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『ディ テッラ/バンコ』
①天空と変化
②母なる大地
③苦痛
④生きる
⑤星もなく、木もなく
⑥音と静寂の中で
⑦地球へ
本作は、イタリアのプログレッシヴ・ロック・バンド、バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ(略してバンコ)が78年に古巣リコルディ・レーベルからリリースした彼等通算7枚目となるアルバムです。フランチェスコ・ディ・ジャコモおじさんのボーカルがフィーチャーされていないインスト作品であり、そういった意味から言えば、シンフォニック然とした佇まいは全作品中1番であり、他を圧倒するアルバムと言えるのかも知れません。という訳で、オーケストラ入りのクラシカルなサウンドが好みな人に言わせればこれが彼等の最高作。逆に、ジャコモおじさんのボーカルが無ければ…といった人にとってみれば、黄金期の作品の中では最も物足りなさが残るアルバムということになるでしょうか。そのどちらでもない私にしてみれば、本作もまた傑作の内の1枚という事になります。
さて本作の内容ですが、まさに厚い雲の間から閃光が差すとともに、天空からの啓示が為されたかのようなドラマチックなシンフォニック曲①「天空と変化」で幕を開けます。ここからしてエニドを彷彿とさせるクラシカルなサウンド。おおよそバンコのアルバムとは思えないようなオーケストラの旋律にまずは耳を奪われます。まさに、一曲目から「キターーーーーー」といった感じです。そして打って変わってシンフォニック・ジャズとも言うべきサウンドが展開されるのが②「母なる大地」で、息苦しくなるほどの緊迫感が全体を覆います。管楽器とピアノがとにかく秀逸。クリムゾンとはまた違った趣の緊張感です。
つづく③「苦痛」は前曲からの流れを汲みますが、不安感を煽るサウンドから次第に哀愁のサウンドへと変化して行きます。後半のメロディはとにかく美しく、エスニック感も漂わせます。そして④「生きる」はジブリ作品、特に『天空の城ラピュタ』を思わせる高揚感に包まれ、ドラマチックに曲は進んで行きます。こちらも途中からはジャズ・ロック的なサウンドに移り、クラシカル・シンフォを挟みながら劇的に展開して行きます。本作のハイライトの1つと言えるでしょうか。
⑥「音と静寂」は清涼感漂うピアノが印象的なナンバーで、弾むリズムがポジティヴな雰囲気を醸し出しているように感じます。また、ラスト曲⑦「地球へ」は、冒頭の①と同様、オーケストラによるドラマックな展開が素晴らしいです。当時、本作を初めて聴いた人は、ジャコモおじさんのボーカルが無いことに対して、バンコは終わってしまったのではないか…と、一抹の不安を抱いたかも知れません。しかし、別に彼等が解散へと動き出していた訳でもなく、本来ならばノチェンツィ兄弟のソロ・アルバムとして出して然るべきところを、敢えてバンコ名義で出しているところからも、逆に強固な絆が感じられます。なお、内容は稀有な名作と言えるものですから、全プログレ・ファンにお薦めしたいと思います。
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ガルファーノロッソも。人生の独壇場。
2019/6/17(月) 午後 1:22 [ tetsuo aspic ]