東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

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 イスファハーンイマーム広場の子どもたち


イランの真珠イスファハーン ]

イスファハーンは、イラン中部に位置する都市で、「イランの真珠」といわれるだけあって、落ちついた伝統とセンスの街です。すばらしい見どころは他にもありましたが、今日は、昔、「世界の半分」といわれて称えられたほどみごとな、イマーム広場を紹介します。

イマーム広場

古都イスファハーン――私は旅行中「イスファハーンはもう見ましたか?」と何人かのイラン人から訊かれた。それは日本を旅する外国人が、「京都に行きましたか?」と問われるのと同じだ。イスファハーンは「イランの真珠」とたたえられるほどである。

   
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 十六世紀末、サファヴィー朝のアッバース一世が、コーランの語る天上の世界を地上に再現しようと、自らの基本計画のもとに、宮殿や寺院、神学校、バザール、橋など、壮大な町並みを作り出していった。

ゲイサリエ・バザールで楽しんだ後、細い小道を辿って南西方面へ歩を勧めると、前方に華麗な青いドームが見えてくる。ここが有名な世界遺産イマーム広場だ。
 南北512m、東西163mという広大な空間を、きらびやかなタイルで埋め尽くされたイマーム・モスク、黄色を基調としたドームが美しいシェイフ・ロトゥフォッラー・モスク、彩色豊なイラン初の高層建築アーリー・ガーブ宮殿、回廊を利用したバザールなど、きれいな外観が調和を保って囲んでいる。中央には大きな池を配し、池を囲んで芝生が広がっている

  
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             遠くにイマーム広場の華やか雰囲気が目に飛び込んでくる。

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  広場の南に位置するイマームモスク 広場は回廊で囲まれている。
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左 青とベージュのコントラストが鮮やかなシェイフ・ロトシェラ
右アーリー・カーブ宮殿のバルコニー 
 
 この広場でひときわ目を引くのが、南に位置するイマーム・モスクだ。
 七色の彩色タイルで覆われた大ドームは息を呑む美しさだ。幾何学的な直線が美しい建物に、曲線が美しいアラベスク文様が細かくビッシリと描かれている。ペルシャン・ブルーを基調にし、サフラン・ライスのような黄色、ピスタチオのグリーン、濃いブルーを配したタイルでできあがったモスクは、“すばらしい”の一語に尽きる。 
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 それにもまして、感嘆させられるのは、広場に面した入口(イーワン)のアーチ部分に施されている鍾乳石飾りだ。見上げれば、誰もが言葉を失うだろう。

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イメージ 19 圧倒されながらしばし上をながめていると、若い女性がやってきて私の隣でビデオ撮影を始めた。鮮やかな黄緑色のスカーフとコート、ピンクがかったズボン、赤いサンダル、――私がイラン女性の服装の厳格さ・信仰心深さをABCDで、分類した中の、最も開けたタイプDタイプに属するイラン美人だ。まさに貴重な被写体だ。
 写真を撮らせてもらおうと、お願いしようと思った瞬間、その若い女性がビデオを撮影しながら、「オー、ビューティフル!」と思わず叫んだ。実に自然でみごとな英語の発音。直感的にヨーロッパ人かも…、という失望感に変った。だがどう見ても顔立ちはイラン人だ。半信半疑で「どちらからいらっしゃいましたか?」と、片言英語で訊くと、「アイ アム イラニアン(イラン人です)」と流暢な英語が返ってきた。「やっぱりそうか。ああよかった」と、妙に安心して写真をお願いした。

 彼女は、――高校生の時から6年間イギリスに留学していて、現在は大学生。夏休みで久しぶりに帰国したが、イギリスの友人たちに、イランの様子をビデオで見せようと思って撮影している。父親は石油を扱っている。イランには戻らずにイギリスで働きたい、と言っていた。これだけ把握するのには悪戦苦闘だったが、彼女はていねいに私のおそまつなジャパニーズイングリッシュに付き合ってくれた。最後に「大変ありがとうございました。ご親切に感謝します!」と礼を言うと、「よい旅を!」と返してくれた。〈もっと英語が話せたらなあ…〉と、いつも後悔するが、同じ後悔を毎度繰り返している。その後も、テヘランでは足の爪にマニキュアを塗り、サンダル履きで街を歩く女性の姿を、わずかながら見掛けた。次第に増えていくのだろう。


 イーワンをくぐり、短い回廊を抜けて中庭に出ると、45度斜め奥にイマームモスクのイーワンがドンと構えている。さらにその奥には中央礼拝堂がある。モスクの中に入ると感嘆はさらに増していく。立ち止まってはため息をつき、目を皿のようにして見つめ続ける。

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 礼拝堂のドーム天井の装飾がこれまたみごと。
 イラン人のガイドが「ここでは孔雀が見えますから、上を見ていてください」と言う。確かに天井の模様は、孔雀の羽に似ている。しかし、どう見ても孔雀には見えない。首が疲れたので壁を見はじめるると、周囲から歓声が上がった。見上げるとそこには確かに1羽の孔雀がいたのである。
 ドームに差し込む日の光がひと筋の模様になり、孔雀の首に見えるのである。
その天井に向かって手を打つと共鳴が響き渡った。
 
