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玉門関の春の夕暮れ
玉門関の夕暮れがたまらなく観たくなり、
夕方を待ちかねるようにして再び訪れてみた。
おりしも関所址には三日月がのぼりはじめた。
この光景を眺めているたら、自然に王之渙の漢詩「涼州詞」が浮かんで来たのだ。 王之渙 「涼州詞」 黄河遠上白雲間 黄河遠く上がる 白雲の間
一片孤城萬仞山 一片の孤城 万仞(ばんじん)の山 羌笛何須怨楊柳 羌笛(きょうてき)何ぞ須(もち)いん 楊柳を怨むを 春光不度玉門關 春光度(わた)らず 玉門関 (拙訳)
黄河のはるか上流までさかのぼっり、白雲のわきあがるあたり この高い山々に囲まれたところに小さな砦が築かれている。 異民族の吹く羌笛で、別れの曲「折楊柳」を吹く必要はない。 春の光さえもこの辺境の玉門関まだはやってこないのだから、 柳も芽吹くはずはないのだ。
(出典) シルクロード 漢詩の旅2 吉崎十衛 (明治書院)2007
夕陽は物思いにふける暇を与えてはくれない。
風景は刻一刻と変化してゆく。
それに合わせて忙しくシャッターを切り続ける。
この姿は、落日間際の弱い深紅の光を、
まるで吸い取るかのように、
いやむさぼり取ろうしているようにさえ見えた。
命の炎を燃やし尽くす最後の一瞬の輝きにも似ていた。
だが、その姿はまもなく、深い真っ黒の闇の中に消えていった。 その静寂の中にただ一人 わたしだけがぽつんと遺された。
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