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6月は父の日ということで。
家にして恋ひつつあらずは汝が佩ける大刀になりても斎ひてしかも
防人歌 (巻20―4347)
5月⇒http://blogs.yahoo.co.jp/sakuraran_jp/59577800.html は遣唐使の母が詠んだ歌をご紹介しましたので、今回は防人の父の歌です。
防人というのは、奈良時代に九州北部の防備のために駆り出された東国の農民たちです。
当時の日本は、唐(中国)・新羅(朝鮮)の連合軍との戦(『白村江の戦い』)で負け、国境に近い九州地方は緊迫した状況でした。
防人として徴集された息子を心配しながらも家を離れられない(当時は家にいる者も租・庸・調という重税が課せられていました)父親の息子を守る太刀になってでもその身を守ってやりたいというような気持ちを詠った歌です。
5月の『遣唐使の母』は包みこむようなやわらかな愛でしたが、↑の歌は父親らしいダイレクトな力強い愛が感じられておもしろいですね。
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Monthly萬葉集
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Pictures from http://www8.plala.or.jp/p_dolce/ 今月は母の日ということで。
旅人の 宿りせむ野に 霜降らば 我が子羽ぐくめ 天の鶴群
遣唐使の母(巻9―1791)
旅をする我が子が宿をとる野原に霜が下りたなら、天を翔ける鶴たちよ、その羽で我が子を包んでおくれ、というような意味の和歌で、遣唐使として中国に渡る我が子の無事をひたすら祈る母の歌です。
先日、いつものスポーツジムで、息子を持つ人たちが息子のかわいさを切々と語っていらしたのですが(笑)
お母さんにとって息子は本当にかわいいみたいですね
娘もいらっしゃる方でも、息子は特別みたいで、『育ち盛りだから』とか『部活で体力つけないといけないから』と言って息子にはランクアップしたお食事&お弁当を用意されてるとか
そういえば、うちの母も弟にはか〜なり甘かったな。。。
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春さらば かざしにせむと わが思ひし 桜の花は 散りゆけるかも
作者未詳(巻16―3786)
妹が名に かけたる桜 花咲かば 常にや恋ひむ いや年のはに 作者未詳(巻16―3787)
万葉集には古くから人々の間で語り継がれてきた伝説が和歌とともに入ってまして、今回はそのお話を紹介します。
昔、あるところに桜児(さくらこ)という娘がおりました。
美しいこの娘に、あるとき二人の求婚者があらわれました。
ところが、二人とも甲乙つけがたい、たいそう立派な若者でしたので、桜児はどちらを選ぶことができません。
なので、桜児の心を射とめるべく、若者たちは互いに争いあいます。
それが高じて、桜児に勇敢さを示すために、二人とも戦に志願してしまいます。
「自分のために、命を落とすかもしれないことを決意させるまで争わせてしまった」と桜児は思い悩みます。
「どちらかを選ぶことはどうしても私にはできまい。さりとて、同時に二人の男性の妻になった話など今まで聞いたことがない」
そして、「そもそもこうなってしまったのは自分がいるからだ」と思いつめた桜児はひとり森の中へ入り、とうとう首をくくって命を断ってしまいます。
上の和歌は亡くなった桜児を嘆いて二人の若者がそれぞれ詠んだ歌です。
春になれば、髪飾りにしようと私が思っていた、桜の花が散ってしまったよ
愛する君の名前のような、桜の花が咲いたら、いつまでも恋い慕うだろう
どれだけ年が巡ろうとも
というような感じの和歌です。
ところで。
桜児さんは二人から恋い慕われましたが、さらに上がおりまして。
縵児(かづらこ)さんという人は3人からプロポーズされていらっしゃいます。
そして、この方も生きた人間のほうは選びきれず、死のほうを選んでしまいました。
ちなみに、こちらは池に身を沈めた溺死です。。。(合掌)
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Pictures from GATAG -FREE- ますらをや 片恋せむと 嘆けども 醜(しこ)のますらを なほ恋ひにけり 舎人皇子 (巻2―117) 本日はホワイトデーということで。 今月は男の恋心を歌った万葉集の一首をご紹介^^ 『強い男』のはずのこのオレが片想いとは、なんてザマだと思うけど たとえカッコ悪くても、君に恋する気持ちは止められない というような意味の和歌です。 男の人が本気で「この女を堕とそう」と思って行動を開始したときの、すっごい『集中力』には驚かされます。 相手のやることなすことを、自分目線でめっちゃ『前向き』に解釈して原動力にして(実はKYになってたりもするんですが^^;)ターゲットに照準を絞り込んだ『ロックオン状態』で女の子に向かう姿は、まさに昔ながらの益荒男(ますらお)ぶり! やっぱり男子はこうでなくっちゃ!! やっぱり女子は何だかんだ言ってもこういうのを求めているわけです(。。。たぶんね^^;) なので、最近の『草食男子』の増殖は嘆かわしいことです(笑) 彼女のいる塾生(男子中学生)に「どっちからコクったの?」って訊いたら、ほとんど「向こうから」って答えるもんな〜><; 「自分から」と答えた男子ですら「(相手の猛プッシュに押されて)言わされた」って言ってるし。 なんか、最近の男子は勝ち目のない告白はしない、って感じですね〜。 それから、蛇足ですが。 舎人皇子の子孫には、教科書でおなじみの『枕草子』の清少納言がいます^^
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Pictures from GATAG -FREE- 来むと言ふも 来ぬ時あるを 来じと言ふを 来むとは待たじ 来じと言ふものを 大伴坂上郎女 (巻4―527) 2月?b>St. Valentine's Dayの月 もう、すっかり過ぎてしまいましたが^^: 気にせずに女の子の恋の歌をご紹介します^^ 早口言葉のようなリズミカルな音感とあいまって、万葉集の中でも特に好きな歌のひとつです。 『あなたは「来る」って言ってても来ないときがあるんだから、 あなたが「来ない」って言ってるときは、あたしはあなたが「来るだろう」と期待して待たないからね。 だって、あなたは「来ない」って言ってるんだから。』 というようなニュアンスの歌です。 恋を知り始めた大伴坂上郎女が夢中になった恋人は、当時の超名家・藤原家の四兄弟のうちの一人藤原麻呂。(ちなみに祖父は『大化の改新』の中臣(藤原)鎌足で、父は藤原不比等です) 彼は四兄弟の中でもイケメンで教養が高く、当然プレイボーイとして名を馳せていまして、あちこちに『恋人』がいます。 そんな彼に対する、ちょっとイヤミを込めた歌です。 いつの時代も、モテる彼氏を持つとたいへんですよねぇ。。。(遠い目) ついでに。 その後どうなったかといいますと。 藤原麻呂は天然痘に罹って、若くして世を去ります。(他の兄弟も次々と罹患して亡くなります) そして、大伴坂上郎女は彼の死に嘆き悲しむも、気を取り直して、今度は彼女が恋多き女としていろ〜んな男性と浮名を流すようになります。 なんと、のちには自分の娘(麻呂の子ではありません)の夫も取っちゃうんですよね〜。(っていうか、向こうが娘よりも母親のほうを選んじゃうんだけど) ↑の歌のような純情そのものの少女の面影は全くなくなります。 やっぱ、女はコワいですね〜〜〜><;
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