 タイルでできあがった外壁や内装の紋様の細密度には舌をまくが、それ以上に対称性には圧倒されてしまう。日本の建造物の非対称の美とは、まるでちがう「精密に計算された美」がそこにはある。

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               タイルのアラベスク模様
 
イランに入る前まで、中国の西域から中央アジアとたくさんのイスラム教のモスクを見てきたが、建築物の建て方、内部の壁や天井を飾る幾何学模様で壁一面に配置されたアラベスク模様を見てもわかるように、イスラムの人々は非常に緻密で、理詰めで、昔から複雑な計算能力の高い人々であったことが容易に想像がつく。モスクの美はそれを反映した文化であり芸術であろう。

 幾何学的直線が美しい建物に、アラベスク文様の曲線美が細かくみごとに描かれている。周囲のコーランの文字も美しい。建物全体がイランや中央アジアのイスラム建築特有の青で統一されており、オアシスのように清涼感を与えている。
 
 興奮冷めやらぬといった感じでイマームモスクから再び広場へ出た。
 改めて全体を眺めると、きらびやかな装飾タイルに埋め尽くされたモスク、極彩色壁画が目を奪う王宮、美の世界を誕生させた工芸の極地――「イスファハーンは世界の半分」とい言われたことばはこの広場ためにある、ということが実感としてよくわかる。
 
 広場そのものが巨大な美術品であり、オープン・ミュージアムの感がした。広場を囲むイスラム様式の建築、青のドームを見ると、10日ほど前に見たサマルカンドのレギスタン広場と雰囲気が似ているが、まさに“似て非なるものだ”。
 広場の規模、青のドームに描かれたアラベスク模様(アラビア文字、植物を図案化した幾何学模様)の繊細さ…、どれをとっても、大きな差を感じる。
 
 サマルカンドのメドレッセ・モスクが宗教的な対象ではなく、ただの観光地になっているのと違い、イス
ファハーンは今でも礼拝に使用されている生きたイスラム建造物だ。その違いは大きく、建物のかもし出す息づかいからして雲泥の違いがある。

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はじめまして
先日はコメントありがとうございました
しばらく更新をしてなかったので今日コメントを拝見致しました
素敵な写真が多いですね
色々とアングルの勉強になります
昨日より、blogが移動しました
まだ、UPしたばかりですが、機会があればまた遊びにきてください
http://momonngahare.blog.ocn.ne.jp/blog/ 削除

2009/2/15(日) 午後 11:12 [ bokuharedesu ] 返信する

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始めのうちは記録目的で写真を撮っていたのですが、最近は単なる記録と本気で撮るのと意識するようになって来ました。少しは進歩したのでしょうか?

2009/2/17(火) 午後 4:32 [ moriizumi arao ] 返信する

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すばらしい写真にかんどうしました。ブルーがとってもきれいですね。文句なくポチです。

2009/8/20(木) 午後 6:43 [ chama ] 返信する

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chamaさん ポチありがとうございました。私もほんとうに感動しました。

2009/8/22(土) 午後 8:18 [ moriizumi arao ] 返信する

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すごいですねー、国内にいては絶対に見られないモスクの映像の数々、ほんとに目の保養になりました。イラニアン・ブルーと言うのでしょうか、独特のブルーの色は吸い込まれるような感じがします。それにしても、細かい幾何学模様、イラン人って数学的な才能があるのでしょうか。。彼女のブルーの衣装もすばらしい!
有難うございました。

2009/12/13(日) 午後 6:46 紫蘭 返信する

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紫蘭さん
あちこちでモスクをみましたが、やはりイランのものが最高でした。
さすが、世界最初の帝国をきずいた ペルシアだけのことはあると感心しています。

2009/12/13(日) 午後 10:02 [ moriizumi arao ] 返信する

数百年も昔にこんなに立派なモスクができたのですね。基調色のブルーが落ち着きと威厳を表しているのですね。ありがとうございます。

2009/12/14(月) 午前 6:22 Dandy GAN 返信する

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どの写真もはじめてみるものばかり、そして、どのコメントも学術的で、圧倒されます。素晴らしいのひとことです。また、時間があったら、ほかも拝見させていただきます。
それ以上に、ご本が出版されてるのでは?と思ってます。ぜひ購入したいものです。

2009/12/14(月) 午前 7:51 kur*kur*bo*bo*2000 返信する

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私が知って売る限り、唐草模様は葡萄のつると聞きました。が、葡萄だけではないように思いますが・・・。

2009/12/14(月) 午前 7:53 kur*kur*bo*bo*2000 返信する

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ガンさん
このきれいなブルーはアフガニスタン原産のラビスラズリー出つくった顔料で、敦煌莫高窟の壁画にも使われています。

2009/12/15(火) 午前 7:44 [ moriizumi arao ] 返信する

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くりぼんさん
本が出版したらよろしくお願いします。市奥羽トルコまで筋書きは書いてあるのですが、ブログに時間が費やされて、本の言行がナkナカ進まないのが悩みです。

2009/12/15(火) 午前 7:49 [ moriizumi arao ] 返信する

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くりぼんさん
唐草模様は?、つる草がからみ合うさまを図案化した模様で、日本には中国から伝わったといわれています。コメントのように主題となる植物によって忍冬(にんどう)唐草・葡萄(ぶどう)唐草などと呼ぶようです。。

2009/12/15(火) 午前 7:51 [ moriizumi arao ] 返信する

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