東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

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 それまできれいな夕焼けを演出していた太陽が突然竜巻の砂でかき消された。その瞬間、青空も太陽の薄光も薄紫を帯び、これまで見たことのない世界が出現した。

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絶景を超えた美 張掖・丹霞地形(題目をクリック)
[コメント]
「シルクロードを詩う」をご覧いただくと、これからの旅(中国篇)のおおよそをご覧いただけると思います。(題目をクリック)
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?H1>恐怖の竜巻と砂嵐  嘉峪関から楡林窟へ3     温度が上がってくると、ゴビでは蜃気楼や逃げ水が見え、竜巻が起こってくる。喜多郎のシルクロードのテーマ曲がまさにぴったりの荒涼とした風景にお目にかかる。しかし、こんなロマンチックだけでは済まされない。時には危険と向き合わなければならない。

恐怖の砂嵐を強行突入
 ヤルダンやアルカリ土質のゴビ灘を過ぎると再び砂漠の様相を呈してきた。遙か前方に茶色い山が見えてきた。
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 気のせいか山がこちらに向かって近づいてくるような気がした。
 それを見た瞬間、今まで温厚な顔で話していた運転手の顔が急に引きつった。
 そして、「沙的風暴!(砂嵐だ!)」と絶叫した。私も体が硬直した。《ここで死ぬの!?》と瞬間的に思った。ぐんぐん迫ってくる。恐怖で足ががたがたした。

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 思わず、「Uターンして逃げましょう!」という言葉が口をついた。
 しかし彼は、「大きいです。まっすぐにこちらへ向かってきます。逃げても無駄です。隠れるヤルダンもありません」と、たたみかけるように言う。
「それじゃどうするのですか!?」と切羽詰まって言うと、
「停車していると、却ってやられます。むしろ早く突破した方がいいんです」と、
私を安心させるためか、覚悟した口調でいう。

 《もう彼を信用して任せるしかない》――そう自分に言い聞かせながらも不安いっぱいだ。ここで死ぬのも運命なのだろうと、腹をすえた。、気持がすうっと楽になった。
 そして、最後になるかもしれないという想いもあって、シャッターを切り続けた。
 意外に落ち着いていた。《人間、いざというときには落ち着けるものだなあ》と、改めて感じた。若いころ利根川で水泳をしていて、ダムの放流のためか急に川が増水して流され、危うく200メートルほど下流の変電所の取水管に吸い込まれそうになったことがあった。そのときも死を覚悟したが、今と同じような達観した心境だったからである。

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 次第に間近に迫ってくる。武者震いのようなものを感じる。責め来る敵と対峙するような気持だ。もうやるしかない。喜多郎の「シルクロード」の出だしの音とそっくりのヒューン、ピューンという唸りが聞こえてくる。

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 ここまで来ると、《突撃開始!》という勇ましい心境にすらなっていた。もうそこには、「死」という概念はまったく存在しなかった。

 優しい運転手は「大丈夫ですよ。神様が守ってくれますから」と安心させるように言う。だが、「神様」という言葉が気休めのような気がして、却って不安を呼んだ。私の不安げな顔をチラッとみて、「石炭を積んでいるから、重いから飛ばされませんよ」と言葉を続けた。その言葉は私の気持を再び落ち着けた。
 ダンプは車体を安定させるためか、スピードを急速に緩めた。ライトを点灯し、ワイパーも作動させた。風がビューン、ビューンと車体を鳴らす。

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 いよいよ突入!! 一瞬、車体に前方から圧力がかかり、ぐいっと押し戻されそうな衝撃を受けた。こまかい砂がフロントガラスを一挙に襲った。小石が混じっていなくて幸いだった。

 周囲は急に茶色の濃い霧に包まれたようになった。視界はせいぜい2メートルだろう。道路はほとんど見えない。

 運転手は時速10キロ程度の超ノロノロ運転で、断続的にクラクションを慣らしながら進む。幸い対向車は来ない。
 2分ほど走ると、視界が数メートル程に開けてきた。対向車線にうごめくものが目に入ってきた。よく見ると2台のロバ車とそれに付き添って歩く3人の男たちだった。よくもまあ、こんな砂嵐の中を移動するものだ。吹き飛ばされないようにロバ車にしっかりとつかまっている。さぞ難渋していることだろう。

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 どうにか、3分ほどで砂嵐を抜けた。その長かったこと。長かったこと。とたんに体から力がぬけた。とっさに出た言葉は「太辛苦了! 太謝謝了!(大変ご苦労様! ほんとうにありがとうございました!)」だった。命を救ってくれた運転手に心から感謝の念がわいた。そして生死をかけた戦いの同士のような気がした。二人の距離はぐっと縮まった。 
 振り返ってみると、自分たちが走ってきた道にはすっかり砂が積もっていた。

私が見た竜巻や砂嵐
 幸いこのとき以外には竜巻や砂嵐に巻き込まれたことがなかったが、たくさんの竜巻や砂嵐にお目にかかった。いくつかを紹介します。

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                    遠方のオアシスの村を襲う砂嵐。

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 ものすごい砂煙を上げながら吹き荒れる砂嵐。しかし、遠方だし、横に流れていたので安心感を持って,過ぎ去るのを待っていた。

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 車から降りての撮影なのでちょっと怖い感じがした。いざとなったら急いで車に逃げ帰って発進してもらう手はずになっていました。    

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    これも近いので撮影にはスリルがありました。ちょっと冒険のしすぎでした。
 
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                    近そうですが、望遠で…          


