東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

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           黄昏時の交河故城はいにしへの想いを誘い出してくれる。

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交河故城を歩く(改訂)

要害の地、交河故城

交河故城博物館
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            まるで巨大な航空母艦を思わせるような交河故城
                        航空写真(博物館のパネル)
   
 断崖の台地に作られた自然の要塞都市であることがよくわかる。これならば容易に敵に攻められないであろう。
 交河故城は断崖の台地に計画的に配置建設された都市であって、北区(手前左側)は寺院区、中央部(中央右側)は寺院と官庁街と邸宅群、そして南区(中央左側)が一般住宅地区に分かれている。また、最北部には墓葬が存在している。 

 交河故城はいろいろな民族の支配を受けているので、様々な時代・民族の遺構が残っている。歴史好きの私には、見ごたえがありそうだ。

入場
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   交河故城入口    南側にスロープのある道があり、そこから入城。
 昔も両側の河の交わるこのあたりから人々は行き来したのだろう。前方には修復中の遺跡が見える。近年盛んに修復が進んでいる。復元が完成した建造物も見られるだろう。楽しみな反面いじくらないでほしいという気持も働く。

 
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                    中心大道と日干しレンガの建物 

 中央部に向かって中心大道を歩いていくと、道の両側には崩れかかった日干し煉瓦の建物が続いている。

仏塔
 まず、大きな仏塔が見えてくる。中央は高さ10メートルほどの巨大なもので、その基壇の四隅には、高さ4メートルほどの小建築物がある。交河故城には200もの仏塔があった。

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               仏塔とそれを取り巻く建物
 

 日干し煉瓦積みの仏塔は、天山を背景にそびえたって見えたが、やはり年月を経た風化は免れがたい。各塔の頭部は特に風化、磨耗が烈しいようにだ。

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             頭部が崩れている仏塔

中央大寺院

 仏塔の南側に寺院がある。ここは修復が進んでいる。
 高さ5メートルほどの塀に囲まれているが、その黄土の塀の内側の部分は赤くなっている。おそらく大火のために、黄土が赤く招請してしまったたまま放置されたのだろうと推定されている。

 交河故城中最も大きな遺構は中央寺院である。高さ5メートルの塀に区切られた院内は、南北80メートル、東西40メートルの広さで、いる愚痴を入ると広場がありその正面に3段の階段で上る基壇があって、その上に高さ7メートルほどの仏塔がある。

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                         中央大寺院正面

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                           寺院内部

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                     中央大寺院内にある仏塔



 この寺院の仏龕にもまったく仏像は残っていない。ヨーロッパの探検家によって持ち去られている。

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                仏像が持ち去られてからになっている仏龕 

僧院
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            玄奘も宿泊したといわれる僧院
  
 塀に沿って院内の四周に僧院がある。高昌故城を出た玄奘の一行はここにも1泊たであろうと推定されていが、屋根も崩落したこの土壁の部屋の一つで、27歳の玄奘はどのような眠りに付いたのであろうか。高昌国王から与えられた莫大な路銀とみやげものの絹、そして紹介状を持った玄奘を、交河の中央寺院の僧侶たちは手厚くもてなしたに違いない。かまどを中心に、忙しく忙しく出入りする料理人の声や皿を並べる音まで聞こえてくるようだ。


中央の官庁街

 大寺院を出て南方向を見ると、無数の建物跡や道が見える。ここ中央部は官庁があった場所である。ところどころに官庁らしき大きな建物が見える。ここは役人たちの住居もあった。3メートル、長さ350メートルの道が中央を貫いている。ここが交河城のメインストリートだ。ここでは商売も行われていて、貴人や麗しい女性たちがも行き来していたことであろう。

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南区 一般庶民の住宅


 南区へ行くと、中央部以北よりも一段低くなってた。 これは偶然ではない。南区の街は、日干しレンガを組み上げた寺院などとちがって、黄土の台地を掘り込んで造られているのだ。(模型の左側手前の低くなっている部分)

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 街並み屋家々の残る地層の鮮やかな縞模様がそれを証明している。人々は、いわば台地に都市を彫刻したのであった。
 
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               家屋や家並みには縞模様の地層が見える。

  南区は一般庶民の住宅であった。高い塀で仕切られた幅3〜5メートルの路地が縦横に走っている。

 家々の跡や路地の一つ一つが、今でも個性的な面影を残している。
 路地から家とに入ってみると、小さな張りの凹み、煙突、かまどがある。そして、井戸があちこちの大地に大きな口をあけている。のぞけば、水はない。そういえば、交河故城には、水の匂いは今はまったくない。交河の水は高さ3呉メートルの崖の下しか流れていない。往時、井戸は一帯どれくらいの深さまで掘られたのだろうか。それでもこのでおかみさんたちが井戸端会議をしたのだろう。そんな生活の息吹が感じられる。

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牢屋跡
 そうした南区の中央に一段深く7、8メートル掘り込まれた広場があった。監獄跡だろうという。下に降り、門口と思われ所から入ると、10メートルほどの「トンネル」を通って広場に出る。ここには、小作料を払えなかったり、賦役や兵役を逃れようとしたり、「過所」を持たずに旅した人たちが閉じ込められたのだろうか――さえぎるもの一つない陽光が容赦なくそそぎ、暑熱はたまって動かず、往時の人々の怨嗟の声が聞こえてくるようだ。

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                        牢屋へ続くトンネル

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牢屋 地下牢で周りの壁が切り立っているので逃げ出すことはできない。


緑あふれる崖下の畑

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 崖の下を流れる河の方を見下ろすと、緑あふれる畑が一面に広がっている。畑仕事をする地元の人々の動きが見える。昔はこの畑が貴重な食糧供給源だった。いにしえの人々ももここで畑を耕し、収穫の喜びを味わっていたのだろう。
 緑陰で焚き火をしながら羊肉を焼く人たちの楽しそうな声が聞こえてきた。栄華の都を追憶していた非現実の世界から、いっぺんに現実の生活に引き戻されてしまった。
 さっそく入り口付近の売店へ直行。

売店で休憩
 焼肉の匂いでビールが触発されたが、残念ながら売店にはビールは無い。それにまだ早い。
 みんなは盛んにスイカにかぶりついている。私もさっそく行動開始。暑さの中土埃にまみれながら歩いたのでとにかくのどが乾いている。しゃにむにかじりついた。
人心地付いたところでもう一度写真スポットを探しながら、夕暮れを待った。

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落日の交河故城
 私は、この往時のいぶきあふれた広大な故城の見学と撮影にほぼ一日を費やした。午後8時過ぎには落日を迎えた。
 かつて西のインドに向かう若き玄奘も見たであろう――巨大な仏塔のかなた、ほとんど一点の雲も無い。大地のはてに、日輪を描くがごとくに沈む落日は、まことに神々しく思わず両手を合わせていた。

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 やがて落日の瞬間に見せた交河故城は、不気味さを超越したこの世のものとは思えないものであった。まさに息を呑むような光景であった。

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