東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

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四国遍路の魅力
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 [本 日 の 記 事] 

お遍路の不思議な誘いに心ひかれて1 お遍路さんとの初めての出会い 

 私は子どものころから、「修業」という言葉に強いあこがれを持っていた。
 私の住む宮城の隣県、山形県には、有名な出羽三山の山伏修業があり、
 郷里の青年たちの中にも、修行する人が何人かいた。
 自分もいずれは「修業」なるものを経験してみたい――。
 そういう気持でうずうずしていた。

 宮城県にある実家の店先に白装束を着て鉄鉢を持った人が現れた。
 私がまだ四歳の頃だった。
 母が二言、三言ことばを交わしていたが、金庫から百円札を取り出して来て、
 「遠ぐまで難儀でござりすね。気いつけで行ってけさいね」
 と言って、深々と頭を下げながら差し出した。
 
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                         私が現在も所有している百円札
 
 母は三円、五円の小遣いを渡すときでさえ、使いみちをあれこれ詮索して、
 「無駄遣いすんじゃねがすと」と言って、渋い顔で渡してよこした。
 私の小遣いの主な使いみちは、三日に一度やって来る紙芝居だった。
 
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                 私が今も保存している五円硬貨
 〈しわっぴり(けち)な母ちゃんが、何で知らない人にこんな大金を渡すのだろう〉と、
 不思議でふしぎでしかたがなかった。
 これだけあれば、紙芝居を三十回以上見れるじゃないかと、不満だった。
 私の町では、子供が百円札を持って買い物に行くと警察に捕まるとさえいわれていた。
 私にとって高嶺の花のお札だった。

  
 白装束の人が去った後、母は、
 「四国遍路さ行ぐんだって…、大変だべな。どういうわけがあるんだべな…」と、
 夢中で働いている時以上に真剣な顔で言った。
 
 当時のお遍路は――ましてわざわざ遠方の東北から出かけるのは、
 深い事情を抱えた者がする、というイメージがあったにちがいない。
 母のこの言葉がなにを意味するのかは子供の私には知る由もなかった。
 だがこのシーンは、ものすごく印象的だった。

 これが、「お遍路」という存在との最初の出会いである。
 母のていねいな応対ぶりと、その人の白装束とに、神聖さと畏敬の念を感じた。
 そして「四国遍路」という言葉が妙に頭の中に残った。
 大人になったら自分もお遍路してみたいなあと、なんとなく感じた。
 当時あこがれていた羽黒山修験者のイメージをダブらせていたのかもしれない。

 思えば、母の行為はまさに「お接待」だったのだ。
 宮城県に住む母は、当時その言葉は知らなかったに違いない。
 幼いときのこの出会いが、私に「四国遍路」を意識づけたことは間違いない。
 その母も今年の春、天寿を全うして亡くなった。       合掌



出羽三山の山伏と出会う
 出羽三山縦走登山の折、山伏修行の一団と出会った。  
 これを見て、山伏修行をぜひ体験してみようと思った。
 
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羽黒山出羽神社

 羽黒山出羽神社には何度か参拝した経験がある。
 
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            出羽神社までの2446段の階段   段差が低いので段数の割合には上りやすい。
 
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                    雪の羽黒山五重の塔 
 
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                    出羽神社本殿
 
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羽黒山八朔祭り
 
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              羽黒山八朔祭り 月山神社・出羽神社・湯殿山神社の三基のお神輿  
 
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                    山伏入場
 
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                    修行に向かう山伏一行                   
 
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                 邪心払う荒行に挑戦する女性だけの「神子修行                    
  
 

 2度目と3度目の歩き遍路の間に経験した、山伏修行の様子を次回の記事で紹介します。

閉じる コメント(22)

こんばんは〜
修行中の山伏ですか。次回の記事楽しみにしています。

2010/10/12(火) 午後 10:05 坂マンドリン 返信する

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あらおさま

こんばんは〜
ご無沙汰していました。
四国遍路と修験者。
通ずるものが有りますよね。
ジージが先達だったし子どもの頃は良く四国参りに連れて行かれたものです。

子ども達もじーじ達とまわり、小さなお遍路さんと色んな物を頂いて喜んでいたものです。

ポチ★

2010/10/12(火) 午後 10:18 幼児小学生絵画教室 三原色の会 返信する

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まよすらさん
ありがとうございます。
幼いころ母をけちだと思っていたことをすまなく思っています。

2010/10/12(火) 午後 11:15 [ moriizumi arao ] 返信する

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忠さん
成長するにつれて
母のやさしさが次第にわかってきました。

2010/10/12(火) 午後 11:17 [ moriizumi arao ] 返信する

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坂マンドリンさん
修験者体験お楽しみに!

