境内の仏さまに想いをこめて各札所には、境内にいろいろな由緒を持つ仏様が立っている。由来を見てから仏様を拝むと、色々な想いがこもり、仏様の表情もその想いとともに変化してくる。 私にとっては、本堂の仏さま以上に自分の想いを展開することがでる存在だった。 極楽寺の無縁遍路供養観音なんともいえない優しい顔立ちをしている。 昔から多くの遍路が旅半ばにして亡くなり、道ばたや最寄りの遍路寺に葬られたという。 この寺にも遍路の亡骸がたくさん葬られていると住職が話していた。 観音さまは人々の苦しみを聞き取ってくれると言われている。 〈きっとこの観音さまは、ここで亡くなった遍路たちの苦しみや悲しみを包み込んでくれtているのに違いない〉と、私には思えた。 というよりもそれを念じた。 見上げると、優しいまなざしで、じっとみつめてくれる。 私はそのありがたさに、思わず知らず手を合わせていた。 切幡寺のはたきり観音十番切幡寺では、すらりとしたスタイルのよい美しい観音様が目にとまった。「はたきり観音」と言われ、さしずめ、八頭身美人と言ったところだ。 弘法大師が布を求めた際に、機織むすめが惜しげもなく織りかけの布を切って差し上げ、 即身成仏して千手観音となったという伝説がある。 左手には、弘法大師に差し上げたという布をしなやかに持っている。 十三番大日寺のおびんずる様十三番大日寺の本堂前には、「おびんずる様」という珍しい赤褐色の坐像があった。おびんずる様は、お釈迦さまのお弟子の一人で、神通力にすぐれていたそうだが、 みだりに世間の人に神通力を用いたため、お釈迦さまの呵責(かしゃく)を受けて涅槃(ねはん)を許されず、お釈迦さまの滅後も衆生を救い続けるとされている。 俗に「なでぼとけ」とも言われ、昔から自分の身体のわるいところと、おびんずるさまの同じところを交互に撫でると、よくなるといわれてる。 みなさんはやっぱり頭がよくなりたいと見えて、頭部がつるつると光っていた。 私も、〈ぼけませんように…)と、やはり頭をなでました。 観音寺の夜泣き地蔵十六番観音寺には、大師堂の脇に「夜泣き地蔵」という面白い名前のお地蔵様があった。子どもの夜泣きや寝つきの悪いお年寄りにご利益があるとのことだ。 よだれかけが何枚も掛けてあった。 “お大師さん”と呼ばれて親しまれている弘法大師は、 四国遍路の人にとっては、なんでもかなえてくれるスーパースターだったのだろう。 神峯寺の不動明王二十七番神峯寺ある、「不動明王」の燃え立つ赤い炎が印象的だった。不動明王は、密教では大日如来の使者と言われている。 私の生まれ年の護り本尊は大日如来なので、不動明王にはなんとなく親しみを感じるのである。 お不動さんと呼ばれて一般にも身近な存在だが、 自分自身に怠け心や身にやましい気持ちがあってお不動さんの前に立つと、 いつも叱られるように感じてしまう。 二十九番国分寺には、「酒断地蔵尊」があった。 禁酒したい人にご利益があるという。 思わずくすっと笑いが出てしまった。 ほどほどに酒を楽しんでいる私には、さしてありがたいお地蔵様ではないが…、 藁をもつかむ気持で祈る人もいるにちがいない。 三十五番清滝寺の本堂の前には、高さ15メートルの薬師如来像が、高い台座の上に立っていた。 この大仏は厄除けのご利益があるといわれている。 薬師如来のご真言「おんころろせんだりまとうぎそわか」を唱えながら像の体内をくぐる戒壇巡りをすると、厄除けのご利益があるといわれているので、できるだけ心を静めながら巡ってみた。 はたしてご利益はいかに……。 「四国遍路の魅力にふれて」記事一覧
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11.人生リセットの遍路旅へ 12.一番霊山寺その1 始めは驚き…そしてとまどい 13.一番霊山寺その2 納経所 納経帳に両手で墨書と語朱印 14.ドイツ館と撮影モデル 15.般若心経のふとん 16.子供たちから元気をもらう 17.黄金の井戸に映った顔 〜三番金泉寺〜 18.「私のライフスタイル」と黄金の井戸 〜三番金泉寺〜 19.ひきこもりを直すために遍路にきました〜人生を変えた遍路 20.三番の奥の院愛染院を経て四番大日寺へ〜こころ和んだ遍路道〜 21.やさしさに甘えた特権意識 五番地蔵へ向かう道すがら 22.四国遍路 〜思いと感動の発露(その1) 遍路の世界・自分の世界 23.私の四国遍路 思いと感動の発露(そ2) 24.すがすがしい夜の目覚め 解き放たれた世界1 25.私の四国遍路 〜想い、感動、そして魅力 センテンス集〜 27.最大の難関焼山寺越え −案ずるより生むが易し 25.私の四国遍路 〜想い、感動、そして魅力 センテンス集〜 27.