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大雁塔北広場 きれいに公園整備され、大慈恩寺の朱色の建物も目に鮮やか。
西安の街からやってきた観光客はまず玄奘三蔵像に迎えられる。
老人の案内で大雁塔を見学
知り合いになった老人との縁が続く。 「実は、私は日本語が結構話せるんだよ」と言い出した時には驚いた。
この老人は、以前の仕事柄日本語が話せるのだ言ったが、具体的なことは話さなかった。
どんな仕事だろうなと興味を感じたが、詮索するのはやめた。
老人は、大雁塔には詳しいので案内してやるよと言う。
一人で回りたかったので、とっさに、
「忙しいでしょう? それに申し訳ないから…」と、言い訳じみたことを言うと、 「いやいや、見てのとおり暇だから太極拳をやっていたんだよ」 と、断れない雰囲気だ。 せっかく仲良くなったのだし…、案内を頼むことになった。
大慈恩寺山門 大雁塔は正式の名称を大慈恩寺塔といい、西暦652年に建造された7階建て高さ64mの塔である。大慈恩寺は最盛期には648のお堂があり3000人の僧がいたが、今はお堂は30になり、30人の僧がいるだけである。
入場券売り場へ行って料金を見る。
大慈恩寺すべて見学55元、大雁塔のみ15元だ。 「案内してもらうお礼に、私に払わせてください」と申し出ると、 「私は無料奉仕でたまにガイドをしているんですよ。個人で旅している日本人には時々声をかけてるんです。顔では入れるから大丈夫ですよ」と鷹揚に笑った。 「私はすべて見たいので、せっかくなので全部案内していただけますか?」と、ちゃっかりとお願いした。
塔を指差しながら、老人は中国と日本語を交えて説明を始めた。
――慈恩寺は、唐の3代皇帝高宗が母の追善のために建立しました。 寺は消失し、現在は塔だけが残っています。 玄奘三蔵がインドから持ち帰ったサンスクリット語の経典を保存するために建立 されたものです。 建立当初5層だった大雁塔は、8世紀、則天武后の頃には10層にまで積み上 げられました。 その後8層以上の階が倒壊したため、現在は7層の構造となっています。 四角七層で高さ64mです。 この塔は、中国独特の「黄土煉瓦」を積み上げたものですが、その内部構造は 柱が使われていません。 ――どうやってこの高い棟を柱なしで支えているのですか? それか謎に包まれるのです。 黄土を餅米で突き固め、外側をレンガの壁で覆った分厚い構造になっているの ですが、詳しいことはわかっていません。 その構造自体が非常に特殊な建築技術によるものだそうですので、このあたり もじっくり味わってください。 「おじいさんはさすがになかなかの博学ですね」と言うと、
「実は、私は歴史がすきでね」 「どうりで詳しいと思いましたよ」 「あなたが自転車で来たとき、色は白いし、腰のバッグを見てすぐに日本人だとわかったよ。西安にはあなたのような色の白い人はいないからね」 「私はMといいます」と名乗ると、 「私は潘(パン)といいます」 と言って、ノートに書いてくれた。、 「私は潘と言う人と文通をしているのです」と言うと、
「西安方面には潘という姓が結構いるのですよ」と、さらりと流した。
潘さんから聞いた話を、帰国後に一応本で調べてみたら全部正しかった。
もちろん本に書いていないことも教えてくれた。 大雄宝殿の脇を進んで行くと大雁塔の登り口があった。
大雁塔上り口 入口で切符を切ってもらって、中に入る。
最上階まで螺旋階段が続いていて、全部で248段ある。
かなりの急階段だ。
周囲の人たちは必死の表情で上っている。 階段は幅が狭く先がつかえてなかなか前に進めない。 幸い、私は四国歩き遍路で歩きなれているので、さほどの疲れはなかった。 潘さんも高齢の割にはなかなか達者だ。 さすが、毎朝欠かさない太極拳の賜物なのだろう。 最上階に登り詰め、小さな窓から西安の街並みを眺めると、何ともいえない達成感があった。
大雁塔最上階より北方・西安市街を望む
大雁塔最上階より西方シルクロード方面を望む
真下には玄奘三蔵院(右上)と東屋が見える。 玄奘三蔵も、経典の翻訳の合間にこの塔からに賑わいを見せる国際都市長安の街を眺めたのであろう。
私が北西方向のシルクロード方面を眺めていると、
潘さんは、「ここからはローマが見えますよ」と言う。 どういう意味かはわからなかったが……、 たぶん、ここからローマに想いをはせると、想像のローマがありありと浮かんでくると言いたいのであろう……そんな気がした。 潘さんの説明再開――
