この前、東日本大震災からの復興状況を監視し、意見する政府の「復興推進委員会」が、2012年度の報告を公表しました。
津波浸水域の回復を急ぐだけでなく、被災地の将来を見据えた地域産業の振興を進めるよう提言しています。バイオマス発電の推進などを例示しています。
これは、まあ良しとしても、
大事な点が欠落してるように感じます。
被災地の被災者の、時間の経過と共に顕在化してる目に見えない問題です。
「復興推進委員会」とは、
復興庁に置かれた有識者会議である(復興庁設置法15条、16条)。国の行う東日本大震災からの復興事業について調査・審議し、政府に対して提言を行うことを任務とするものです。
しかし、本当に、この任務を全うにこれまで果たしてきたでしょうか・・?
僕は、疑問に思っています。
この委員会は委員長と14人以内の委員で構成されています。委員長及び委員は、関係地方公共団体の長および「優れた識見を有する者」のうちから、内閣総理大臣が任命するとなっています。(設置法16条)
今の「復興推進委員会」は、野田政権が人選した委員長や委員のメンバーです。被災自治体の知事などが入ってるのは良しとして、「優れた識見を有する者」という点では、疑問に思う点があります。
被災地には、民間のNPOなど多くのボランティアが、草の根的に活動していて、彼らは、被災者の想いや、目に見えない問題を熟知しています。
このような、団体の情報や意見はとても、貴重です。被災者の気持ちを、ニーズをシッカリ捕れえて活動してるのですから。
「現地を熟知してる優れた識見を有する者」だとおもうからです。
同委員会が上から全体を鳥瞰すりのもいいですが・・・・。
復興を待ってるのは、そこに住んで辛い生活してる被災者なのです。
住宅やなりわいなど不安や悩みを抱えてる人なのです。
さて、現地では時間の経過と共に色々な、ハード面ではない、目に見えない問題がドンドンでてきています。
お偉い方々で、「優れた識見を有する者」なのかも知れません。でも、殆んど、現地に来ない学者や大学教授などが名を連ねていることに疑問を感じてしまいます。
これで、被災地復興の、真の「血の通った」、「心のこもった」、対策や復興ができるのか・・?甚だ疑問に感じているのは、僕だけではないと想います。
同委員会が復興事業について調査・審議し、政府に対して提言を行うことを任務とするのなら、NPOなど多くのボランティアが、草の根的に活動している人選も必要だと強く感じます。
あまりにも、現状から乖離した提言であっては絶対にうまく行くはずもないとおもうからです。
被災からの復旧と復興は被災地にとどまらず、日本そのものの復興と同義であることは、安倍晋三首相はじめ発災以後の歴代首相も折に触れ口にしています。その思いに偽りはないにせよ・・・・。
現状は、被災地と国とが共有しているとはとても、言い難いのが実感なのです。
2011.3.11の発災から間もなく2年です。
僕から言わせれば、「政治が政局に力を注ぎ、被災地復興はまるで進まなかった、空白の時間」だったように感じます。恐らく、ほとんどの被災者はそう感じてるはずです。
なので、復興庁の「頭脳」として、俯瞰(ふかん)=被災地全体を高い所から見下ろし、目に見えない問題点を洗い出して、政府に物申す同推進委の役割は一層重いと思うのです。
大事なのは、俯瞰の前に、徹底して被災者の悩み、今の思い、などつぶさに耳を傾けてそれを集めてからやるべきです。
これは、何度も当ブログでも記事にしてきました。
高いところから、被災地を見ても、それは机上の空論となって、裏切られてきた事実があるという想いは、どうしても、拭えないからです。
民主から自民へ政権が代わり、政府は推進委を大幅に刷新する方針のようです。
菅義偉官房長官は「前政権時のメンバーを見直したい」と語っています。
ならば、人選の視点を変えて、是非とも、現場を熟知してる現場主義にすべきだと強く望みます。
さて、復興の遅れは一義的に政治の混乱に起因するのは明白です。
その都合はどうあれ、人選に当たっては、被災地の現場の視点から岩手や東北、そして日本の未来を語り合える人材を集めるべきでしょう。
学者の言うのは、最もらしく聞こえます。でも、本当の被災地の目に見えない課題を本当に熟知しているようにはとてもみえないのです。
津波で居住地域そのものが流失した東日本大震災は、その被災範囲も広く、原発事故の放射能の拡散もあり、元の場所に同じような町並みを再生するのが不可能な点で、阪神大震災とは深刻さの度合いを異にするものです。
推進委の報告が「積極的・創造的復興を推進するのは歴史的な出来事」と記すのは、裏返せば復興には相応の時間が必要という認識があるからなのでしょう。
しかし、被災地の個々の生活は待ったなしであるのです。
既に元の場所での生活再建に見切りをつけ、地元を離れようとする人の流れが顕在化し、復興の遅れと比例してドンドン増えているのが現実なのです。
理想と現実のギャップに揺れ動く被災住民の心を励ますのは、突き詰めれば「確実な将来展望」にほかならないのです。
報告は、「今後の課題と提案」として6項目を示していますが・・。
全体を通じて肝に銘ずべきは、その最初にある被災地相互、あるいは被災地と支援する側との「情報共有とつながりの強化」に尽きると思います。
例えば、岩手・宮城県で要望が強かった被災農地の買い取り規制緩和は、ようやく、やっと関連規則が改正されましたが、法律や制度をめぐる「平時のままの対応」が復旧や復興を妨げている事例は、いろいろな分野でたくさんあるのです。
漁業も同様です。平時の時の対応では、漁師廃業せざるえない現実があります。
そうした課題や問題を丁寧にすくい上げ、政府に改善を促すのが推進委の使命であり、それを、実行するのは政治の責任です。
「被災地の復興」とひとくくりにしてる感じがしますが、3.11前から、各地の歴史や文化、習俗、風土は多種多様なのです。
なので、当然その復興方針や手法、道筋も県や市町村、あるいは地域ごとに違いがあって当然なのです。
そこにこそ、草の根で活動してる、民間ボランティアの意義は大きいのです。
本格復興に取り組む前段で、あらためて日本の中の東北、東北の中の岩手・宮城、福島の姿を具体的に描き、共有する必要があると強く感じるのです。
※当然、これは被災の程度や自治体の大きさなどで、格差があり、ここで、記事にしてるのは、あくまで被災地全体であることをご理解ください。僕は、ずっとこのスタンスで記事を書いています。