東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

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 スタインの発掘について調べているうちに、だんだん深く知りたくなってしまい、数冊の本を読みました。
 
 ダンダン・ウィリクで発見された絵画の中には、一人の仏と、2人の女性が登場する。
 もっとも有名になったのが、「西域のマドンナ」と称される如来仏画像である。
 これに加えて、コータン(ホータン)に伝わる有名な伝説 − 蚕種移入伝説の「蚕姫」と龍女伝説に登場する「竜女」である。これらの伝説はは、玄奘の著書『大唐西域記』にも記されているほど、よく知られた伝説である。

 
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                       西域のモナリザと称される如来仏画像(壁画) 

 
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                       于闐に蚕をもたらしたという蚕姫(板絵)

 
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                         壁画に描かれた「竜女の像」


西域のモナリザ

 スタインが仏教寺院と思われる建物の壁には仏陀や菩薩の姿を描いたフレスコの壁画が描かれていた。
 それから約100年後の2002年に再発掘の際に発見されて、世界的に話題を呼んだのがこの壁画である。
 
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 「西域のモナリザ」と称されるこの如来は、微笑をたたえたふくよかな仏の壁画だ。
 これが原色のまま見つかったとのことだ。
 于闐国に花開いた絢爛たる仏教美術の片りんを見るようだ。
 
 この壁画は、7世紀前後と推定されており、
 玄奘三蔵がインドからの帰りに于闐に立ち寄ったのは7世紀前半なので、
 この壁画を見ていたかどうかは不明である。
 もし見たならば、現代人のように「美しい仏様だな〜」と見とれたかもしれませんね〜 。
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     玄奘三蔵                  夏目雅子さんの三蔵法師(映画西遊記) 
                            現代の玄奘三蔵にも見とれますね。
 

ホータンへ蚕をもたらした姫君

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蚕種移入伝説の板絵               クリック拡大できます。

 蚕種移入伝説とは、于闐国王に嫁した中国の君主の娘が、国外への持出しを禁じられていた桑と蚕の種を冠の綿のなかに隠して于闐にもたらしたという伝説である。
 
 上の彩色板絵を発見したスタインは、頭飾をつけた中央の貴婦人がその王女であり、向かって左側の侍女が左手を上げて貴婦人の頭飾を指し示していることが、ホータンの蚕種移入伝説を物語っていると解した。
 また、侍女と貴婦人との間にある籠には蚕の繭が盛られており、板絵右側には別の侍女とともに絹を織る織機がある。
 ホータンで養蚕が始まった経緯については諸説あるが、シルクロードの都市ホータンは、絹を運ぶだけではなく、絹を作り出す町でもあったのだ。

 
?H3>龍女伝説  コータンの東の河に住んでいた龍女が、自分の夫となる人物を選ぶように王に求め、それに応えた大臣が白馬に乗って婿入りしたという伝説である。
 
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 第二寺址の内陣壁画は、蓮を浮かべた方形の池で沐浴している一人の女性の手前に馬が描かれており、この伝説との関連が考えられる絵画である。
 スタインはこの壁画を保存するために、これを切り取って自国に送りたいと考えたが、壁画の漆喰がもろかったために断念した。


聖鼠伝説

  聖鼠伝説とは、かつてコータンが匈奴に襲撃されたとき、ネズミが都市を救ってくれたという伝説である。
 上の板絵には、頭部がネズミで王冠を戴いた一人物が、二人の侍者にはさまれて坐っている。
 これは、ネズミを神格化してあらわしたものと考えられる。
 
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                          クリックすると拡大できます。

ダンダンウィリクについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
[参考文献]
玄奘著、水谷真成訳注『大唐西域記』、平凡社、1971年。
『西域美術:大英博物館スタイン・コレクション 第3巻 染織・彫塑・壁画』、講談社、1984年。
大和文華館編集『シルクロードの絵画:中国西域の古代絵画』、大和文華館、1988年。
オーレル・スタイン著、松田寿男訳『コータンの廃墟』、中央公論新社、2002年。

ホータン美人2 民族舞踊
 
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[西域南道をゆく] 前回までの記事

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268 ミーラン遺跡2 ミーラン故城の手荒な歓迎         269 ミーラン遺跡3 故城を巡る         
270 ミーラン遺跡4 吐蕃の城砦と古寺のヘレニズム文化       271 チャルクリク 
272 チャルクリクの小学校とウイグルのこどもたち        273 一路チェルチェンへ        
274 チェルチェン 〜ポプラ並木の郷愁〜            275 チェルチェン 〜バザールとチェス〜    
276 チェルチェン故城とザーグンルーク古墳           277.楼蘭からホータンへ7       
278 石油開発で発展するミンフォン      
279 玄奘三蔵が見たホータン は仏教国…、今のホータンは? ホータン1  
280マリカウト故城と玉売りの子供たち 〜ホータン2      281白玉河と「玉」の商人  ホータン3      
282 ホータンの日曜バザールと絨毯工場  ホータン4     283ホータンとカシュガル1日千キロの大往復 
284ポプラ並木とロバ車、郷愁を感じさせるオアシスの水田  カシュガルから再びホータンへ1 
285刃物の街インギサル  カシュガルから再びホータンへ2   286ヤルカンド  カシュガルから再びホータンへ3287ホータン周辺の仏教遺跡を訪ねて       288ホータンに蚕と桑を伝えた王女の物語   
289水豊かなヨートカン遺跡の村         290ヨートカン遺跡 〜幻想の世界への入口ようなポプラ並木   
291ラワク遺跡        292 玄奘三蔵に思いを馳せたスタイン  〜ダンダンウィリク1


   

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