東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

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西安で心惹かれる3人の人物
 
長安に縁の深い人物の中で、心惹かれる人を三人上げろといわれれば、迷わずに、
玄奘三蔵、阿倍仲麻呂、空海を挙げるでしょう。
今回の西安訪問では、この三人に心を置いて巡ります。
まず玄奘三蔵と、彼がインドから持ち帰った経典の保管場所であり、
翻訳にエネルギーを注いだ大雁塔についてです。


玄奘三蔵と大雁塔1
 
 わたしが久々に見たかったのは朝陽に輝く大雁塔である。
 平山郁夫画伯さんの作品の中にも朝日に照らされた絵がある。
 大雁塔はわたしが宿泊している唐華賓館から500mほどしか離れていないので、すぐに見える。なにせ、63mの高さである。
 朝起きてさっそく行動開始だ。
 私は今回の旅では、素泊まりを原則としていた。
 その方が行動が自由だし、それ以上のメリットは街中の屋台や食堂で食べれば安いことだ。食事代がホテルの10分の1以下である。
 
 大雁塔の朝日
 
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                大雁唐の朝日
                       
 
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平山郁夫画伯作 「明けゆく長安大雁塔」
 
 早朝から待ち構えていた甲斐があって平山画伯の絵と同じようなイメージの写真を撮ることができた。
 
  すっかり変わった大雁塔周辺
 
 2005年に来た時、1989年とあまりにも変わったことに驚いたが、
 3年しか経っていないのにまた大きくく変わったのには驚いた。
 西洋式の公園化がさらに進んでいる。
 大雁塔の周辺に噴水や西洋花壇は、わたしの目にはなじまない。
 日本人ならそう思う人が多いのではないだろうか。
 
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 太極拳の老人
 玄奘三蔵像の近くで太極拳をしている老人がいる。
 2005年に来たときに大雁塔の前にはすでに玄奘三蔵が立てられていたのでわかっていたが、老人に
 「あれは玄奘三蔵ですか?」と、わざわざ訊いてみた。
 ――地元の人と仲良くするにはこちらから積極的に話しかけるに限る。
   ものをたずねると相手の自尊心が満足されてよけい親切にしてくれる。
   このことは私の旅のひとつの知恵にもなっている。
 「あなたはよく知っているね」と感心したように言う。
 私は心の中では、大雁塔と言えば玄奘三蔵なのだから当然じゃないか、と心では思った。
 
 この老人の態度にはどこか凛とした雰囲気が感じられた。
 私の中国語が堪能だと思って、いろいろと説明してくれたが、よく聞き取れないところもある。
 
 老人は北向きになっている玄奘像を指差して、
 「西向きに立てるべきでした。失敗でした」と、いかにも残念そうだ。
  実は何気ないこの一言に込められた彼の心情が、後で彼の身分を知った時に理解できたのだった。
 西に向かって壮大な旅へ旅立った玄奘三蔵をシンボル化するには、西向きのほうがよいと私も思っていた。
 だが、北京オリンピックを視野に入れて観光に力を入れている中国にとっては、観光客の方を向いて、正面から迎え入れるスタイルほうが実際的、いや観光的ではないかと思ったにちがいない。
 しかしそのことは口にせず、
 「太謝謝了!(たいへんありがとうございました)意見が一致しましたね」と丁重にお礼を言った。
 
 有名「西遊記」に登場する、三蔵法師のモデルは、
 ご存知のように玄奘三蔵である。
 
 命を懸けて天竺へ
 ここでどうしても、玄奘三蔵について述べておきたい。
 
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 小説っぽい文章に仕立ててみました。
 ――中国本土の西の外れ敦煌を通り過ぎ、
 西域への2つの関門、陽関と玉門関(表示画像は玉門関にて撮影)を越え、
 伊吾(現在のハミ)方面へ歩みを進めると、
 そこは莫賀延磧(ばくがえんせき)と呼ばれる広大な砂漠が広がっている。
 莫賀延磧は八百余里(ここでいう一里は約4キロ)、
 優に3000キロを超える長さに渡っており、
 古くは沙河(さか)と呼ばれ、
 「空には飛ぶ鳥もなく、地上には走る獣もなく、また水草もない」
 と言われた荒涼たるところである。

 伊吾は、この時代、次第に衰退して行った鄯全(楼蘭)に代わって、
東西交流の重要なオアシスとなっていた。
 西域へと向かう旅人にとっては、伊吾こそは、西域の入口に他ならないのであった。

 時は唐の太宗の治世、629年の秋。
 一人の男が馬にまたがり、悄然とこの砂漠を進んでいた。
 辺境警備のため100里ごとに設置された5つの烽火台を越えあとは伊吾まで本当に何もない荒野が続く。
 食べ物もなければ、水もないのである。

――私は前回(2005年)の旅で、タクラマカン砂漠をラクダに乗って、
  たかだか4泊5日ではあったが、砂漠の旅を経験した。
  途中、砂漠の中で青空トイレをしているとき、
  〈もしも独りでここに放置されたら、1日ももたないだろう〉と恐ろしくなった。


 男は、それまでの旅の過酷さを表すかのように、疲労の色濃い様子であった。
 無理もない。イメージ 8
 ひそかに唐の国を抜け出し、人目につかぬように日中休み、夜間に移動するという旅を続けてきたのである。
 当時、建国間もない唐では、国外への移動を禁じられていた。
 男は当時まだ少なかった仏教の経典を求めるため、天竺(インド)へ行きたいと熱望し、
許可を求めたもののかなわない。
 やむなく国禁を破って旅に出たのである。
 ただでさえ困難な 旅の行程が、そういう理由からいっそう厳しいものになったのである。
 国禁を犯してまでたった一人で西域の道を急ぐ旅人、この男こそ、玄奘三蔵その人であった。
 
