[シルクロード紀行]
空海と則天武后 ―大興善寺と小雁塔―
法門寺からホテルへ昼頃に戻り、そのまま西安最後の古寺・名所めぐりに自転車を走らせた。
小雁塔→大興善寺→永寧門(南門)→鐘楼→鼓楼 の順である。
鐘楼と鼓楼は既に16年前にも登ったが、今度は、上からライトアップされた市街を眺めてみ見ようと思う。
今回は、初めの二つ大興善寺と小雁塔を紹介しよう。
[大興善寺]
インドからやってきた不空たちがここで密宗経典を翻訳し、密教を伝授した。
そのため中国密教の発祥地とされている。
弘法大師・空海の師である恵果和尚が、不空から密教を学んだことは以前述べた。
そういう意味では、空海は不空の孫弟子ということになる。
また、空海の後に還学生(げんがくしょう・短期間(約2年ほど)で帰ってくる学生のこと)として留学した僧・円仁や円珍が学んだ場所でもある。
弘法大師に関心のある私としては、この寺には惹かれるものがあった。
境内に入るとまず驚いた。
予想もしなかった弘法大師空海の金像があったことである。
確かに弘法大師に縁のある寺だが、ここで修行を積んだわけではない。
また、円仁や円珍の訪問の碑も目に入った。
日本の有名な僧侶の修行の地ということで、かなりの歴史を感じた。
私が訪れたときは、たまたま秘仏の観音菩薩像の公開時期に当たっていて、老若男女が法衣を着て大行道していた。
寺の庭を埋め尽くすほど多数の人びとが、「アーミーコンコン」と、唱えながら行進する様には、かなりの迫力を感じ、さすが中国と思わされた
[小雁塔(薦福寺)]
前回の記事の楊貴妃とともに、大唐の栄華を彩るもう一人の主役の女性は則天武后である。
則天武后は「歴史を彩る」というには、あまりに大きな権力を身につけすぎていたかもしれない。
中国歴代君主の中でただひとりの女帝であり、一身に集中したその権力の大きさは、
世界史上、肩を並べるものはいない。
――大英帝国の絶頂期を作り上げたエリザベス一世の権勢と血塗られたカトリーヌ・ド・メヂチの残忍性を兼ね備えた女性であったと、林語堂はその著書『則天武后』の中で述べている。
高宗の皇后として政治の実権を掌握した時から、81歳で亡くなる50年間の間に、
次々と、肉親や一族、家臣・忠臣を殺したという。
漢代の呂后、清代の西太后とともに「中国三大悪女」と称されている。
その則天武后が亡夫・高宗のために684年建てた寺が薦福寺で、塔が建てられたのは710年である。
大雁塔より小ぶりなので小雁塔と呼ばれた。
大雁塔を“偉丈夫”と表現するならば、小雁塔はさしずめ ”なまめかしい夫人”といったところだ。
何か親しみやすい風情を感じる。
建てた当初は15層だった、地震により頂部が崩れ、現在は約43メートル、13層になっている。
崩れた上部は修復されていないので屋根がなく、眺めがいい。
この寺はまた、義浄が仏教の翻訳を行ったことでも知られている。
695年にいんどから400部余りのサンスクリット語経典を持ち帰った義浄は
『大唐西域救法高僧伝』という書物も著した。
大興善寺の項目の中で紹介した円仁もこの寺に逗留した。
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良いサイトですね。
私は歴史好き・仏教歴史好きですので、こういった感じのブログがあるとほっとします。
私は楊貴妃より則天武后派です。
テレビやドラマや映画などで描かれる彼女たちやその他そのころの人々の真の姿はどうだったのかな?と昨今思いをはせています。
最近、空海の風景by司馬遼太郎を読んで、西安などの情景を想像している私です。
2009/3/19(木) 午後 8:19 [ - ]
おっ、空海だ。
知ってる人物の像などがあると、ついつい見てしまいますよね。
2009/3/20(金) 午前 1:42
ユーミー・ママさん 訪問ありがとうございます。私は四国歩き遍路を三度歩きとおしているので、弘法大師のファンなのです。私の横の本棚にはしっかりと『空海の風景(上下)』が並んでいます。まもなく、西安からシルクロードへ出発します。よろしかったら訪問してください。
2009/3/21(土) 午後 3:23 [ moriizumi arao ]
西安の青龍寺ならわかるんだが、まさか、この寺に空海が…、日本人の寄進かなあ、 それとも、日本人観光客のためのモニュメントなのかな? ちょっと考えてしまいました。
2009/3/21(土) 午後 3:56 [ moriizumi arao ]
こういう大都市でも、仏教徒が健在なので安心しました。
2010/4/21(水) 午後 9:46
義浄がナーランダに出かけたのも、時がそうさせたのでしょうか。仏典を受け入れた則天武后はどんなだったか、知りたくなりました。良く説明がなされ、興味深く読みました。
2010/12/8(水) 午後 9:30 [ g71*2g5*s ]
忠さん
チベット以外では、仏教徒に対する差別等は少ないようですよ。
2010/12/9(木) 午後 2:58 [ moriizumi arao ]