イランには古来から美人が多いといわれています。
今日は、「みちのく巡礼」からちょっと気分を変えて、その美人のお話をしてみましょう。
麗しきイラン女性1
〜チャドルの下に見え隠れする女性のお洒落ごころ〜
厳格なイメージのチャドル
イラン女性といえば、厳格なイスラムのイメージを思い浮かべる人も多いでしょう。その象徴となるものの一つが全身を覆い隠す黒い大きな布、チャドルの存在です。
革命前は中東一おしゃれだったイラン女性たち
イランではイスラム革命前には西欧的な服装が奨励され、「中東一のお洒落な人びと」と呼ばれていました。当時、ミニスカートを着用して街なかを闊歩する女性の姿を、テレビ画面で見たのを記憶していています。1975年のイスラム革命の政策転換で、180度異なるファッションを強いられることになりました。
女の子は7歳になると「へジャブ」の着用が義務付けられています。へジャブには、全身を隠す「チャドル」と、スカーフ状の「マグナエ」があります。
(左)スカー状のマグナエ (右)全身を覆うチャドル
女性たちは戒律が厳しいからといってけっしてお洒落ごころを忘れてはいませんよ。一見同じ黒のチャドルに見えても、生地の中に透かし模様や柄が美しく織り込まれていたり、光沢のあるものないものなど、生地もさまざまです。スカーフの色も割りと自由で、バザール(市場)には安値で可愛らしい柄のスカーフたくさん売られていて、少女から高齢まで各々の個性でお洒落を楽しんでいます。テヘラン中心部のヴァリーイェ通りショッピングエリアを散策すると、日本でもなかなかみられない原色の派手な下着がウインドウを埋めている。なんだかセクシー過ぎて、写真を撮るのも早々にそそくさとその座を立ち去りました。
ショーウインドウには派手な下着類が…
チャドルの下は隠れたお洒落で一杯で、最新流行の服や派手な服を着ていたりします。親しくなった女性が気を許してチラッと見せてくれました。全財産を身に着けている女性もいるそうです。たいていの女性は、外出するときには服装は守っていますが、家に入ったらその反動でかなり派手な服装を身につけています。輪のような知らない男性がいても、スカーフをはずし、Tシャツとスラックス姿になっていました。
年配の女性はどんな時にも化粧をしないとのことですが、若い世代の女性はほとんどがしています。黒いアイメイクを濃くして、目を強調する女性がけっこう多いのです。外出には派手な色を使いませんが、パーティーの時などは、濃い口紅、真っ赤なマニキュアなどで華やかな化粧をしたいました。
街で人懐っこく話しかけてくる学校帰りの少女たちも、よく見るとお化粧をしたりアクセサリーをして楽しんでいるようでした。へジャブの着用義務の反動に思えて、とても興味深いものがあります。
テヘランなどの大都会の女性たちは、工夫しておしゃれを楽しんでいます。スカーフもセンスのよい女性たちがかぶると実にさまになっています。テヘランなどの大都市部ではスカーフから前髪を出している女性が多いです。服装も規制の範囲すれすれでけっこう大胆ですよ。おしゃれな女子大生は、カラフルな短いコートに足にぴったりなズボンを履いて颯爽と歩いています。スカーフはまるでお体裁か、逆にファッションの一部として活用しているようです。女性の服装は大都会から次第に変化していくにちがいありません。
西部のウルーミーイェ湖で出会った二人の女子大生は、学生には珍しく、正式なチャドルで身を包んでいました。チャドルから顔だけ出しているのが、かえってミステリアスな美を感まし。イラン女性は、アーモンド形の大きく輝く瞳を持つことで有ですだ。アジアの美とヨーロッパの美しさを織りなした香りを醸し出しています。一見すると普通の黒いチャドルに見えたのですがが、生地の中に透かし模様や柄が美しく織り込まれ、光沢がありました。厳しい制限の中で、たとえ他人から見えなくても、お洒落を精一杯楽しもうとする秘めた乙女心を垣間見たようで、若くない私も思わずドキッとしてしまいました。
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