東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

全体表示

[ リスト ]

前回の記事『ひきこもりを治すために遍路にきました」は、好評でした。

こちらをクリック

イメージ 1
                    田のあぜ道にひっそりと佇む道祖神が心を和ませてくれる。





 三番の奥の院愛染院を経て四番大日寺へ〜こころ和んだ遍路道〜 

 三番金泉寺を出小さな集落になっていて、近くには役場や小学校がある。
 まだ8時過ぎなので、たくさんの通学途上の小学生や、集落の人と顔を合わせる。
 その都度挨拶を交わしながら、気分よく西へ向かった。

 よそ者の私が好感を持って迎えられるのは、お遍路さんだからである。
 それを謙虚に受け止めなければいけないと、改めて自分に言い聞かせた。

イメージ 3 JR高徳線の踏み切りを渡ると、
 すぐに旧吉野川の橋に差し掛かった。
 川面の風がさわやかだ。
 汗だくの体に心地よい。
 いつまでも橋の上を歩いていられればいいとさえ感じる。

橋の上では杖を突いてはいけません
 橋のの手前で杖を突くのをやめた。
  橋の上では杖をついてはいけないのです。
 橋の下で寝ている弘法大師の眠りを妨げないためです。
  ――弘法大師が橋の下で寒さに耐えながら野宿した「十夜ヶ橋」の伝説によるものです。
  詳しくは「十夜ヶ橋」の記事で紹介します。

田園地帯をのんびりと

 橋を渡ると、道の両側は田園地帯だ。
 あたり一面緑だ。気持のよい風が渡ってくる。
 
イメージ 2

 農作業の人が帽子を取って挨拶してくれる。
 
イメージ 4 二度目の遍路のときは当時はいたって牧歌的な感じだったが、
 現在は、道の北側は宅地開発されているし、高速道路も出来た。
 高速道路近くの徳島工業短期大学の学生に、「大日寺はこちらでいいですか」とたずねると、
 「知らね〜」と、いたってそっけない。
 授業に遅れそうなので慌てているのだろう。

心のどかな山の遍路道

  平坦な田園の道からやがて山間の遍路道へと入ってゆく。
 
イメージ 14

 
イメージ 5

 
イメージ 6


 遍路道は木々におお覆われ、道の脇にはところどころ渓流が流れている。
 まさに聖なる道を歩んでいるといった雰囲気だ。 
 
イメージ 7

 

三番奥の院愛染院 〜仁王に心の中を見抜かれる〜

イメージ 8 木々に囲まれた小路を辿ると自然にお寺の境内へ入った。

 ここは三番奥の院愛染院だ。
 
イメージ 9

 ――ここは、弘仁7年(西暦816年)弘法大師が巡錫した際に、
 この地を霊地と定め、一宇を建立し、大師自ら不動明王の座像を刻んで安置したと伝えられている。
 不動明王は立像がほとんどで座像は珍しい。
 日本国内では、高野山奥の院と成田山とこちらの愛染院の三ヶ所のみにしかないとのことだ。

 山門の大わらじが懐かしい。
 仁王門の中を覗くと、懐かしさがいっそうこみ上げてきた。
 思い出深い二体の仁王が変わらずに、向かい合って立っている。
 仁王様と目を合わせた瞬間、私はすごく緊張した。
 二度目の遍路の時には、心に不安をいだいて来て、それを見据えられているような気がしたものだ。
 その時は、不安の心を見抜かれてとがめられているように思った。
 そして仁王のにらみに負けまいと思った。
 仁王に負けることは自分に負けることだ――と思った。

 今度は多少心にゆとりがある。
 じっと仁王の目目を見ていると仁王の目がどことなくやさしさを帯びているように思えた。
 同じ仁王様も、自分の心の持ち方によっていかようにも見えるのだ――
 「仏様は、自分を映す鏡なのだ」と、改めて感じさせられた。

 こじんまりとした本堂にはたくさんのわらじが奉納されていた。
 人びとのひたすらの願いがわらじに込められているのだろう。
 
イメージ 10



   
 愛染院の納経書は刷毛書で有名なので是非十敗した方がよいと聞いていた。
 四国では唯一の刷毛書納経である。幸運にも、前回同様、納経できた。
 納経の際には、若いお坊さんが記帳の終わった納経帳をうやうやしく頭上に掲げて、
 「ご苦労様です」と渡してくれた。
 これには私は感激した。
 思わずこちらも深々と頭を下げていた。

