東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

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 16番観音寺まで急ぎで
 国分寺を出発したのは、午後4時10分でした。
 
 
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 1.8キロ先の16番観音寺まで向かいますが、5時の納経の時間に間に合うには急がなければなりません。
 
 「今日中に観音寺にお参りしないと、明日はすごい強行軍になるから頑張るぞ!」と、孫を激励しましが、孫の顔には高揚感は感じられません。
 12番焼山寺の遍路ころがしを大人並みに歩いたので、今日も予定通り歩いてくれると計算したのですが、ちょっと甘かったようです。
 今日はできれば17番までを予定したのですが、とても無理です。
 せめて16番まで回らないと、明日以後の数日間の宿をキャンセルしなくてはなりません。リーダーのじいちゃんとしては気がもめるところでした。
 
 とにかく急がせなければなりません。
 「お前はマラソン大会で上位に入っているんだから頑張れるさ」と、プライドをくすぐると、案の定ペースが速くなりました。
 途中で4車線の広い道を横断して、田園の道や住宅街をひたすら歩きます。
 孫もしっかりと付いて来ます。見通しがだいぶ明るくなりました。
 「偉いぞ。この調子なら20分ちょっとで着きそうだな」と声をかけてやります。すると、ますますペースが上がりました。この褒め言葉が肝心なんだと、実感したじいちゃんでした。
 
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 16番観音寺までの間にある歴史施設を孫に話
 歩きのペースが上がったところで、孫の好きな歴史の話をしてやりました。 
―― 15番国分寺から16番観音寺まで向かう徳島市国府町は、古代の徳島の中心地だったので、遺跡なんかがたくさんあるんだ。
 国分寺と観音寺の間には、徳島市の歴史施設が2か所あるんだよ。
 「阿波史跡公園」と「考古資料館」だ。
 おじいちゃんが3回目に来たときには、時間にゆとりがあったので寄ってみたんだ。 
 阿波史跡公園では、春なのにまるでの夏の始めのような涼しい風が吹いていて、そんな中で食べたお弁当は最高にうまかったな。
 阿波史跡公園には、縄文式の住居が復元されているんだ。
 
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 「考古資料館」は、縄文〜平安時代の資料約700点が展示されているんだ。
 入場は無料で、お茶なんかのサービスもあって、何人かのお遍路さんが休憩したいたよ。
 
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「今日は時間がないので寄ることはできなんだけれど、いつかまた来たときには寄るといいよ」と言うと、「見たかったな〜」と残念そうな顔をしていました。
 
 16番観音寺を打つ
  こんな話をしながら急ぎ足で歩いていくと、16番観音寺が近づきました。 
 
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 4時32分に16番観音寺に到着しました。やれやれです。
 頭を撫でようとしたら、手で遮りました。もうそんな子供じゃないぞ、と言うことでしょうか…。
           
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 門を見上げて孫は「立派な門だね」と言いました。
 ここの山門は、和様重層の堂々とした門です。
 「山門の両側を見てごらん。どこか他のお寺と違ったところはないか?」と、質問すると、ろくに考えもしないで「わかんない」と答えました。こういうところが、じいちゃんの気に食わないところなのです。
 「そんなに簡単に、わかんないなんて言うなよ! もう一回よく見ろよ」
 じいちゃんの口調がちょっと厳しくなりました。
 「あっ、わかった。石の柱がたくさん立っていることでしょう?」
 「石の柱が塀の代わりになっているんだ」
 「この柱は、お寺に寄付した人の名前と金額が書いてあるんだよ」
 「ここには大正時代のものがあるだろう。ちょうどひいおじいちゃんが生まれたころだよ。こっちは平成14年というのもあるよ。お前が生まれた年だ」
 などと言いながら、信者の根強い信仰に支えられて来たことを語って聞かせました。
 
 観音寺は狭い道路を挟んで商店街に面したこじんまりとした親しみやすいお寺です。古い街並みに溶け込んでいる感じです。以前来たときには、地元の人も何人かお参りしていたり、子供たちが遊んでいました。 
 
