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『螺旋/ヴァンゲリス』
①螺旋
②バラッド
③托鉢僧D
④見知らぬ男
⑤3+3
本作は、ギリシャ出身の作曲家でありキーボード奏者でもあるヴァンゲリスが、77年にRCAレコードからリリースした彼にとっては通算9枚目(映画のサントラックを除いたオリジナル・アルバムとしては5作目)となるソロ・アルバムです。『天国と地獄』、『反射率0.39』とオリジナル・アルバムの傑作2枚をリリースした後の作品と言う事で、かなり高い期待を持って聴いた作品ですが、当時の感想としては「結構、あっさりした感じのアルバム」でした。しかし、後にポピュラー音楽として高く評価されることになるサントラ曲の1つの方向性がここに確立されていると感じられることから、彼のキャリアにおいて本作は、重要なマイルストーン的な作品として位置づけられると思います。
さて本作の内容ですが、ロシアのエデュアルド・アルテミエフを始めとした世界のキーボード奏者あるいはコンダクターにまで影響を与えたと思われる①「螺旋」で幕を開けます。当時、シンセサイザー・ミュージックの代表格として走っていたタンジェリン・ドリームやクラフトワークなどとはまた根本的に違う形態のサウンドがここでは構築されており、行き詰まりつつあったシンセ・ミュージック・シーンに大きな息吹を吹き込んだと思うのは私だけではないでしょう。つづく②「バラッド」は、ジャズ/フュージョン的な趣を持った佳曲で、ふわふわとした浮遊物に乗せられて宙を漂うような心地良さがあります。岩場のある海岸線を平行に飛翔していると、眼下には街の灯りが、空には大きくまん丸い月が見えてくるような、そんな感覚です。
③「托鉢僧D」は、当時隆盛を誇っていたディスコ・サウンドからの影響も見え隠れするナンバーで、非常にノリの良いサウンドが飛び出します。そう言えばリック・ウェイクマンもソロ・アルバムでこう言った曲をやっていたなぁと思い出しました。そして④「見知らぬ男」は、①と並ぶ本作のハイライト曲と捉えられている曲で、起承転結があり非常にドラマチックな展開となっています。また、ライト曲⑤「3+3」はテクノ的な味わいもある壮大な叙事詩で、前作がお気に入りの方(特にハウス/テクノのファンかな)にはベストの曲でしょう。
以上、ざっくり言って、彼の作品としては一貫性の無い作品となっており『天国と地獄』がお気に入りだった当時の私としましては「結構、あっさりした感じ」と言う感想でしたが、色んな音楽を経験した後に聴いてみるとコレまた傑作であることに気づくといった具合。取り敢えずRCA移籍後の3作品、『天国と地獄』、『反射率0.39』、『螺旋』は外せないアルバムといったところでしょうか。
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ヴアンゲリスと言えば反射率0.39か天国と地獄か螺旋か。人生の醍醐味。
2019/6/17(月) 午後 2:53 [ tetsuo aspic ]