東日本大震災 未来への祈りと伝承〜「みちのく巡礼」

みちのく巡礼は、東日本大震災の祈りの場創設と記憶・教訓の伝承、防災精神の啓発、復興に寄与する活動を行っています。

シルクロード2万キロ一人旅

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 5月の河西回廊には菜の花の黄色い絨毯が敷き詰められていた。

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  旅の20日目
 8時に宿の前で待っていると、「○○运輸公司」と書いたトラックが到着した。宿の亭主からは、運送屋の名前と運転手名は念のため伏せておいてほしいと言われた。それから、「もしも警察の検問にあったら運転手が、途中で拾った気の毒な旅行者ということにするので、あなたは警官とは直接話さないでください」と注意を受けた。

 助手席に関係者以外の人を乗せるのは比較的大目に見るが、小遣い銭稼ぎが目的でなんだかんだと言いがかりをつけて罰金を取ってインマイポケットする悪質な警官もいるので…、とのことだった。それはこれまでもずいぶん経験した。 

\¤\᡼\¸ 2 出発して間もなく鉄橋をわたり、黄河支流の荘浪河に沿って西へ向かう。
あたり一面は野菜とりんご畑が続く。日本の信州を思わせるのどかな田園風景である。
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広大な黄色のじゅうたん
 
 やがて視界がパーッと開け、そこには広大な黄色いじゅうたんが広がっている。
 その遠方には、祁連山脈が然とそびえている。これが、何日も何日も続くんだな〜
日本とは桁が違うな〜と、思わず圧倒されてしまう。
 
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運転手と語る
 絶景の中を走りながら、運転手は次第に心を開き始め、蘭州近辺の一般的な仕事の状況についていろいろと話し始めた。 
――西域の貧しい農家の子女が蘭州方面にたくさん働きに来ている。日当は1日9元(130円)くらいで、食事付きだがいたって粗末。一部屋に6〜8人で、アリのように住んでいる。
怪我しても保障されない。
旧正月に帰郷させると、そのまま職場へ帰らなくなるので、給料を渡さない。そのため、旧正月も帰郷できない。身分証明書は、ボスのもとに預けられているので、不満があっても逃げられない。
飲食店で皿などを割ったりすると、給料から差し引かれて、給料が残らないこともある。
挙句の果てにはクビにされてしまうこともある。こうなるとまるっきりただ働きだ。
12、3歳の子どもを違法に使っている場合もある。

  政府では、労働条件の改善などの雇用政策を出すが、雇用する側はそれをあまり守らない。経営者は政府の役人に上手に取り入って、不当な雇用条件や労働条件をお目こぼししてもらうように計らってもらい、従業員にはいかにに自分の利益になるように働かせるかを工夫している。上(政府)は政策を立てるが、下(雇用者)はそれからたくみに逃れる対策を考える。こうした状況は、「上は政策、下は対策」という言葉で表現されている。
―― とのことだった。
 
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セミバックパッカーとは?
 
 皆さんの中には、「バックパッカー(Backpacker)」という言葉をご存知の方は多いのではないでしょうか。
 その名の通り、持って行く荷物は全部リュックサック(バックパック)にいれて、旅行する人のことです。予めの予定を尊重しないで旅行を企画する人々と言えます。
 
 
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 私の場合、厳密に言えば完全なバックパッカーではないのです。
 もう青年ではないので用心のためにどうしても荷物が多くなるし、現地で購入する本や小物などがあるので、次第に荷物が増えてしまいます。そのため、荷物はトラベルケースに入れて運んでいます。ふだん使用しないものはトラベルケースに入れてあらかじめ7〜10日先まで送っておきます。そして、旅行に対応できるだけの最小限の荷物を、大き目のリュックにいれて行動しています。
 やることはバックパッカーですが、厳密にはバックパッカーではない。私は自分を「セミバックパッカー」と称しています。
 詳細は、こちらの記事をご覧ください。

 
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 話は旅のことに戻しますが、数日前から次の目的地の武威までの交通手段を考えていました。目的地の武威行きのバスはあるのですが、バスではありきたりです。今回の旅行ではまだヒッチハイクの経験はありません。もちろんしたいのですが、まだ様子が分からないので、一発チャレンジはちょっと無謀な気がして、安全策をとりました。――若い頃なら即実行だったでしょう。
 
運送屋のトラックに便乗
 そこで知恵を絞って、運送屋や商売の店に行って交渉することにしました。ちょっと自慢になりますが、こういう方法を取っているバックパッカーはいないのではないでしょうか。
 宿の亭主に頼むと、地元の運送屋に交渉してくれました。「毎日西へ行っているので、お安い御用」と、引き受けてくれました。
ただでもいいと言ってくれましたが、それじゃ悪いから、少しはお礼を取ってくれと言うと、「運転手に10元もやってくれ」とのことでした。

