西洋は親子夫婦とも別々の利害を認めキリストでさへ
「自分を愛してくれるものを愛したところで何の報いを受けるだろう」という。
武士道は一族や家族の利害は一体不可分で、
この利害を武士道は愛情という絆で結びつけたものにして
自然愛によって「愛するものの為に死ぬことなどなんであろうか」である。
西洋には子が親を敬う「孝」という概念に相当する適切な言葉が見当たらない。
だが武士道は「孝」と「忠義」の板ばさみという事態には、ためらうことなく
忠義を選ぶ。
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