最大の難関焼山寺越え −案ずるより生むが易し 28.相通じる歩き遍路と山登りの心 29.何ものにも代えがたい開放感 30.「遍路ころがし」に掛けられた訓えや励ましの札 31.杖杉庵で遍路の元祖衛門三郎を哀れむ 32.心細い身に強くしみた山道でのお接札 33.心やすらぐ札所の世界〜我が家に帰った気持ち 34.霊気漂う深山の古刹1 発心の道場(焼山寺、鶴林寺、大龍寺) 35.霊気漂う深山の古刹2 菩提の道場(大宝寺・岩屋寺・横峰寺) 36.霊気漂う深山の古刹3 涅槃の道場(弥谷寺・白峯寺・根香寺) 37.庶民と溶け込む街中の札所〜立江寺、西林寺、石手寺、南光坊、善通寺 38.「厄坂」〜心を込めて石段におく一円玉 39.自分をふり返えらせてくれる関所寺 |
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さすがにお遍路道には色々な優れた仏像が沢山あるのですね。
これらもちゃんと見て行くと、日にちがいくらあっても足りなくなりそうです。
高弟のビンドゥーラ像、長野善光寺にもあったかと思いますが、やはり褐色系の色のような気がします。
2011/8/20(土) 午前 10:15
たいていのお遍路さんは参拝してそのまま次の札所へ向かうようですが、実は私もそうでした(苦笑)。
今度は丁寧に回ってみようかな〜
ポチ!
2011/8/20(土) 午後 6:47 [ chama ]
こんばんは。
はたきり観音、とても日本の仏像とは思えないスタイルのいい姿ですね。法衣の襞もとても美しいです。
夜泣き地蔵というのも面白いですね。函館山の山腹には夜泣き石と呼ばれている石があります。
ポチ☆
2011/8/20(土) 午後 6:48 [ バタフライ ]
室戸の海素晴らしい写真ですね〜、傑作を、
寺それぞれに思い出深いものがあります、名前を見ると思い出します
と手も懐かしい思いで見せていただきました有難うございます、
2011/8/20(土) 午後 8:08
♪こんばんは。
四国遍路・・・八十八箇所の仏様と会えるのが魅力ポチ!ですね。
特に はたきり観音・・・
観音様にはほっとするような・・・。
京都の神社仏閣めぐりでは やはり 活き観音様です?。
下鴨神社の 活き観音様をトラバさせてもらいます。
2011/8/20(土) 午後 9:38 [ EGACITE ]
無縛さん
ビンドゥーラ像は四国だけでなくあちこちで見かけました。
私は毎回いろいろな由緒あるものを見ているわけでなく、時間と相談しながらといったところでしょうか。
2011/8/21(日) 午前 7:14 [ moriizumi arao ]
chamaさん
たまに気が向いたとき、礼拝だけでなくめぐってみることもよいかもしれませんね。
ポチありがとうございます。
2011/8/21(日) 午前 7:21 [ moriizumi arao ]
バタフライさん
そういえば静岡県にも夜泣き意志があったように思いますね。
はたきり観音は私 のお気に入りで、訪れるたびに拝みます。(笑)
ポチありがとうございます。
2011/8/21(日) 午前 7:26 [ moriizumi arao ]
ムサシさん
同じ思いに浸れるなんてこうえいですね〜
ありがとうございました。
2011/8/21(日) 午前 7:33 [ moriizumi arao ]
EGACITEさん
生き仏様にはときめきがあっていいですよね。
はたきり観音はお気に入りです。
ポチとTBありがとうございます。
2011/8/21(日) 午前 7:37 [ moriizumi arao ]
四国霊場も以前飛び飛びに何カ寺か回りましたが、今、こうしてお寺の名前、写真などみても、さっぱり忘れてしまいました。名前だけは、どこか記憶の端にあるようですが・・。
2011/8/22(月) 午前 9:30 [ ciaocommodore ]
ciaocommodoreさん
コメントありがとうございました。
私は、何度まわっても、数年行かないと忘れてしまいます。(笑)
2011/8/22(月) 午前 10:42 [ moriizumi arao ]
何か似たようなお寺と大師堂があって、色々な仏様が祀られているので、混乱するのかも知れません。・・幾つか記録に鮮明に残っているお寺もあるのですが、まだ出てきていないようです。
2011/8/22(月) 午前 11:11 [ ciaocommodore ]
ciaocommodoreさん
文章に書いたり調べたりしているので、それでも記憶が多少は持続しているようです。
2011/8/22(月) 午後 3:06 [ moriizumi arao ]