蜃気楼のいたずら逃げ水
 温度が上昇してくると砂漠には「逃げ水」といわれる蜃気楼が出来ます。
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  [逃げ水]は蜃気楼の一種です。 本当の湖や沼のように見えるが、蜃気楼なのです。それを少しは試したくてダンプをそちらの方へ向けてもらった。やっぱり遠くへ逃げていきました。
 息子が小さいころ、みごとな虹を見て近くまで行きたいというので、納得させるために車を走らせたことを思い出しました。昔、砂漠の旅人がこの逃げ水に惑わされて、あたら命を落としたといいいます。






 

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l​e​g​*​7​2​3​ さん 勇気と言うよりも開き直りだったのかもしれません。いざと言う時の開き直りを学んだような気がします。

2009/10/29(木) 午前 7:00 [ moriizumi arao ] 返信する

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7​0​s​n​o​wさん あなたもいろいろと経験されていますね。大自然の中を旅していると、自然の偉大さと怖さ、そして優しさがひしひしと感じます。人間なんて所詮ちっぽけな散在なんだな〜と、強く感じさせられます。。

2009/10/29(木) 午前 7:05 [ moriizumi arao ] 返信する

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写真だけ、人間が自分の最後まで見える恐怖を十分感じました!自然の恐怖ももうしかしたら自然の魅力の一部分かも、夢のために頑張りながら、自分の安全を十分ご注意ください!順調に安全に毎日を過すように祈っております!

2009/10/29(木) 午後 5:52 yousyou1111 返信する

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楊さん 心のこもったコメントありがとうございます。日本文がとても上手になりましたね。

2009/10/29(木) 午後 6:50 [ moriizumi arao ] 返信する

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ご無事でよかったです♪
体験された方の話と迫力のある写真に驚きました
どうぞ、ご自愛くださいませ

2009/10/29(木) 午後 7:48 穂 & dan 返信する

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花島さん ご心配ありがとうございます。自分でも後で考えるととても怖くなります。

2009/10/29(木) 午後 11:59 [ moriizumi arao ] 返信する

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す、すごいです!コレがうわさに聞く砂嵐というものなんですねぇ!小さな島国に住む私たちには驚愕のえいぞうですね!
でも無事でよかったです

2009/10/30(金) 午後 6:33 glimi 返信する

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良くご無事でしたね。
現地の方の経験のお陰ですね。
私も小さい頃、川原で兄と遊んでいた時、ちょうど竜巻にあいました。
兄が「岩にしがみつけ!」と叫んで、私は目をつぶって必死で
岩にしがみついていました。いつの間にか過ぎ去って、
私のゴムぞうりがちょっと離れた所に落ちていました。

2009/10/31(土) 午後 4:31 [ tomo ] 返信する

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tomoさん まったくそのとおりですね。運転手さんは砂嵐には何度か巻き込まれた経験があって対処が適切だったのですね。
tomoさんも怖い経験をしましたね。
砂漠の竜巻は大きいし強いので、ずいぶん死んでいる人がいるようです。中国政府はその程度では報道しないそうですが…

2009/10/31(土) 午後 6:05 [ moriizumi arao ] 返信する

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glimiさん これよりも怖いのが竜巻だそうです。範囲は小さいのですが巻き上げられてしょっちゅう人が西安でいるそうですよ。突然やってくるので酒用がないときが多いようです。

2009/10/31(土) 午後 6:10 [ moriizumi arao ] 返信する

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いやはや大変な目にあわれましたね。でも無事で良かった。傑作!

2009/10/31(土) 午後 6:33 [ mog*m*13 ] 返信する

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最後の青い湖の写真も蜃気楼なのですか?

2009/10/31(土) 午後 6:52 [ mog*m*13 ] 返信する

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mog*m*1338 さん 傑作ありがとうございます。
その時の恐怖とその後の“大変な経験が出来た”と言う満足感のせめぎ合いですね。

2009/10/31(土) 午後 9:47 [ moriizumi arao ] 返信する

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mog*m*1338さん 最後のも逃げ水なんて半信半疑なので確かめにいったくらいです。

2009/10/31(土) 午後 9:49 [ moriizumi arao ] 返信する

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貴重な体験。
二度はいやだと思いますが、厳しい自然環境にもめげず、生活する人々のいることを紹介してくれてありがとう。
富山も、蜃気楼で有名ですが、逃げ水は、比じゃないですね。
私も分かっていても追いかけたい。

2009/11/30(月) 午後 5:10 [ なでしこ ] 返信する

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なでしこさん ロマンは子供心を呼び起こしてくれますね。私も分かっていながらついつい追いかけてしまいました。

2009/11/30(月) 午後 10:04 [ moriizumi arao ] 返信する

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いやあココ見落としていました!!!
驚天動地の砂嵐に竜巻、それに最後の写真が逃げ水ですか!。滅多に見れないものをありがとうございました、ポチ連打です。うまくいくかな!

2010/4/27(火) 午後 8:24 迷えるオッサン 返信する

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迷えるオッサン
逃げむずは何枚も撮影しましたが、蜃気楼なのでうまく言ったのは空かなかったです。
ポチありがとうございます。

2010/4/27(火) 午後 10:47 [ moriizumi arao ] 返信する

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こんにちはがんです。
想像を絶しました〜
ちょこちょこ起こるんでしょうか?〜
いやはや〜^^。

2014/5/7(水) 午後 0:31 [ gann ] 返信する

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ganさん

砂漠を旅していると、遠くで竜巻が起きているのが、毎日お目にかかります。
でも、こちらに近づいて来ないときには見物気分デス(笑)

2014/5/7(水) 午後 3:47 [ moriizumi arao ] 返信する

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