東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

12西域南道

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262 小河墓(しょうがぼ)遺跡    杜泉新生シルクロード2万キロをゆく262←クリックしてください。
  
 [本 日 の 記 事] 
 

ミーラン故城   

ルート変更
 小河墓遺跡で一泊のあとミーラン遺跡へ向かう。
 一日の走行距離としては、約160キロという距離は、さほど長くは無い。
 しかし何分にも砂漠の道だ。
 時速10〜20キロだ。
 途中で一泊は覚悟しなければならない。
 それでもうまくいけば、途中泊せずにすむかもしれない、とリーダー-は言う。
 そうなってほしいのはやまやまだが、そうならないのが普通なのだ。
 とにかく出発。

イメージ 1  スタッフにとっても初めてのルートなのである。
 前方には車の走った跡などはまったく見えない。
 小河墓遺跡へ向かう場合は、たいてい砂漠公路かコルラから入り込むので、このようなルートを取る人は会務であろう。、
 いままでこの地を走った車は、皆無ではないかとさえ思えるくらいだ。
 高低差の大きい砂丘の尾根の縦走だ。
 ますます砂が細かくなり、急な上りに差し掛かるとスリップ状態が続くようになった。
 そのたびに、猛烈な砂煙が上がって、視界がほとんど利かない状態だ。
 スリップして急斜面から転落しかねない。

 ついにリーダーの反暖が下った。
 「砂漠での運転技術と知識を充分持っている我々のスタッフでも、これ以上進むのは危険危険で不可能 です」ということで、
 西へ十数キロ進んで砂漠公路へ入ることにした。
   
 ?H5>スタインの発見  

 楼蘭といえば。「楼蘭の美女」のミイラは有名だ。
 だが、いま目指している「小河墓遺跡」は、
 そんな美しいミイラたちが、ぞくぞくと出土した遺跡である。
 
         
  (左)「尊い衣装、中央から左右に分けた黒き長い髪
  (右)身分の高い老婦人の墓。死体はよく保存され、痩せた面持ちが分かる。

 小河墓遺跡は「千の棺が眠る墓」と呼ばれ、小高い砂山に、無数の木の墓標が立っている。
 長く砂に埋もれていたのか、
 1934年に発見されて以来、ずっとその位置が分からないまま、21世紀を迎えたのだった。
 私が訪れた2007年より3年前、2004年になって再発掘されたのだ。
 
 棺に埋葬されていたミイラの保存状態は、他の楼蘭遺跡と同様、驚くほどよかったと報告されている。
 副葬品の状態、これが3千年前のものとは思えないほどよい状態だったとのことである。
 多くの女性のミイラが小麦の種を持っていたことから、
 3千年前にすでに小麦が栽培されていたと考えられ、注目された。

恐怖と孤独を感じたはてしない砂漠走行〜
 
 砂漠は走っても走っても尽きることがない――
 タクラマカン砂漠(ロブ砂漠)へ入ってから、
 これでもか、これでもかというほど砂丘が襲って来る。
 まるで波越えのようだ。
 細かい砂の上は車もいっそう走りにくい。
 上りはそろりそろりとまるで歩くようなスピードで、
 下りでも油断してスピードを出してハンドルを切ると、横滑りしてしまう。
 4時間走ってもわずか30キロくらしかしか進めない。
 
  
 
 一人で砂漠に降り立って歩いてみた。
 もしも、ここでいくばくかの水と食糧を持たされて放り出されたら……
 《間違いなく死ぬだろう》
 そう実感した時、首から背中にかけてゴチゴチに硬くなった。
 カラブラン(砂漠の暴風・砂嵐)に襲われた時以上の恐怖を感じた。
 孤独の底に突き落とされたようないたたまれない感じにさいなまれた。
 まるでどこにも陸地の見えない大海に、一人漂ってでいるようだった。
 
 
苦闘のはての小河墓遺跡到着
 3日目の午後3時ころ、砂漠の真っ只中の小さな丘の上に、
 無数の墓標が見えてきた。
 あれを見るために、そして3千年前に想いを寄せるために……
 3日もかけたのか……
 決して失望感ではない。
 だが、何か気が抜けていくのを感じた。
   

 ようやくたどり着いた小河墓。
 実際に目にする小河墓は、想像以上にうら寂しが漂ってくる。
 空には、早くも星がまばらに輝き始めていた。
 


 小麦といい胡楊の墓標といい、当時この周辺に「緑」があったことは明らかだ。
 今はわずかに残るかれた胡楊が往時の面影をかろうじて遺すのみである。
 その胡楊が、わびしさをいっそう強く感じさせるのである。
  


 墓地の砂山からほど近い場所にテントを張った。
 さすがに墓地の近くでのテントの一人寝は、少々気味悪い。
                  
 だが、疲れがここちよい眠りを提供してくれた。
 

[お 勧 め の 記 事]

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