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ジオスゲニン

ジオスゲニンは1, 25D3-MARRS/Pdia3/ERp57の外因性の活性化因子であり、5XFADマウスのアルツハイマー病の病態を改善するブックマーク

Diosgenin is an exogenous activator of 1,25D3-MARRS/Pdia3/ERp57 and improves Alzheimer’s disease pathologies in 5XFAD mice

2012年7月26日 Scientific Reports 2 : 535 doi: 10.1038/srep00535 (2012)
本研究の目的は、植物由来のステロイド系サポゲニンとして知られているジオスゲニン(diosgenin)がアルツハイマー病(AD)モデルマウスの記憶障害におよぼす影響とその作用機序を検討することであった。5XFADマウスにジオスゲニンを投与すると、物体を認識する記憶能力の顕著な改善がみられた。ジオスゲニン投与は大脳皮質と海馬のアミロイド斑および神経原線維変化を顕著に減少させた。アミロイド斑と密接に関連した領域だけに観察されていた変性した軸索やシナプス前神経終末は、ジオスゲニン投与によって顕著に減少した。1, 25D3-膜結合型迅速応答ステロイド結合タンパク質(1,25D3-membrane-associated, rapid response steroid-binding protein;1,25D3-MARRS)をジオスゲニンの標的タンパク質として同定した。1, 25D3-MARRSの遺伝子発現を抑制すると(ノックダウン)、皮質の神経細胞でジオスゲニンに誘導される軸索伸長が完全に阻害された。1, 25D3-MARRSに対する中和抗体による処理は、アミロイドベータ(1-42)Aβ(1-42)に誘導された軸索の萎縮を抑えて軸索を再生させるジオスゲニンの効果を減少させた。これは、ジオスゲニンが1, 25D3-MARRS受容体を刺激してシグナル伝達経路を活性化することを初めて実証した研究であり、この経路は抗AD療法につながるきわめて重要な標的になる可能性がある。
東田 千尋1, 浦野卓矢1, 梅嵜 雅人2, Ilka Nemere3 & 久保山 友晴1
  1. 富山大学和漢医薬学総合研究所 神経機能学分野

成分(一般名) : メマンチン塩酸塩
 製品例 : メマリー錠5mg~10mg~20mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
 区分 : 他の中枢神経系用薬/NMDA受容体拮抗薬/NMDA受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤
 概説 : 認知症を軽くするお薬です。アルツハイマー型認知症の治療に用います。
 
 
 作用
 
【働き】
アルツハイマー病がすすむと、脳内のグルタミン酸という神経伝達物質が過剰となり、記憶に関係する神経の働きが悪くなってきます。そのため、物忘れがひどくなり、思考力や判断力が低下してきます。比較的ゆっくり進行しますが、病状がすすむと仕事や日常生活にも大きな支障がでてくるものです。
このお薬は、アルツハイマー病に有効な抗認知症薬です。おもな作用は、過剰なグルタミン酸をおさえ、グルタミン酸による悪影響から神経を守ることです。そして、グルタミン酸神経系の機能異常が改善され、アルツハイマー型認知症の諸症状が軽くなります。認知機能をよくするだけでなく、アルツハイマー病にともなう行動異常や心理症状にもよい影響をもたらします。このため、病気がすすんだやや重いアルツハイマー型認知症にとくに役立ちます。
【薬理】
アルツハイマー型認知症の病因の一つとして、グルタミン酸神経系の機能異常があげられます。興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸濃度が異常に上昇し、グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA受容体チャネルが過剰に活性化、神経細胞に障害をもたらしてしまうのです。さらに、無用な電気シグナルが持続的に発生し、記憶を形成する神経伝達シグナルを隠してしまうことも、記憶障害の要因です。
メマンチン(この薬)は、そのNMDA受容体を選択的に拮抗し、過剰なグルタミン酸による神経障害を防ぎます。そして、記憶をじゃまする持続的電気シグナルを減少させることで、記憶の定着を助けます。このような作用メカニズムから、NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体拮抗薬と呼ばれています。
【臨床試験】
重めのアルツハイマー型認知症の患者さん432人を2つのグループに分け、この薬と、プラセボ(似せ薬)の効果を比較する臨床試験がおこなわれています。本当に、プラセボを上回る効果があるのかを確かめるのが目的です。効果の判定は、6ヶ月後の認知機能と全般的臨床症状の2つの評価でおこないます。認知機能は、患者さんと面接して、記憶や思考力などを多面的にチェックするもので、正常を100点とします。後者の全般的臨床症状は、日常生活や精神症状を含めた病状の変化を付き添いの方の評価をくわえ7段階で判定します。こちらは、点数が低いほど改善、高いほど悪化を意味します。
6ヶ月後の認知機能の試験結果は、この薬を飲んでいた人達の平均点数が約71点(服用前72点)、プラセボを飲んでいた人達が65点(服用前70点)でした。この薬を飲んでいた人達のほうが、点数の変化が少なく、病状がある程度おさえられることが証明できたわけです。一方、実生活にそくした全般的臨床症状は、この薬で4.5、プラセボで4.6とほとんど変わらず、残念ながら有効性を確かめることができませんでした。ちなみに、全般的臨床症状においては、デイケア・デイサービスが、この薬を上回るほどのよい影響をおよぼす可能性が示されています。 
 