 では、続きは次回。

 
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さらば蘭州
 
  今日は蘭州最後の日
 黄昏時、川べりの公園で黄河を眺めていると、
 蘭州、炳霊寺の石窟、夏河のチベット寺院、桑科草原の絶景や遊牧民とのふれあいなどなど…8日間の思い出と感動が蘇って来た。
    
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思い出深い蘭州の情景 

黄河と蘭州の街
 
 蘭州は、黄河の両岸に沿って長く続いています。
 化学や鉄鋼、石油工業が発達し、 工場や高層ビルが並ぶ一大都市であり、行政・経済・文化の中心です。
 
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蘭州の街並み ←クリック 予想したよりも大都会なのには驚きました。
        蘭州は黄河に沿って東西50キロという細長い都市です。

 
   
 夕暮れの黄河 
 
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 「金城」と呼ばれたにしえの時代の佇まいをそこはかとなく感じさせてくれます。
 
http://blogs.yahoo.co.jp/sakurai4391/26212872.html←クリック
 
http://blogs.yahoo.co.jp/sakurai4391/26789511.html←クリック

 
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  羊筏子(ヤンピーファーズ)←クリック
  ヤンピーファーズは、羊の皮袋を浮き袋にした伝統的な筏子(いかだ)である。
 シルクロードの旅人たちもこのいかだで黄河を渡っていた。   
 青年は黄河の急流を巧みな櫂捌きで渡り切った。
 あっという間にわたしのいかだとすれ違っていった。
 みごとさに圧倒されながら見入っていた。
 船頭のオッサン! ピチピチに囲まれて なに想う?
 

モスクと回族の人々

 
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   中国風とイスラム風が融合したモスク←クリック

 
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       イスラム様式の近代的なモスク←クリック 


 
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  祈りの顔←クリック  お祈りに出かける前もあとも、みんなそれぞれの顔だった。祈りへの思いがそれぞれだからだろう。

 
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 回族地区の子どもたち 笑顔がとても素敵だ。
とても素敵だ。目が輝いている。←クリック

 
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 「馬踏飛燕」 ←クリック  空飛ぶ天馬を見た瞬間、均衡の取れた構成、精緻で巧妙な造り、その高い芸術性に魅了されてしまった。しばし見入った後、ふと、この馬に込めた漢の武帝の熱い思いが心に浮かんだ。まさに、「天馬きたりぬ」だったにちがいない。
 生き生きとして気品ある奔馬は、アメリカ、日本、イギリス、フランスなどで展示された時、「芸術作品の最高峰」と絶賛された。
霍去病 
 
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                  五泉山公園←クリック
天馬にまたがり勇ましく戦う漢の若き将軍霍去病――いかにも攻めかかって来るようだ。
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                      白塔山公園  
 チンギスハンに謁見しようとしてチベットから出向いてきてこの蘭州で命はてた高僧を供養するために建てられた白塔――時を経て茶色を帯びていた。

 
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              蘭州の彫刻 ←クリック 
 蘭州は彫刻の街とも呼ばれ、芸術的な彫刻や像がたくさんある。
 「黄河母親」 子どもにそそがれる母の慈愛は、人間を大きくつつみ込み、恵みを与える「母なる黄河」を象徴しているかのようだ。

 
蘭州ラーメン
 
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 蘭州ラーメン←クリック
 蘭州は拉麺の発祥地だ。牛肉麺(蘭州拉麺)の店が数千件あるという。

 
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 私も7日間の滞在中20数種類の蘭州拉麺を食べた。左は牛肉麺 右は刀削麺

 
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                          麺打ち←クリック
 練った小麦粉がみごとな手さばきで細い麺にかわっていく。
   [蘭州ラーメンの記事]
   
食いも食ったり蘭州拉麺(1)
   食いも食ったり蘭州ラーメン2  食べ歩き・撮り歩き

 

夜のバザール
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 蘭州夜市 ←クリック   
 大きな羊肉のかたまりがそこら中にぶら下がり、回族独特の白い帽子をかぶった料理人たちがシシケバブを焼く。大きな火柱があちこちであがる。すごい熱気と迫力だ。その熱気に圧倒されされ、西域へ来たんだということを改めて実感する


 
蘭州の朝
 朝早くから街中は活気にあふれている。
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 自転車で市場に物を運ぶ人、通勤・通学の人びと
 小さな屋台で朝食を売る人、
 スピーカーを鳴らしながら新聞を売る女性
 朝の街はとにかく活気に満ちている。

 

少数民族の美人たち
 
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            トンシャン族                  回 族
 
 
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皓々たる黄河  沈みゆく夕陽  想いは山の遙か…西方へ
 
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夕暮れの黄河に想う はるかなる西方への旅立ち
 
蘭州最後の夕方
晴れてはいるのにどんよりと冴えない空
その下にゆるやかに黄河は流れていた

朱い夕陽が 西に沈んでゆくところだった
黄河を染めながら
ぷるぷると震えるように落ちてゆく。
沈む陽は、どうしてまん丸でないのだろう
目玉焼きの黄身のように ひしゃげて見える