 さて、礼拝です。巡拝者は、時間が時間だけに、私と孫だけでした。
 本堂はすっかりと新しくなっていました。
 
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   新しくなった観音寺の本堂
 
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                      大師堂
 
   5時の納経に間に合わせるように、少し急いで礼拝を済ませました。
 
 夜泣き地蔵と仏足跡と炎に包まれた女人の絵
 夜泣き地蔵
 納経が終わってから、大師堂のそばにある「夜泣き地蔵」に手を合わせました。
 「お前は赤ちゃんの時にずいぶん夜泣きしたんだってな〜。だから今でも自分を主張するときに泣くんだろうな」と、ちょっとからかいました(´∀`) 。
 「もう子供じゃないんだから、正々堂々と自己主張しなくちゃな」と、わたしに言われた孫は苦笑いを浮かべました。
 
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                       大師堂の脇にある「夜泣き地蔵」
 
 仏足跡イメージ 3
 本堂で2つ見せたいものがあると言って、もう一度本堂に連れて行きました。
 本堂前には、真新しい仏足跡があります。「これはお釈迦さまの左足の跡で『仏足跡』というんだよ。2番極楽寺にはもっと大きなのがあっただろう」
 「普通は『仏足』って言うんだけれど、ここのは『仏足』と書いてあるね
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 炎に包まれた女人の絵
イメージ 4本堂に向かって、「右上に絵が見えるだろう。薄暗くてはっきり見えないが、あれは炎に包まれた女の人を描いた絵なんだよ」
「この絵にはちょっと怖い話があるんだ」と言って、エピソードを話してやりました。
―― その昔、淡路島から訪れた6人連れがこの寺で雨宿りをし、雨に濡れた白衣を焚き火で乾かしていた。ところが、一人の女性の白衣に火が燃え移って大やけどを負った。  実はこの女性は姑との仲が悪く、姑を柱に縛り付けて、燃えた薪で叩いて虐めていたという。しかし、この日のやけどを弘法大師の戒めだと悟り、深く反省をして、の絵を奉納したといわれている。
 
「この話を聞いてお前はどう思った」と訊くわたしに、
「別に何も思わないよ」と孫は答えました。これには、腹が立ちました。
「ふざけんじゃないよ! お前はそんなにバカじゃないだろう!!」と、向きになって怒鳴るじいちゃんを見て、孫の様子が変わりました。
「悪いことをすると、必ずいつかは罰が当たるということでしょう。僕はそのことは前からわかっていたんだよ」
「なぜ始めからそう答えないんだ。おじいちゃんに反抗したな。まあわかっているんだな。このことはいつも忘れるなよ」と、孫に愛情を注ぐあまり、またまた生真面目ぶりを発揮していました。
現実社会では、因果応報とは矛盾したことがまかり通っていることも少なくないのは残念ですが、必ず何らかの形で報いを受けると思っています。
 
こうして、孫と旅しているといろいろなことを考えさせられます。
と言うより、孫を通じて考えさせられることがいっぱいあります。
ぜひ、じいちゃんと孫の遍路をやってみてはいかがでしょうか。
二人で失敗しながら、試行錯誤しながらの遍路旅はすばらしいものになるでしょう。
 私のように何度か経験した者でないからこそ、お孫さんと濃密な人間関係が築ける『じじ孫遍路』が楽しめるのではないでしょうか。
 ぜひお勧めします。
 
これで、4日目の遍路は終了です。
予定通りいかなかったが、孫は今日もよくがんばったな〜と、心の中では強く感じていました。
安堵と充実感で、今日の宿「うろこ楼」へ向かいます。

閉じる コメント(22)

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今日はいつも特に嬉しいコメントありがとうございます。思いのままにお孫さんは動きませんね!それが自我ですからいいもです、成長している証拠ですね!応援の☆ポチですよ!

2012/5/26(土) 午後 3:44 [ 清水太郎の部屋 ]

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杜泉さんと諒くん、こんばんは。
観音寺までようやく辿り着きましたね。
諒くんもおじいちゃんの説明で色んな
事を勉強しているのですね。ポチです。

2012/5/26(土) 午後 7:23 [ らくがき楽ちん ]

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asayanさん

失礼しました。張り替えてみました。

2012/5/27(日) 午前 0:08 [ moriizumi arao ]

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reikun11さん

孫との対応ではこちらも勉強させられますね。

叱ったりおだてたり、なかなか大変ですが、終わってみれば面白いですね。

2012/5/27(日) 午前 0:11 [ moriizumi arao ]

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こんばんは。

街の中に溶け込んだ新しい本堂、夜泣き地蔵もしっかり覚えています!