 
 特徴
世界で唯一のグルタミン酸NMDA受容体拮抗薬。従来からの認知症治療薬ドネペジル(アリセプト)とは効き方が違います。海外でも、単独もしくは、併用療法して標準的に用いられています。ドネペジルに追加・併用することで、多少のプラス効果が期待できそうです。
最大の特徴は、重い認知症に向くということです。また、認知機能を改善するだけでなく、怒りっぽい、興奮、攻撃的、徘徊といった周辺症状の軽減効果も認められています。ただし、既存薬と同様に、実生活で目にみえるほどの効果はあまり期待できませんし、病気そのものの進行を止めることもできません。なお、軽い認知症には有用性が低いことが いくつかの臨床試験で示されています。
 
 
 注意
 
【診察で】
持病のある人やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
別の薬を使用している場合は、その薬を医師に教えてください。
【注意する人】
腎臓の悪い人は、薬の排泄が遅れがちです。用量に注意するなど慎重に用いるようにします。
注意が必要なケース..腎臓病、重い肝臓病、てんかんのある人など。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
パーキンソン病に用いるレボドパ製剤の作用を強める可能性があります。市販薬を含め使用中の薬を医師に報告しておきましょう。
飲み合わせに注意..レボドパ製剤(ドパゾール、ドパストン、メネシット、ネオドパストン、イーシー・ドパール、マドパー、ネオドパゾール)、ヒドロクロロチアジド(プレミネント、エカード、 ミコンビ)、シメチジン(タガメット)、アマンタジン(シンメトレル)、デキストロメトルファン(メジコン)など。
 
【使用にあたり】
飲み忘れや飲み間違いがないように、ご家族あるいは付き添いの方の管理のもとで服用してください。寝たままではなく、できるだけ体を起こして飲みましょう。
通常、1日1回朝食後に服用します。
少量(1日5mg)で開始し、1週間毎に漸増、4週間後に維持量(1日20mg)とします。
腎臓の悪い人は、少なめになることがあります。
【食生活】
眠気やめまいを起こすことがあります。車の運転や危険をともなう機械の操作、高所での作業は避けてください。 
 
 
効能  : 中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
 
 
使用  : 通常、成人はメマンチン塩酸塩として1日1回5mgから開始し、1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
 
 
副作用 : 副作用で一番多いのは‘めまい’です。とくに飲み始めに多くみられます。転倒につながるおそれがありますから、十分に注意してください。そのほか、人によっては頭痛や眠気をもよおしたり、便秘や食欲不振を生じることがあります。
重いものは少ないですが、まれな副作用として、けいれんが報告されています。てんかんなど、けいれん性の病気のある人は、注意が必要かもしれません。ご家族や介護にあたる人は、下記のような症状をふまえ、患者さんの様子を注意深く見守るようにしましょう。
【重い副作用】
めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
けいれん..筋肉のぴくつき、ふるえ、白目、硬直、全身けいれん、意識低下・消失。
失神、意識消失。。気を失う、もうろう状態
精神症状。。激しく興奮、攻撃的な行動、誤った思い込み、取り乱す
 