やがて夕暮れと風景が知らぬ間に溶け合い
幽玄の世界を創りあげてゆく
そしてイマジネーションの世界が生まれる

河西回廊の東端――蘭州
黄河を越えて西方へ向かう人びとは、
ここ蘭州の仏教石窟寺院で旅の無事を祈った
壁画に描かれた南の椰子に、ふと口ずさむ
「名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る……」
郊外で見た中国とアラブ混交の回教寺院、
五色の祈祷旗はためくチベット寺院。
かつてこの地を訪れた、
僧侶、絵師、商人、兵士さまざまな民族は、
どんな想いで、茫洋たるこの黄河を見たのであろうか。
 
 
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黄昏時の茫洋たる黄河
 
黄河 海に入りて流る

  白日 山に依って尽き
  黄河 海に入りて流る
  千里の目を窮めんと欲し
  更に上る一層の楼

 「夕陽が山に沿って落ち、黄河は東の海に入るまで流れ続ける。
 千里のかなたまで眺望を極めようと、もう一階段上の楼に上る

 
 雄大な黄河を前にして、風景を巨視的に歌いあげたこの詩に想いをはせた。
そして、シルクロードには長い歴史と広大な空間が凝縮されていると、改めて思うのである。
 

 
黄昏ゆく黄河  想いは西に
         
          
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         あの街のかなたに延々と続くシルクロードに想いを馳せる
 

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         あの二人も西へ旅するという…  何を求めているのだろうか
 
 
 
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タクラマカン砂漠の風紋
ひと言に 「砂漠」 とiいう言葉ではかたずけられない。
  厳しさゆえに芸術性がいっそう増すのだろう。   
 
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黄河の大水車・左公車 
  
 
旅の19日目。
いよいよ蘭州滞在も今日で終わりだ。
彫刻めぐりを終えて、黄河沿いを上流に向かって自転車を走らせると、あたりは次第にのどかな田園に変わっていく。
   
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 蘭州近郊は野菜の生産地だ。
 一抱えもある大きなキャベツ、真っ赤な実をたわわにつけたトマト、40センチもある長ナスと、鮮やかな色彩のコントラストだ。
 りんごやなしの果樹園に混じり赤茶色の実をいっぱいつけたなつめの大木もある。

 
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 1時間ほど走った黄河のほとりに巨大な灌漑用水車がゆっくりと回っていた。この水車が農地を潤している。
 
 
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 すべて木作りで、直径18メートルという大掛かりなものだ、円周には68個の木通が取り付けられている。水車が川の水流により回ると,水中では樋に水が入り,最高地点で水が流れ出るようになっている。流れ落ちた水は木製の水路に導かれ,灌漑などのために利用された。川の水流を利用した優れものの自動揚水機である。水路の高さを得るため水車はこのように巨大になった。
 
 
 福岡県にある菱野三連水車も大したものだと思っていたがその比ではない。
 
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                      菱野三連水車
 
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\¤\᡼\¸ 11 動力をまったく使わないこの水車は、自然エネルギーの活用が推進される現代のエコの時代にふさわしいものだが、その歴史は定かでない。

 あの孔子や孟子が活躍した春秋戦国時代(紀元前770〜221)だろうという人もあれば、もっと後世の五胡十六国時代とする人もいる。ただわかっているのは、当時蘭州地方を支配していた、少数民族出身の左宗道という人が使いだし、これを黄河流域のみならず、揚子江流域の湖南省一帯にまで広めたそうだ。

 
 黄河の水は中流域で広大な農地を灌漑するために使用され,その下流域では水が無くなる「断流」という現象が日常化している。ひどいときは年の半分以上も水は流れず,深刻な農業被害が出ている。
 黄河周辺の灌漑農地で大量に使用される農業用水のかなりの部分は地下水に頼っており,地下水位の低下も中国農業のアキレス腱になっている。中国では,経済発展とともに、肉食文化が急速に普及ししたが、もちろん穀物需要も急増している。食糧自給を達成するために、地下水という水の貯金を食いつぶしているのである。
 また,工場用地や道路用地のため農地が減少しており,中国が食糧の大輸入国に転じるのではと危惧されている。そのような事態が起こった場合,世界の穀物貿易は大混乱に陥ることは必至である。

 
 左公車のそばの畑で農作業をしていたおじさんと話をしたら、「蘭州市内に左公車公園というものがあるので行ってみなさい」というので帰りついでに立ち寄ってみた。
 ここの水車は、羽根のみで水をくみ上げるための木桶は付いていない。動力用の水車であった。いかにも機械的で、風情を楽しむという点ではいまひとつだったが、仕組みがよく理解できた。
 

 
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  水車用の水路

 
 水車小屋では、動力を利用した脱穀や製粉がなわれていた。
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        左公車の動力を利用した石臼
 
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