 玄奘は、天竺まで行って中国では得られない仏教の真髄を学び、さらに仏教哲学の最高峰『十七地論』を得て持ち帰り、正しい仏の教えを中国に伝えようとしていたのである。

 玄奘は大砂漠の中を苦心の末進み、パミールの難所も越えて、北インドからマガタ国のナーランダ寺院へ到着した。
 長安を出て3年後のことだった。
 その後、ナーランダ寺院での5年間の修行を経て、インド聖地巡礼の旅に出た。

 645年、玄奘は長安に帰り、太宗の盛大な歓迎を受けた。
 大慈恩寺の住持となって、持ち帰った膨大な経典の翻訳に専念した。
 大雁塔は経典の保管場所であり、翻訳に従事する場であった。
 
 夏目雅子さん登
 
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 見学の様子は次回

閉じる コメント(15)

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こんばんは。
araoさんの撮られた写真と、平山画伯の絵が重なります。素晴らしい、写真を撮られましたね。
ポチ☆

2011/12/7(水) 午後 5:26 [ バタフライ ]

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こんばんは

朝日の写真 とても綺麗ですね。
すばらしい写真をありがとうございます。 ポチです。

2011/12/7(水) 午後 6:01 [ sa07 ]

大雁唐の朝日の写真はとても幻想的です。
たしかに平山画伯の絵と感じがよく似ていますね。

2011/12/7(水) 午後 10:14 しらかば

こんばんは
観光客を出迎えるのも大変重要でしょうけど、どこに立っている銅像
もその眼差しの先に何があったのか?という意味を踏まえて方向ずけ
をした方がいいんでしょうね。
有名な塔で平山画伯の作品も法隆寺でも足立美術館でも見たので僕も
あの時の塔だ!と思いました。
入唐八家(最澄・空海・常暁・円行・円仁・恵運・円珍・宗叡)の
円仁も来られたそうですが、昔から聖地だったのですね、

2011/12/7(水) 午後 11:19 [ - ]

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♪おはようございます。
大雁唐の朝日・・・狙い通り バッチリポチ!ですね。
杜泉三蔵法師・・・シルクロードを越えてバッチリポチ!
夏目三蔵法師・・・久々登場 バッチリポチ!
なんでも 仲良くするにはこちらから積極的に話しかけるに限りますね。
紅葉求めて山科疎水を流れ東山越えの景観 をトラバさせてもらいます。

2011/12/8(木) 午前 10:48 [ EGACITE ]

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バタフライさん

平山さんの絵は何度も見て頭に入っていましたので、その場所に陣取って朝早くから待っていました。
おかげで、ばっちりでした。
(^−^)ポチありがとう!

2011/12/8(木) 午前 11:45 [ moriizumi arao ]

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sa07さん

写真で喜んでもらえると苦労の甲斐があります。
ポチありがとうございます。

2011/12/8(木) 午前 11:58 [ moriizumi arao ]

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大室さん

西に向かって壮大な旅へ旅立った玄奘三蔵をシンボル化するには、西向きのほうがよいと思っていました。
だが、北京オリンピックを視野に入れて観光に力を入れている中国にとっては、観光客の方を向いて、正面から迎え入れるスタイルほうが実際的、いや観光的ではないかと思ったのかもしれませんね。

2011/12/8(木) 午後 0:31 [ moriizumi arao ]

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EGACITEさん

大雁唐の朝日・・・狙い通り バッチリポチ!でした。早起き成功!
杜泉三蔵法師・・・タクラマカン砂漠を思い出してバッチリ!
夏目三蔵法師・・・久々登場 懐かしさバッチリ!

TBありがとうございました。

2011/12/8(木) 午後 0:35 [ moriizumi arao ]

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しらかばさん

写真を褒められるとことらもうれしくなります。
ポチありがとうございます。

2011/12/8(木) 午後 0:37 [ moriizumi arao ]

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三蔵法師の物語、とても感動的でした。今日もすすばらしい記事ありがとうございます。ポチ!

2011/12/8(木) 午後 3:15 [ chama ]

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ご無沙汰です。興味津々で記事を読ませてもらいました。歴史ロマンですね。
平山郁夫さんの絵は好きで知ってましたが、大雁塔が玄奘三蔵が経典を保管翻訳した場所とは恥ずかしながら知らなかったです・・・(^^ゞ

花壇、噴水の公園は違和感を覚えますね。続編も楽しみにしています。

2011/12/8(木) 午後 9:23 マイペース

素晴らしい大雁塔の朝日、待った甲斐がありましたね。
玄奘三蔵はこの塔から毎日こういう景色を眺めていたん
でしょうね。

ぽちっとね

2011/12/8(木) 午後 10:16 kassy1946

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chamaさん

みなさん三蔵法師には興味がおありですね。

いつもポチありがとうございます。

2011/12/9(金) 午後 0:55 [ moriizumi arao ]

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マイペースさん

ひさびさの訪問ありがとうございました。 また来てくださいね。

中国では古い遺跡に現代感覚や西洋感覚を持ち込むのでちょっとですね。

2011/12/9(金) 午後 0:58 [ moriizumi arao ]

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