【その他】
めまい、ふらつき、転倒
頭痛、眠気、眠りがち
体重減少
便秘、食欲不振
肝機能異常、血圧上昇
アルツハイマー型認知症治療薬一覧
 
①ドネペジル(アリセプト)
 
イメージ 1

最も世界的にも広く使用されている実績のある、
コリンエステラーゼ阻害剤がこのアリセプトです。
アメリカではすぐにリバスチグミンが競合薬として市販されましたが、
日本においては昨年まで、
アリセプトのみが唯一のコリンエステラーゼ阻害剤でした。
この薬は現時点においても、
他の2種のコリンエステラーゼ阻害剤に比して、
その効果に遜色はなく、
かつ最も副作用のような有害事象の少ない薬剤として、
その評価はほぼ確立しています。
剤型は錠剤に加えて、
水の要らないOD錠と、
嚥下の難しい高齢者のための、
ゼリータイプのものの3種類があります。
その使用は1日3mgから開始されて5mgが維持量となり、
重症の事例には10㎎まで増量が認められています。
この用量設定は基本的に海外と同一です。
この薬の副作用は、
投与初期の吐き気などの消化器症状と、
これも初期に多い焦燥感や興奮などの精神症状、
そして、継続した場合の心臓に対する影響が、
その主なものです。
投与初期の症状は、
脳内のアセチルコリンが急上昇するためと思われ、
消化器症状には胃腸に対する副交感神経の緊張も、
一部は影響していると思われます。
これはSSRIによって、
脳内のセロトニンが上昇することによる症状と、
非常に似通った部分があります。
心臓への影響は矢張り副交感神経の刺激によるもので、
除脈性の不整脈などの影響で、
眩暈や動悸などが生じます。
従って、この薬の使用時には、
事前の心電図のチェックが必要ですし、
脈の遅めな方は、
より注意が必要です。
 

 
②リバスチグミン(リバスタッチパッチ)
イメージ 2
 
この薬はアリセプトに次いでアメリカでは発売された、
コリンエステラーゼ阻害剤ですが、
日本での発売は大きく遅れ、
「貼り薬」という剤型のみで、
今年の8月に発売の予定です。
海外では飲み薬も発売されていますが、
日本では他剤との競合を避けた、
ということのようです。
基本的な効果はアリセプトと違いはなく、
その副作用もほぼ同等と考えられます。
この薬の一番のポイントは、
アセチルコリンエステラーゼの阻害作用と共に、
ブチリルコリンエステラーゼの阻害作用を共に持っている、
ということです。
ブチリルコリンエステラーゼとは、
一体何のことでしょうか?
コリンエステラーゼはコリンエステルの分解酵素です。
コリンエステルの中の代表は、
アセチルコリンですが、
人間の体内にはそれ以外にも、
コリンエステルが存在します。
アセチルコリンエステラーゼは、
アセチルコリンのみを分解する酵素ですが、
人間の体内にはアセチルコリン以外のコリンエステルも、
同時に分解出来る酵素が存在し、
それがブチリルコリンエステラーゼです。
ブチリルコリンというのは合成化合物で、
生体には存在しないのですが、
そのブチリルコリンをアセチルコリンと同じように分解出来る能力のある酵素に、
ブチリルコリンエステラーゼ、
という名前が付いているのです。
ブチリルコリンエステラーゼには、
アセチルコリンエステラーゼのバックアップ的役割があります。
アセチルコリンエステラーゼが欠乏すると、
アセチルコリンの分解は、
今度はブチリルコリンエステラーゼが受け持つことになるのです。
アルツハイマー型認知症では、
アセチルコリンエステラーゼの活性は低下し、
一方でブチリルコリンエステラーゼの活性は上昇している、
というデータがあります。
これを一種の代償機転と考えれば、
ブチリルコリンエステラーゼを阻害する薬の方が、
より脳内アセチルコリンを高める効果があるのでは、
という考え方が出来る訳です。
早期のアルツハイマー型認知症では、
認知機能の低下を遅らせる、
というデータがあり、
早期の認知症に限っては、
アリセプトより有用性が高いのでは、
という意見もあります。
ただ、アリセプトからの変更の試験では、
あまり効果に違いはないという結果も出ています。
貼り薬には患者さんによっては、
薬を持続し易い、というメリットはあり、
貼り薬でコンプライアンスの改善が期待出来るケースでは、
その変更は考慮する必要があると思います。
 