玄奘が漢訳した教典の数たるや、20年間で1200巻を超えたと言われています。 この玄奘のインドへの遙かなる旅をモデルにした小説が「西遊記」なのです。 ただし「西遊記」が書かれたのは後の時代、明代のことです。 大雁塔の南側入口に玄奘三蔵の偉業を讃えた唐の高宗碑文があります。 ここは牡丹の名所としても有名です。 「科挙」(昔の役人である官史の採用試験)に合格すると「進士題名」といって、
塔に登り漢詩を刻む栄誉が与えられます。 入口や壁に往事を偲ぶ新進気鋭の進士詩文も刻まれています。 塔を下りて潘さんと別れた。
ところが潘さんとは、思わぬことで縁がつながるのである。 そのあと、ひとりで大雄宝堂と2003年新たにオープンした玄奘三蔵院を見学した。
大雄宝殿
この建物は明代の再建である。
大雄宝殿
大雄宝殿 さまざまな宝石で出来ている壁 大雄宝殿 左 過去仏 中央 現在仏 右 未来仏
玄奘三蔵院
玄奘三蔵とインドとの所縁を象徴する象の石像
玄奘三蔵院には、ほぼ等身大の玄奘の旅姿のレリーフがあった。
自分も、しばらくは玄奘三蔵の歩んだ道を辿るのか…。 そう思いながら感慨深くしげしげと眺めるのだった。 このレリーフと同じ絵は、東京国立博物館で見たことがあった。 玄奘三蔵院のレリーフ
東京国立博物館の絵
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これがシルクロードなんですねー☆
2011/12/11(日) 午後 3:51 [ 谷山 稜 ]
谷山稜さん
そうです。
これから長〜い旅が始まります。
ポチありがとうございます。
2011/12/11(日) 午後 4:03 [ moriizumi arao ]
シルクロードの曲>「二胡」でしょうか?
魂を揺さぶられますね。今日>数十年振りにスイミングをして
来ました。この曲を頭に又「涅槃像」インプットして眠れそうです。
✃✃✃✃✃✃ポチ。❤❤
2011/12/11(日) 午後 6:30
三蔵法師の仏画の石像は何箇所かで見ました。
ここ岩槻区の慈恩寺に三蔵法師の遺骨があります。
偉い方なのですね。ポチ!
2011/12/11(日) 午後 10:57 [ あゆみ ]
一人旅をしていると色々な人との出会いが有り旅の良い思い出になりますね。
シルクロードは大好きで順に旅する予定ですが、この地点には未だ行ってません。詳しい報告が大変参考になりました。
2011/12/12(月) 午前 4:43
今日もすすばらしい記事ありがとうございます。ポチ!
2011/12/12(月) 午前 9:14 [ chama ]
♪こんにちは。
大雁塔北広場ずいぶん きれいに公園整備されましたね。
大慈恩寺の朱色の建物・・・ほか見所満載ポチ!ですね。
・・・皆既月食撮りましたので、
見所満載の京都・嵐山花灯路を 中華美人など 美人灯篭案内でトラバさせてもらいます。
2011/12/12(月) 午後 0:08 [ EGACITE ]
ゆきえさん
シルクロードのテーマ曲は喜多郎の曲なので多分シンセかも?
魂を揺さぶられますね―― こんなコメントはとてもうれしいですね〜
(〃^∇^)o彡☆ポチ ありがとう!
2011/12/12(月) 午後 0:24 [ moriizumi arao ]
あゆみさん
岩槻の慈恩寺もやっぱり西安の慈恩寺の流れ賀茂しれませんね。
ポチありがとうございます。
2011/12/12(月) 午後 0:26 [ moriizumi arao ]
ひろしさん
ぜひシルクロードの旅実現してくださいね。
参考になればうれしいです。
ポチありがとうございます。
2011/12/12(月) 午後 0:28 [ moriizumi arao ]
chamaさん
いつもコメントと応援ポチありがとうございます。
2011/12/12(月) 午後 0:37 [ moriizumi arao ]
玄奘三蔵のことを思うと胸が痛みます。
大変な苦労をされて尊い教えを伝授してくださいました。
日本もそれによって、過去に文化が花開きました。
2011/12/12(月) 午後 5:02 [ - ]
嵐子さん
玄奘三蔵のおかげで日本の仏教もあるような気がしますね。
感謝感謝!
2011/12/12(月) 午後 5:28 [ moriizumi arao ]