全体表示

[ リスト ]

タイトルだけ見ると、こてこてのラブストーリーかと思ってしまいそうですが、全然違います。ある小説をめぐる複雑な物語。結末がとても美しくて胸を打ちます。

ナチスに蹂躙されたポーランドを離れ、ニューヨークでひっそりと暮らすレオは80歳。だが、彼が60年前に書いた小説も人知れず海を渡って生き延び、幾多の人生を塗り替えていた。
その小説の登場人物に因んで名づけられたアルマは14歳。夢見がちな彼女は、母に宛てられた手紙を覗き、小説に登場するアルマはいまなお存在すると信じ込む。自分の名の由来を突き止め、母や弟を救うための冒険は、彼女をどこに導くのか…(ブックカバーより)

小説「愛の歴史」の作者レオポルド・グルスキの物語、少女アルマの物語、そしてアルマの父が購入した書籍「愛の歴史」の作者ツヴィ・リトヴィノフの物語。そして「愛の歴史」そのもの。それぞれの物語が交互に組み合わされ、実はちょっとわかりにくかったりもするのですが、結末に向かう展開が巧みで、ひきこまれてしまいました。

レオポルドのアルマ(少女ではないほうの、かつて少女だった彼の恋人)への愛。彼が成し遂げた生涯で一番難しかったこと。彼の息子で作家になったアイザック・モーリツへレオが注いだ密かで強い愛。
少女アルマの母や弟、死んだ父への愛。男友達のミーシャへの想い。彼女の父が愛した小説「愛の歴史」をスペイン語から翻訳して欲しいとの手紙がアルマの母の元へ届く。差出人の名はレオの息子アイザックの小説中の人物「ジェイコブ・マーカス」。その不思議な接点の秘密。
レオが書いたはずの「愛の歴史」をスペイン語で出版したツヴィ・リトヴィノフ。彼のローサへの愛。嫉妬。

様々な愛、出来事が絡み合い、不思議な奇跡へとアルマとレオを導いていきます。レオの望んだ愛とは違うのかもしれませんが、しかし彼を満たしたのではないでしょうか。そのシーンの美しさは言いようがありません。

レオの暮らしは凄まじく孤独で、彼の息子アイザックへの妄執も切なすぎで、重さもありますが、でも読んでよかったと思える作品でした。映画化決定という話もあるようです。ややこしいながらも素晴らしい作品だったので、楽しみにしておこうと思います。



『ヒストリー・オブ・ラブ』                   ニコール・クラウス

閉じる コメント(10)

これはおもしろそうですね。本をめぐる物語、本好きにはたまらない感じです。さっそく図書館に予約を入れました。内容を知らないと、手に取らないタイトルだと思います。こういう本を知ることができるのも、ブログの効用ですね。^^

2007/10/5(金) 午前 6:42 りぼん

顔アイコン

ほんと!面白そうです。本の題名は見かけたのですが、スルーしていました。読んでみますね。

2007/10/5(金) 午後 3:53 retro

ribbonさん、こんにちわ。
しばらくは話の流れが読めなかったのですが、なんとなく掴めてくるとなかなか嵌りました。
本をめぐる物語としてはマーガレット・アトウッドの「昏き目の暗殺者」読まれましたか?これも一筋縄でいかず良かったです。

2007/10/6(土) 午前 3:29 hazakura

retroさん、そうなんですよ、私も題名ではうーん?と思いましたが、本のレビューで惹かれて借りてみました。
読んでみてくださいね♪

2007/10/6(土) 午前 3:30 hazakura

はじめまして、葉桜さん^^。本書はもっと多くの人に読まれて欲しい本ですよね。タイトルで割を食っているので、もっともっと多くの人にこの本の素晴らしさを伝えたいです。はっきりいって本書は今年の年間ベストの上位3位以内には確実に入る作品だと思います^^。

2007/10/9(火) 午後 5:59 beck

そうですね、このタイトルには必然性があるものの、つい手が伸びにくくなってしまうきらいがありますね。
でも、若いアルマ、老いたレオの人生の交差は感動的でした。
ベスト3に入るとおっしゃるのもわかる作品でした。

2007/10/11(木) 午前 2:15 hazakura

とっても素晴らしい本でした。教えていただいて感謝です。レオの人生も作品も素晴らしかったですね。何度か涙ぐんでしまったくらいです。「人生でもっとも難しいこと」をした場面や、「天使はこのように訪れるのか」とつぶやく場面とか・・。

2007/10/20(土) 午前 0:39 りぼん

レオの人生は辛い孤独なものですが、最後に訪れる救いが美しく、また、それが自分の書いた一冊の本によって訪れるということの美しさがなんとも言いようがありません。
読んでいただけて嬉しいです。トラバありがとうございます。

2007/10/21(日) 午前 3:19 hazakura

顔アイコン

英語で1回、日本語で2回読みました。英語自体はそれほど難しくはなかった。だが、しかし。登場人物の関係が複雑すぎてわけが分からなくなりました。それで、毎回「登場人物相関図」なるものを書いて、確かめながら読みました。

文章は美しくて静謐。小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」や「ことり」の好きな人はハマると思いますね!

2018/12/14(金) 午前 7:24 [ pis***** ]

顔アイコン

コメントありがとうございます。
英語で読まれるとは。人間関係や展開がわかりにくいので、なかなか難度が高そうです。
もう一度読み返したいと思ってる本の一つです。

2019/4/16(火) 午後 11:23 hazakura

開く トラックバック(2)


.
hazakura
hazakura
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Yahoo!からのお知らせ

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事