 
③ガランタミン(レミニール)
イメージ 3
 
この薬もコリンエステラーゼ阻害剤で、
その意味ではアリセプトと大きな差はありません。
ただ、ニコチン性アセチルコリン受容体の、
刺激作用を併せ持つ、という特徴があります。
つまり、脳内アセチルコリンを、
その分解酵素を阻害することにより増やすと共に、
その働きも増強する、
ということになります。
ただ、実際にアリセプトからの変更のデータなどを見ると、
さしたる差は見られてはいません。
神経細胞死を抑制する効果は、
アリセプトより高いのではないか、
という意見もありますが、
少なくとも臨床試験のレベルでは、
それを立証するようなデータはないようです。

 
④メマンチン(メマリー)
 
イメージ 4

この薬は現在唯一の、
コリンエステラーゼ阻害作用とは、
別箇の作用を持つアルツハイマー型認知症治療薬です。
アルツハイマー型認知症では、
アセチルコリンの低下と共に、
もう1つの神経伝達物質である、
グルタミン酸の濃度上昇があり、
グルタミン酸によるその受容体の過剰な刺激が、
神経細胞障害や認知機能障害の1つの要因なのではないか、
という仮説があります。
このメマンチンはグルタミン酸の受容体に拮抗することにより、
その受容体の過剰な刺激を改善しよう、
という働きがあります。
この薬は単独使用より、
コリンエステラーゼ阻害剤との、
併用が想定された薬剤です。
そのコリンエステラーゼ阻害剤への上乗せ効果は、
「やや効果あり」という程度のようです。
一方でそれほど頻度が多いものではありませんが、
痙攣や眩暈、意識消失や過度の興奮、
などの副作用が報告されていて、
日本での臨床試験でも、
錯乱状態となり入院したケースなどが報告されています。
眩暈も錯乱もそうですが、
投与を中止してもすぐには改善しない、
という特徴があり、
その意味で安易に投与すると危険な場合もある、
という認識は持つ必要があるのではないか、
と僕は思います。
従って、
コリンエステラーゼ阻害剤にあまり反応しない事例に対して、
慎重に使用するのが現状では望ましい、
と考えられます。
以上現時点で日本で使用可能、
もしくは近日中に発売予定の薬剤につき、
簡単なレビューをお届けしました。
総じて、アリセプトと比較して、
明らかに有用性と安全性が高い、
と評価出来る薬は現状ではない、
というのが実際だと思います。
昨年のNew England…の総説でも、
それぞれの薬剤にあまり差はない、
という結論です。
従って、第一選択は、
データの蓄積が多いという点から矢張りアリセプトで、
貼り薬の方が使用し易い事例ではリバスチグミンを使用し、
効果不充分例ではガランタミンへの変更も1つの選択肢です。
また、重症の事例ではアリセプトか他のコリンエステラーゼ阻害剤を、
ある程度使用した上で、
副作用に気を配りながら、
メマンチンを慎重に上乗せするのが、
適当ではないかと思います。
まだあまり症状が出現していない、
早期の治療にどの薬剤が望ましいか、
それとも何も使用しない方が良いのか、
という点については、
現時点で確証の持てるようなデータはないと思います。
 
六号通り診療所所長のブログより転載させていただきました。
 

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