諒君は全て分っているのです!
ちょっとお爺ちゃんを困らせたかっただけ・・・>。<

二人のやり取りが目に見えるようです(^0^)/
ポチ☆!

2012/5/27(日) 午前 0:18 fum*kom*n*er

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おはようございます、

いつもいつも、お寺を撮って見せてくれて有難うございます。
行っても隅から隅(観光で行くように)を見ませんから、
助かります。
諒君も日にちが経つに連れて、しっかりしてきましたね。

2012/5/27(日) 午前 8:07 asayan

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こんばんわ。

ふふふ。
じいちゃんと孫のやり取り、楽しいですね。
ちょっと大人ぶりたい?そういうお年頃なんでしょうねぇ^^

でも、急ぐべきところで音を上げずに頑張り、
無事に到着したのはさすがです!

もし全国で「孫とお遍路したい」と思っている方がいらしたら
こちらのお遍路日記、すごくオススメしたいです^^

2012/5/27(日) 午後 7:38 [ jun ]

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asayanさん、昨春、当方の撮った画像も、新しい本堂でしたよ。

2012/5/28(月) 午前 9:45 cs926307

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清水太郎の部屋さん

そうですね。あまり自分がないのもかえって男の子としては心配かもしれませんね。

いつも応援のポチありがとうございます。(^-^)

2012/5/28(月) 午前 10:26 [ moriizumi arao ]

こんにちは。
現実の世の中では必ずしも“因果応報”は成り立ってはいないように見えますし、
(人の根元的恐れ=老・病・死を弄んでいる厚生官僚がのさばりつづけているのが典型で…)
その矛盾をお孫さんも感じ取っているが故の発言だったのでは?と感じました…。

2012/5/28(月) 午前 11:27 [ Billio ]

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らくがき楽ちんさん

孫には熱心過ぎるじいちゃんがたまにはうっとうしいかもしれませんね。
応援のポチありがとうございます。(^−^)

2012/5/28(月) 午前 11:46 [ moriizumi arao ]

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わくわくさん

そうかもしれませんね。
でもついついむきになってしまうのは、私もまだまだ気持ちが若いということでしょうかね〜\(^o^)/

(〃^∇^)o彡☆ポチありがとうございます。

2012/5/28(月) 午後 0:10 [ moriizumi arao ]

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asayanさん

先達さんのお役目ですから、確かにその通りだと思いますね。
ご苦労様です。
お役にたてればうれしいです。

2012/5/28(月) 午後 0:13 [ moriizumi arao ]

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誉められると人間〜パワー倍増しちゃいますよね♪

素敵なおじいちゃまに・ポチ☆

2012/5/28(月) 午後 2:36 幼児小学生絵画教室 三原色の会

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junさん

コメントありがとうございました。

じいちゃんと孫の遍路がとても良いものだと、この記事を見て多くの人々に感じていただいて、実践していただくと嬉しいですね。

2012/5/28(月) 午後 3:38 [ moriizumi arao ]

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cs926307 さん

最近、あちこちの札所が新しくなっていますね。

2012/5/28(月) 午後 8:21 [ moriizumi arao ]

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Billioさん

孫は無意識に、大人社会の矛盾を感じとっちるのかもしれませんね。

2012/5/28(月) 午後 10:12 [ moriizumi arao ]

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三原色さん

やっぱり私だってほめられるとうれしいですよね〜

褒められてうれしいじいちゃんより

(〃^∇^)o彡☆ポチありがとう!!

2012/5/28(月) 午後 10:16 [ moriizumi arao ]

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今日もとても素晴らしい記事です。☆☆☆ポチ!

2012/5/29(火) 午前 9:47 [ chama ]

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chamaさん

今日も応援のポチありがとうございます。(^-^)

2012/5/29(火) 午後 9:10 [ moriizumi arao ]


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