2010/10/12(火) 午後 11:22 [ moriizumi arao ] 返信する

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三原色さん
海をへだてたお向かい四国の地はなじみでしょうね。
実際に四国遍路と山伏修行を両方体験すると、共通点がたくさんあります。
傑作ポチありがとうございます。

2010/10/12(火) 午後 11:26 [ moriizumi arao ] 返信する

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旅は良いものですね。旅行は大好きですが海外へは遠のきました。 夏の羽黒山へ行った時、山伏を見ましたし、四国ではお遍路さんを見かけました。それぞれの人生ですが私は見る方で十分です(゚0^*)傑作 ポチ!

2010/10/13(水) 午前 6:40 天と地 返信する

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私は遍路も山伏修行もどちらも経験ありませんが、共通点がありそうな感じがします。☆☆☆ポチ!

2010/10/13(水) 午前 9:51 [ chama ] 返信する

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「四国遍路さ行ぐんだって…、大変だべな。どういうわけがあるんだべな…」という、お母様の言葉にとても重いものを感じました。
昔は、ハンセン病などのような業病と言われていた病に罹った人が身内に一人でも出たら家中が困るというので、家を出てお遍路の旅をして、結局行き倒れて亡くなってしまう人もいたそうです。
以前、100歳以上の高齢者の所在不明が問題になっていましたが、あの中にはそういう亡くなり方をして、家族にも知らされていないというケースがかなりあったのではないかと思いました。
お母様の行為は、まさしく「お接待」、無償の奉仕ですね。そんなお母様と白装束のお遍路さんの姿が杜泉さんに「四国遍路」への憧れを植えつけたのでしょうね。
ポチ☆

2010/10/13(水) 午前 10:30 Kazuno_mitu 返信する

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邪心払う荒行に挑戦する女性だけの「神子修行」のように、
しばし 家族だけの 東京修行ほかで ご無沙汰しておりました。
大昔、出羽三山登山詣しました。なつかしのポチ!です。

2010/10/13(水) 午後 0:29 [ EGACITE ] 返信する

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お遍路さんの写真、山伏の修行の写真とても素晴らしいですね。
ポチ☆

2010/10/13(水) 午後 5:10 [ バタフライ ] 返信する

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。。。araoさんの 原点なのですね。。

信仰は 尊いものですね。。

当時の 百円は お母様の 「心」ですね。。

鮮明な記憶は 今のaraoさんの 巡礼する気持ちを

支えているのだと 思います。 ポチ

2010/10/13(水) 午後 5:41 真砂女 返信する

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杜泉さんの母上さまのご冥福お祈りいたします

それにつけても昔の五円硬貨を見て懐かしく思われます
貧しい暮らしの中で母から毎日のように頂いていた硬貨です
その五円玉で小さな駄菓子屋さんの店先に居たのを
思い出しますね
ポチ☆☆☆☆…☆

2010/10/13(水) 午後 8:07 [ yahan ] 返信する

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天と地さん
訪問とコメントありがとうございます。
歳を少しずつ重ねるにつれて、人それぞれの行き方があるのだな〜と、つくずく感じるようになりました。
それぞれの生き方を尊重していきたいですね。

2010/10/13(水) 午後 8:45 [ moriizumi arao ] 返信する

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chamaさん
遍路も修験者の修行はそこに流れるものは共通していることが、実感できました。
ポチありがとうございます。

2010/10/13(水) 午後 8:49 [ moriizumi arao ] 返信する

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k​a​z​u​n​o​_​m​i​t​u​ さん
あのころのお遍路さんなのでほんとうにどんなわけがあったのだろうかと、今なお考えさせられます。
遍路道沿いに無数にある無縁墓を見るたびに、その裏にある哀しい背景を思いました。
傑作ポチありがとうございます。

2010/10/18(月) 午前 9:39 [ moriizumi arao ] 返信する

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真砂女さん
確かにあの時のお遍路さんとのインパクトの強い出会いがなかったら、ひょっとして四国遍路は私にとって遠い存在だったかもしれません。
傑作ポチありがとうございます。

2010/10/18(月) 午前 10:29 [ moriizumi arao ] 返信する

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EGACITEさん
家族での行動も大切にしていることグッドですね。

2010/10/18(月) 午前 10:44 [ moriizumi arao ] 返信する

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バタフライさん
お褒めありがとうございます。

2010/10/18(月) 午前 10:46 [ moriizumi arao ] 返信する

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yahanさん
5円も当時は子供にとっては貴重でしたね。
ふだんはしまり屋の母の一面を見たような気がしました。

傑作ポチありがとうございます。

2010/10/18(月) 午前 11:05 [ moriizumi arao ] 返信する

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