 
イメージ 11


お遍路さんに喜んでもらおうと思って
木立の道が突然開けたと思ったら、目の前に鮮やかな色彩が飛び込んで来た。
 遍路道に沿って花がきれいに植栽されていた。
 イメージ 12 イメージ 13

 おばさんが熱心に手入れをしていた。
 声をかけてみた。
 「私も花が好きやから、お遍路さんの目も楽しんでもらおうと思うて」といいながら、
 植栽の計画を熱っぽく語ってくれた。
 「これもお接待の気持なんやろかね〜」と言いながら微笑んだ。
 このようなやさしさを毎日のように感じさせていただくことは本当に幸せなことである。
 お礼を言って再び木立の遍路道を歩みはじめた。

遍路道は宇宙へとつながる

 歩みの一歩一歩に土の柔らかい感触が伝わってくる。
 そして、歩きながら想い巡らす。
 ――この土こそが、山川草木、生きとし生けるものすべての命を育むものだ。
 われわれはこの培われた命を食べながら生きている。
 土によって生かされているのだ。
 今踏みしめている土を通して、大地の「気」、
 言いかえれば血流が伝わってくるように感じる。
 そして、この大地の生命の中にわれわれのちっぽけな生命があるんだ、と実感する。

 自分が歩んでいるこの細い遍路道は何だろう。
 前の遍路でもいろいろな道を通った。
 山の厳しい道、雨のはげしい道、あるいは日の照る気持ちのよい道、
 ずいぶんいろいろな道を経験した。
 遍路道は、時々で遍路の喜びや悲しみに応えてくれる道でもある。
 さまざまな想いを胸に大地を踏みしめていく。
 一歩いっぽ歩みを進めながら、聖なる道を進んでいく。
 大地からまでやさしさを頂いているような気持になる。

 
イメージ 15

閉じる コメント(9)

顔アイコン

大きな草鞋の素晴らしい山門ですね。
道中の田園風景も、私の田舎のように
ほのぼのとしていますが、
暮らしている人は大変だろうなーーー。

2010/12/4(土) 午前 9:29 はんちくてぃ

顔アイコン

こんばんは。
畦道にたたずむ道祖神、渓流沿いの林にのなかのお遍路、とてもいいですね。こんなお遍路なら、ぜひ歩いて観たくなります。

大きな草鞋が凄いですね。小さいですが山の上にある鉄の草鞋をトラバさせてもらいます。
ポチ☆

2010/12/4(土) 午後 4:26 [ バタフライ ]

>遍路道は宇宙へとつながる

同感です。

一度も遍路したことのない私が言うのも変ですが

なんとなく理解できるような気が致します。

ポチッ☆

2010/12/5(日) 午後 4:28 [ rar*rar*do ]

さまざまな思いと一緒に、
遍路道を歩かれるのですね。ポチ!
25日ぶりに更新しました。
ご心配のお便りなどありがとうございます。

2010/12/5(日) 午後 6:53 K

顔アイコン

歩かれたときの想いがこちらにもしっかりと伝わってくる感じがしました。
☆☆ポチ!です。

2010/12/5(日) 午後 9:22 [ chama ]

顔アイコン

山登りさん

八十八ヶ所の札所には、大わらじを山門にかけてある所はけっこう多いですね。
やはり、お遍路さんたちの無事をいのっているのでしょうか。

2010/12/6(月) 午前 11:41 [ moriizumi arao ]

顔アイコン

杜泉法師の 巡礼道を歩いていると、
「私も花や 美人が好きやから、お遍路さんの目も楽しんでもらおうと思うて」
花や 美人も楽しめて ポチ!巡礼ですね。

2010/12/7(火) 午後 6:44 [ EGACITE ]

顔アイコン

Kさん

遍路は「思いの旅」でもあります。

だからやめられません。

お体ご自愛ください。

2010/12/8(水) 午前 10:18 [ moriizumi arao ]

顔アイコン

EGACITEさん

シルクロードや海外では気軽に写真を撮ら瀬手もらっている私ですが、
遍路ではすこし気心が知れてからと思っていると、
バイバイになってしまいます。

ポチありがとうございます。

2010/12/8(水) 午前 10:28 [ moriizumi arao ]

開く トラックバック(1)


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事