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塾講師の仕事を始めて十数年経ちますが、万能感を持つ子どもがますます増えてきているような気がします。
「万能感」とは、自分は何でもできる、特別な存在だと思い込んでいる状態を表す心理学用語です。(このことについては、以前にも少し書いたことがあります)
幼児期にはたいていの子どもが持っているものですが、幼稚園や保育所に入って同年代の子どもに揉まれているうちになんとなく「なんかうまくいかないことがあるぞ」と気付いて、小学校低学年にもなると「自分にはできないこともあるんだなー」と次第に理解して、万能感から卒業できるのが普通なのですが。
最近は、中学生や高校生になっても、下手すると大人になっても、万能感が抜けきらない人がいるようです。
そして、とうとう恐ろしい現象が出てきました。
それは、万能感を持つ親。。。
万能感を持ったまま子どもの親になってしまったら、本当にたいへんです。
もちろん、いくら万能感を持っていたとしても、どんなに優秀な人でも生きていく中で必ずうまくいかない挫折があったはずです。
普通はそこで気づいて、万能感を手放すはずなのですが。
挫折に見て見ぬふりをして、「なかったこと」として、通り過ぎて行ってしまうのです。
そして、自分にはもっと「向いているもの」があるはず、と違うものを追い求めるのです。
だけど、「特別な自分」が挫折したのです。
いくらさっさと「軌道修正」したとしても、心は忘れていません。
それはたちの悪い、劣等感として心に残ります。
また、うまくいったことも、素直には受け取れません。
なぜなら、万能感を持つ人は、他人との相対でしか自分自身を判断できにくいからです。
つまり、いつも他人と比べて自分がどの位置にいるか、が価値基準なのです。
なので、うまくいったときは、優越感として心に残ります。
そういう人が子どもの親になると「自分の子どもにはとにかく失敗させたくない」という気持ちが強くなります。
そして、「自分の子どもには、才能を早く見極めて、苦労させないで大成させたい」という願望が生まれます。
でも、それは実は自分が送りたかった人生なんですけどね
子どもの人生で自分の人生のリベンジをしたいのだと思います。
万能感を持つ人は自分の人生には満足できません。
いつも、「自分にはもっと別の人生があったはず。ただ『向いていること』に出会えていなかっただけ」と思っています。
そういう人の子どもはいつも過剰な期待にさらされ、だけど、その期待に背くと今度は、手のひらを返したように無関心にさらされることになります。
子どもの教育でいちばん気をつけなければならないのは、過干渉とネグレクト(育児放棄)ですが、万能感を持つ親にとっては紙一重なのです。
そんなふうにして育てられた子どももまた、万能感を持ったまま大人になりそうです。
では、どうすればそんな恐ろしい万能感から抜け出せるか!
私なりの見解を(長くなったので)次の記事で書きますね
大人になってからでも、大丈夫ですよ
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