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『一服 』 /宮城県柴田郡大河原町・齋藤畳店3代目の記録
宮城県柴田郡大河原町・齋藤畳店・三代目の記録 / HP: http://www.maruharutatami.com/

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2018年 冬のイ田植え



 11/29〜12/2までの間、今年で8年目となる冬のイ草の田植えのお手伝いと研修のため、熊本県八代市に行ってまいりました。



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 今回ホームステイでお世話になったのは、イ草農家の作馬豊徳さん。



 作馬さんは過去に3度ほどステイでお世話になっており、今回で4度目、もはや親戚の家に行くような感覚でした。


作馬さんの畳表、涼風・優特等は、今年一年で150畳程使わせて頂きました。







 ↑過去三回お世話になった際のリンク。

 思えば遠くへ来たもんだ。


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 ↑ここ3年、訓練校・表具科の過程を終えてから熊本へ向かうため、新八代駅到着が夜22時過ぎ。


 
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 ↑作馬さん宅に到着後は即就寝。

 今までは作馬さんが起きて待っていてくださいましたが、この日は顔出しに来られ即就寝されました・・・。今までお気遣いしていただいて下さり、ありがとうございましたW



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 翌朝六時過ぎからからイ草の植え付けの為、田んぼに。


 もはや大した指示を受けることもなく、いつもの流れで作業にかかる…。



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 ↑連日雨続きで苗掘り作業が多少遅れがちな模様でしたが、当日は嘘のように快晴で、竜峰山に見守られての田植え日和の作業。






 この日は朝から晩まで一日中植え付けを行いました。


 私が担当するのは補植という作業。


 補植は機械で植えつけた後の、植え残しを手で植え付けして、補っていく作業です。


 植え付け機械の後を追いかけて行く様が、たまに田圃に現れる鷺に似ているため、鷺仕事といわれますw
 



 初日は一日中補植。






 ↑二日目は1日中苗のたたきを行いました。




 ↑苗叩きの機械に苗の根を当て、株分けしやすいよう泥を落とします。

 イ草の苗は分岐します。

 八月に田圃に植え付けしていた苗が成長し、分岐するのでその苗を田圃から掘り起こし、泥を落として株分けします。


 その苗を本田(ほんでん)に植え付けします。


 分岐した苗をほったらかしにすると、分岐しすぎて栄養が行き渡らず枯れる草が出てくるのです。


  産地に通っていると、苗がやられて足らなくなったとか、農協の人に苗を手配してもらったとか、苗が良く育った農家から分けてもらった、等の話を耳にすることも少なくありません。


 それだけ苗の育成は楽ではない模様です


 反面、横のつながりのコミュニティが大事なんだなとも感じております。




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 ↑苗叩きで泥を落とした苗を、輪状に積んでいきます。



 この日は一日中地道な作業をひたすら繰り返しました。



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 冬のイ草の田植え(機械植え)の時期は、八月に田んぼに植えた二次苗を掘り起こし、泥を落として株分けし、苗をほぐして先刈りしてから本田(ほんでん)に植えつけるという一連の作業が続きます。



 八代市はしばらく雨続きだったため、掘り起こした苗の根っこについた泥が一度で落ち切らず、今回二度落としという二度手間の作業。


 
 こういった天候に左右されるのも農産物ならではの作業のようで。






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 ↑この日の夜は、作馬家にイ業関係者が集まりました。


 八代市イ業部副組合長をされている作馬さんをはじめ、イ業センター長の谷川さん、農協理事とイ業部顧問の下永さん、和たたみの里八代生産販売組合長の岩井さん、イ草の手植え熊本最速といわれる兄を持つ師匠こと森野さんと、ド産地の濃い皆様が集いました。


良く見ると揃いのアディダス・ジャージの下永さんと谷川さん。


実は谷川さんの奥様は、下永さんの妹さんという、両氏はリアル・ブラザー(義兄弟)。


八代弁で、兄貴は「あんにょ」と言います。



 この日の話題は地理的表示保護制度(GIマーク)についてと、800万程(税別)の定価がついたイ草の植え付け機について、250万程(税別)の定価がついた苗ホグシ機についてなどでした。



 特に地理的表示保護制度については「くまもと県産い草畳表」のPRと、産地偽装などから守るために登録された模様。


 イ草農家が仕上がった畳表を、農協市場や私設市場に出荷し、その際登録団体から派遣された検査員が検査印を押し、GI認定される流れのよう。



 
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 畳表出荷の際、数十枚に一枚くまモンのGIシールが付くようです。偽物防止でホログラムになっている模様。



 私も何度かこのシールのついた畳表を取り扱いました。



 このGIシールは主に産地〜流通業者向けの制度でしょうか。



 営業を頑張っておられるイ草農家さんや問屋さんなどは、ご自身らで検査し、ブランド化した畳表を直接畳屋さんに卸したりもされているので、一概にこのGIマークのついていない畳表が熊本県産じゃないとはまず言え無いと思いますが、苗から二年近くかけて育てられる地道な作業の積み重ねで仕上がる熊本県産の畳表。産地を守るいい方向に向かっていくよう願っておりまス・・・。




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 ↑作馬家で一次会を過ごした後は、八代の街へ繰り出すことに・・・。


 レトロな看板に、五感を刺激されます。


 谷川さんの御指名で、こじんまりとした隠れ家的小料理屋に連れて行ってもらいました。
 
 
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 ↑入口の壁に掛けてあった「イ草の蓑」。


 この時点でこの店なにか違う、と思いましたが出てくる料理でてくる家庭的な料理が絶品でした。


 しかし、谷川さんといい下永さんといい、どこに連れて行ってもらってもおいしい穴場的店を知っておられます



 宴もたけなわ、皆さん翌朝も早いため程々に、私は一日補植作業による筋肉ツーから筋肉スリーへと進化を遂げた重い足を動かし、帰路へ・・・。



 今年もイ草農家が減少傾向の現実は変わりませんが、皆さんの元気な姿を見てるとまた来年も頑張ろうと、心に秘めた8年目の冬のイ田植えでした。


 お世話になった作馬さん、お土産頂いた下永さん、夏に忘れたカッパを届けていただいた石橋さん、ありがとうございました!


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